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【経過報告】コミュニティとの協力ですすめる安心・安全な学校~暴力のない中学校づくりプロジェクト~

グローバル・プロジェクト

更新)

1月24日は、国連が定めた「教育の国際デー」です。すべての子どもたちが安心・安全な環境で、質の高い教育を受けられるよう、全世界がともに取り組んでいくことを確認する日です。

暴力のない安心・安全な学習環境づくりにむけて

ジンバブエでは、子どもの保護に関する人々の知識やスキルが不足しているため、学校や家庭で体罰がしつけの一環として一般的に用いられています。プランが活動する地域の学校では82%の教師が体罰を行っており、家庭でも78%の保護者がもっとも有効なしつけとして体罰を容認しています。また、2020年以降のコロナ禍においては、家計の悪化などと相まって保護者のストレスが高まり、家庭内における子どもへの暴力が増加したという報告もあります。

写真:啓発セッションに参加するコミュニティ住民たち

啓発セッションに参加するコミュニティ住民たち

子どもたちが安心して学び育つ環境を整えるためには、保護者や教師だけでなく、コミュニティ全体の理解促進が欠かせません。プランは「暴力のない中学校づくり」プロジェクトを通じ、教育現場や家庭から体罰をなくすための活動に力を入れています。子ども、学校、保護者、住民が一丸となって取り組んでいる様子をご紹介します。

  • ※「ジンバブエ・エプワース地区およびクエクエ郡における学校内体罰に関するベースライン調査結果」;プラン・インターナショナル

生徒自身が主体となって啓発活動を実施

プロジェクトでは、安全な学習環境づくりにむけて、生徒たち自身が考え行動することを重視しています。生徒で構成される「子ども保護委員会」が主体となり、他の生徒たちを対象に啓発セッションを実施。歌や詩、寸劇などを通して、子どもの保護の重要性や体罰の弊害などを分かりやすく伝えました。また、学校や家庭に「褒めて伸ばす教育法」をよりいっそう浸透させ、保護者や教師が暴力や体罰ではなく、対話を通じて子どもとともに問題を解決していくことが大切であることを説明しました。

写真:寸劇に参加する生徒たち

寸劇に参加する生徒たち

「褒めて伸ばす教育法」とは、子どもを怒鳴ったり、叩いたりするのではなく、子どもたちの声に耳を傾け、対話や愛情表現などの前向きな方法で子どもを指導する教育法のことです。

啓発セッションに参加した生徒たちは、困難や問題に直面したときには、保護者や教師に自分の気持ちを率直に伝え、話し合う姿勢が大切であることも学びました。生徒へのアンケート調査では、90%以上が体罰による指導は間違っていると回答、子どもの権利や保護への意識の高まりも見られました。今後は、啓発セッションに参加した生徒たちが、身につけた知識を他の生徒たちにも伝えていくことが期待されています。

教師間の学び合いによる「褒めて伸ばす教育法」の普及

学校で「褒めて伸ばす教育法」を広めていくためには、教師がその教育法を深く理解することが不可欠です。そのため、教育省職員と教育コンサルタントが講師となり、教師代表に対する「褒めて伸ばす教育法」のトレーニングを行いました。参加者たちは、褒めて伸ばす教育法の理論や実践方法、ジンバブエ国内の体罰禁止に関する法律などについて学び、この教育法を自分の学校に根づかせるためにどうすべきか議論を交わしました。また、今回のトレーニングで学んだことを自分の学校に持ち帰り、同僚の教師にも広めていけるように、指導方法についても学びました。

写真:褒めて伸ばす教育法について意見を出しあう教師たち

褒めて伸ばす教育法について意見を出しあう教師たち

参加した教師のひとりは、「褒めて伸ばす教育法を知ることができてよかったです。これは、子どもの成長によい影響を与えるだけではなく、私たち教師にとってもよい教育法です。体罰をしなくてすむなら、したくないですから」と語っています。「褒めて伸ばす教育法」のトレーニングを受けた教師たちが、今後は講師役となって活動をさらに広げていく役目を担っていきます。

体罰をなくすには、コミュニティ全体への働きかけが大切

体罰に代わる教育法を地域に根づかせるためには、保護者だけでなく、コミュニティの住民たちにも、体罰が子どもの心身に及ぼす影響や「褒めて伸ばす教育法」の効果を説明し、理解を得る必要があります。子どもに対する暴力に対応する役割を担う、コミュニティの「子ども保護委員会」が中心となり、住民への啓発セッションを行いました。セッションでは、子どもの保護や、体罰に頼らないしつけの大切さについて、住民同士で意見を出しあいました。

写真:褒めて伸ばす教育法の説明を聞くコミュニティ住民たち

褒めて伸ばす教育法の説明を聞くコミュニティ住民たち

参加した住民のひとりは、「『褒めて伸ばす教育法』は、学校での体罰を禁止するジンバブエの法律にも則していることが理解できました。これを、学校だけではなく、コミュニティでも実践していかなければならないと思います。今後はこのやり方で子どもとの信頼関係を築きながら、子どもの成長を後押ししていきたいです」と話しました。

活動地域では、生徒、教師、コミュニティ住民、行政など関係者全員が一丸となり、体罰に代わる「褒めて伸ばす教育法」の定着に取り組んでいます。2022年2月には、対象地域内外の関係者を招待して、これまでの成果や学びを共有する機会を持つ予定です。対象校の教師たちが中心となって、体罰に頼らない教育の重要性を訴え、「褒めて伸ばす教育法」の輪を地域外にも広げていきます。ジンバブエでも依然として新型コロナウイルス感染症による影響が見られますが、参加者の安全を第一に考えながら活動を続けていきます。

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