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紛争や干ばつによる食料危機に苦しむ人々を支援~南スーダン~
アフリカ
緊急支援
(更新)
南スーダンでは、2016年7月に武力衝突が起こり、多くの住民が家を離れて避難生活を余儀なくされました。避難生活を終えて元の家に戻っても、荒れ果てた耕作地には作物が育たず、さらに2017年初めの干ばつで、食料危機が深刻化しました。プラン・インターナショナルは、皆さまからの東アフリカ緊急支援へのご協力とジャパン・プラットフォームの助成を受けて、南スーダン南部のジュベク州で農業支援や栄養改善に取り組みました。
住民のうち、約60%が困窮する村で
プランは以前から、南スーダン南部に位置するジュベク州ロコン郡で、プラン・スポンサーシップを通じた地域開発支援を行っていました。2016年の武力衝突により活動中断を余儀なくされていましたが、2017年の初めから干ばつによる食料危機が発生。人々の困窮した暮らしに追い打ちをかけました。
種子と農具を受け取った住民
プランが2017年3月に実施した調査では、全人口(約1万人)が食料不足に直面するなか、約60%はとくに深刻な状態であり、今すぐ支援を必要としていることが判明。生計手段をすべて失った人々の割合は、約30%に達していました。そこでプランは、日本からの支援でこの地域で活動を再開することを決め、2017年6月から2018年1月までの8カ月間、支援を実施しました。
妊産婦や障がいのある人がいる家族を最優先に
支援をもっとも必要とする女性世帯主を中心に、なかでも、障がいのある人や妊産婦、高齢者がいる家族、また、保護者のいない子どもを育てている家族を優先して、以下の活動を実施しました。
石鹸と蚊帳の支給
- 穀物と野菜の種子、農具の支給(1200世帯7200人)
(支給した種子:トマト、オクラ、ナス、モロコシ、ササゲ豆、落花生、ゴマ) - 農業研修の実施(60回、991人が参加)
- 石鹸や蚊帳などの衛生用品の支給(1200世帯7200人)
- 12~17歳の女の子への生理用品キットの支給(250人)
- 親たちを対象とする栄養研修の実施(60回、1213人が参加)
収穫した農作物を販売する女性
農業研修を受ける人々
農業研修で試験農地に水やりをする住民
収穫した落花生を見せる住民(2017年12月)
保護者向け栄養セッションの様子
保護者向け栄養セッションの様子2
現地プロジェクト担当者の声:アマドラ・エリック(南スーダン:プラン・インターナショナル職員)
トマトの育ち具合を確認するスタッフと住民(2017年12月)
「最初の2カ月間は、首都から活動地域へ向かう道路で強盗が頻発し、活動地に行くことが困難でした。しかし、治安が落ち着いてからは、活動を順調にすすめることができて、ほっとしました。この地域では、昔からササゲ豆の種子とゴマを混ぜて保存することで、害虫を避けることができるとされています。そのため、予定していた種子に加えてゴマも支給するなど、地域の知恵を生かした支援を行うことを心がけました。研修参加者は、家から研修場所まで10キロ以上歩いてくる人もいて、とても熱心に参加してくれました。研修の前後で受けてもらったテストでは平均点が2.5倍になり、期待した以上の成果を出すことができました」
南スーダンでは、2017年12月に停戦合意が結ばれましたが、その後も武力衝突が続いています。現在も510万人が食料危機に直面しているとされ、女性や子どもを中心とする240万人が国外に逃れて難民となっています。このような状況を受け、今後も南スーダン国内および周辺国での支援を強化していきます。
参加者の声:研修に参加した女性
ササゲ豆の葉を収穫する女性(2017年10月)
「私は、農業研修と栄養研修に参加しました。農業研修では、支給された種子と農具をうまく使って収穫を増やす方法を学びました。このような研修を受けたのは初めてで、とても役に立つ知識がたくさんありました。栄養研修では、子どもの栄養不良の改善方法などを学びました。これから、子どもの栄養や衛生にも、もっと気をつけていこうと思います」