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【経過報告】オンライン講習会で女の子をサポート~「シリア難民の女性の安全な居場所」プロジェクト~

ガールズ・プロジェクト

更新)

シリア紛争から10年 女の子の「早すぎる結婚」が増加

2011年3月に始まったシリア紛争は、いまだ解決しないまま10年以上が経過しています。シリアと国境を接するヨルダン国内に開設されているアズラック難民キャンプには現在約3万8000人が生活しており、そのうち60%が18歳未満の子どもです※1。総世帯のうち25%は女性が世帯主※2として、慣れない土地での生活を余儀なくされています。

写真:砂漠のなかにあるアズラック難民キャンプ

砂漠のなかにあるアズラック難民キャンプ

  • ※1,※2 UNHCR, Azraq Camp Dashboard UNHCR Jordan April 2021

ここ数年特に顕著なのは、ヨルダンで生活しているシリア難民の女の子の「早すぎる結婚」が倍増していることです。早すぎる結婚は、女の子の教育機会を奪うだけでなく、早すぎる妊娠による合併症など、健康に悪影響をもたらすこともある有害な慣習です。しかし、貧困からの脱却が期待できる、キャンプ内外での誘拐や性暴力などから娘たちを守ることができると考え、そのような選択をしてしまう保護者もいます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、その傾向がさらに強まることが懸念されています。

女の子や女性が安心して暮らせる環境づくりを支援

プランは2019年7月から、ヨルダンのアズラック難民キャンプにおいて「シリア難民の女性の安全な居場所」プロジェクトを実施し、女の子や女性たちが安心して生活できる環境づくりに取り組んでいます。2020年3月半ば以降は、アズラック難民キャンプ内でも集会や外出の制限が続き、活動にも制約が生じましたが、新型コロナウイルス感染防止対策を優先しながらプロジェクトを継続してきました。

写真:プランの活動に参加する女の子

プランの活動に参加する女の子

コロナ禍ですすめた2年目の活動経過をご報告します。

「早すぎる結婚」や児童労働を防ぐため、若者が啓発活動を主導

新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで迎えた2年目は、これまで以上に早すぎる結婚と児童労働のリスクが増加しました。そこで、難民キャンプ内の青少年グループの若者たちは、これまでの活動を通じて身につけたコミュニケーションスキルやリーダーシップを発揮し、SNSを通じた啓発活動を主導。「子どもの権利」、「早すぎる結婚のリスク」、「中途退学の影響」、「子どもに危険な仕事と環境」、「性と生殖に関する健康と権利」などをテーマに、思春期の女の子・男の子140人とその保護者に向けて、啓発メッセージをSNSで発信しました。

コロナ禍でもオンラインで講習会やセッションを継続

新型コロナウイルス感染症の影響で、ライフスキル講習や心理社会的ケアのセッション、非公式教育や保護者を対象とした親業講習会なども、すべてオンラインでの実施となりました。こうした機会を捉え、感染予防に関連する情報提供も行いました。

写真:スマートフォンでオンラインのライフスキル講習を受ける女の子

スマートフォンでオンラインのライフスキル講習を受ける女の子

ボランティア指導員がクラブ活動をサポート

紛争から逃れ、難民キャンプで暮らす小さな子どもや思春期の子どもたちにとって、トラウマやストレスを軽減する手段として、レクリエーションや創造的な活動はとても重要です。プランは難民キャンプで、「手工芸・農業・スポーツ」の3つのクラブ活動を支援しています。
コロナ禍で、クラブの参加者同士で集まることはできなくなりましたが、家庭でも活動を継続できるよう、一人ひとりに殺菌した材料や道具を支給し、オンラインで技術指導を行いました。指導にあたっては、ボランティア指導員たちが、参加者の読み書き能力を考慮しながら、動画やイラスト、音声による教材を多く作成しました。
こうした支援のもと、手工芸クラブでは、手工芸と絵画、リサイクル活動を行いました。作品の制作を通じて、女の子たちは自分の感情を表現することで緊張を和らげると同時に、家の周辺を美しく飾りました。また、農業クラブの子どもたちは、家族の協力を得ながら、家庭菜園づくりに取り組みました。

写真:女の子の自宅に殺菌した手工芸の材料を届けるボランティア

女の子の自宅に殺菌した手工芸の材料を届けるボランティア

写真:支給された手工芸の材料を使ってマスクを作る女の子

写真:支給された手工芸の材料を使ってマスクを作る女の子

支給された手工芸の材料を使ってマスクを作る女の子

難民キャンプ内のインターネット環境の不備や電力不足など、オンラインを活用した活動継続には困難も伴いました。しかし、コロナ禍においても実現可能な取り組みを継続し、子どもや女の子、若者たちが、家庭でも安心して活動に参加できるよう後押しすることができました。これまで参加が難しかった子どもが、自宅からでもオンラインで活動に参加できるようになったケースもあります。
現在、このプロジェクトへの日本からの寄付募集は終了していますが、現地では同様の活動を継続していきます。

参加者の声

写真:サナ・ファルハンさん、41歳、非公式教育(英語)の教師

サナ・ファルハンさん、41歳、非公式教育(英語)の教師
「オンライン学習コースを通じて、子どもたちの教育を継続しています。インターネット接続が難しかったり、携帯電話を持っている父親が帰宅するまではオンライン学習を始められなかったりと、子どもたちが直面する課題はたくさんあります。それでもオンライン学習は、学習機会がないよりはずっと良い方法です。インターネット接続のやり方がわからない子どもには、戸別訪問して接続方法を教えています。制約があるなかでも、子どもたちは学びたいという意欲が高く、熱心に学習に取り組んでいます。その姿をとても頼もしく感じています」

写真:親業講習会に参加した母親

親業講習会に参加した母親
「インターネットも、使い方次第で子どもの学習に役立つことがわかりました。私の子どももインターネットで新しい知識を学んでいます。読み書きも上達しました。情報や知識を身につけることは、子どもたちが自分たちが直面する問題を解決する力になると思いますし、私もそれを応援したいです」

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