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“イクメン”という言葉への違和感
インタビュー
(更新)
秋月 透馬さん
文藝春秋『オール讀物』編集部
作家の角田光代さんがプランのコロンビアでのプロジェクトを通じて“マチスモ”を取材し、エッセイを文藝春秋『オール讀物』に執筆しました。文藝春秋で角田光代さんを担当する編集者・秋月透馬さんに、“マチスモ”についてのお話をうかがいました。
マチスモ――遠くて近い問題
角田さんに原稿を書いていただくことになって、コロンビアについての印象を考えたときに、94年のサッカーW杯の後に起きた「エスコバルの悲劇」(コロンビア代表チームのエスコバルがアメリカ戦でオウンゴールを許し、故郷で殺害された事件)を思い出しました。現在も一部、治安が悪いところもある国なのかな、という印象でした。
今回のテーマである「マチスモ」についてはまったく知識がなく、原稿を読むなかで、「男性優位主義」と知りました。夫から妻に、彼氏から彼女に、というDV被害が多く、この背景には「男は何をしてもいい」という考え方があると――。職場でも男女が同等に働き、「イクメン」という言葉も飛び交っている日本とは、遠い国の出来事だと思って読みすすめていましたが、途中、ページをめくる手が止まりました。「イクメン」という言葉が持つ、家庭サービスを「やって」いるというニュアンスへの違和感です。『家庭は女性が営むもので、男性は善意でサポートする存在なのだろうか』――角田さんのこの問いかけが、胸に刺さりました。一定の年齢層より上の男性は、“家事を手伝っている”という表現を使ってしまいがちです。私自身もまさにそうでした。この考え方の根っこは、マチスモと何ら変わりないことに気づかされました。角田さんの小説を読むといつも、ルーツや考え方が違う他者のことを、いつのまにか理解させてもらっていることに驚きます。今回もそうでした。作家の文章だからこそ、心に染みることもあるのだと改めて感じました。
角田光代さんのマチスモについてのエッセイはこちらに掲載されています
オール讀物 2016年4月号
角田光代 特別寄稿
コロンビア探訪
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