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支援の最前線で働くスタッフ~ラジャスタン州における乳幼児の総合的栄養改善事業~

プログラム部
渋谷 朋子

アジア

更新)

暑い暑いインドからナマステ。

プラン・インターナショナルの事務所があるラジャスタン州ジャイプールでは、2016年5月に気温47度を記録。過去11年間での最高記録を更新しました。この暑さに多くの人がクーラーを使い電力が足りないせいか、クーラーから微かに流れてくる風は温かく、蛇口から出てくる水は温かいを通り越して熱さすら感じます。そんな状態でも、フィールドは休むことはできません。

第2回は、ビカネール県50村で乳幼児の総合的栄養改善プロジェクトに取り組む7人のフィールドスタッフの一人、ヒラを紹介したいと思います。

写真:ビカネール県ルンカランサル地区のプロジェクトスタッフたち

ビカネール県ルンカランサル地区のプロジェクトスタッフたち

写真:ヒラ(左)とプロジェクトスタッフ

ヒラ(左)とプロジェクトスタッフ

今年27歳になるヒラは、10村を担当し、各村の15名の栄養指導員や、乳幼児保育施設職員をサポートしています。時には、トレーニングでトレーナーとして活躍し、チームをしっかりサポートしてくれます。まだ若いにもかかわらず、彼女の賢さ、率先力、そしてマネージメント力はひときわ優れ、皆から一目置かれた存在です。

写真:トレーニングをするヒラ(右)

トレーニングをするヒラ(右)

写真:村の風景1

村の風景1

人生を切り開いたヒラ

そんなヒラも、生家が金銭的困窮に陥り、13歳で結婚をしています。幸運にも、嫁ぎ先と実の父親の理解を得て、勉強を続けることができました。勉強を続けながら、15歳で第一子を出産、二番目の子どもも10年生の最終試験の25日前に出産しました。17歳の時に義父が亡くなり、夫も仕事がなく幼い子をかかえて再び金銭的に行き詰まりました。一日一食の日々が続いたときは、人生で一番辛かったそうです。20歳のときに、現在の団体(プランの提携団体)に面接の機会を得て、一張羅の服とメイクアップをして面接に臨みました。面接をした団体の代表は、そんな着飾ったヒラをみてフィールドで働けるのか、と思ったそうです。しかし、働くなかで少しずつ信頼を得て、今は10村を任されるまでになりました。

写真:トレーニング参加者とヒラ(左)

トレーニング参加者とヒラ(左)

写真:栄養状態の見極め方を学ぶ栄養指導員と乳幼児保育施設の職員

栄養状態の見極め方を学ぶ栄養指導員と乳幼児保育施設の職員

「13歳で結婚」というと、教育も中断され早すぎる出産で身体的にもダメージを受け、困難な人生を抱えてしまうという負の面が大きいのは事実。ですがヒラは、そんな状況を自ら変革する力を持った女性でした。勉強を続けたいという強い意志をもち続け、夫婦円満な家庭を築き、そして仕事につき自分で収入を得て、自立した道を切り開いています。

写真:村の風景2

村の風景2

写真:栄養指導員(中央)、乳幼児保育施設職員(右)とのミーティング

栄養指導員(中央)、乳幼児保育施設職員(右)とのミーティング

そんなヒラに、プロジェクトで働いているなかで、感じたこと、思うことなどをたずねてみました。

Q. プロジェクトが始まって、いちばんうれしかったことは何ですか?

A. 村の人々が、栄養指導員と私が言うことに耳を傾け、受け入れ始めてくれたことです。村に行くと、村の女性が「今日は母親学級ないの?」と声をかけてくれます。また、村の看護師や栄養指導員たちが、子どもに予防注射を受けさせようとしなかった家族のところに通い続け、時にその家に滞在し説得した結果、家族のすべての子どもに予防注射を受けさせてくれたときは、本当にうれしかったです。また、栄養不良の子どもにカウンセリングをした結果、栄養状態が改善し、家族から「ヒラと栄養指導員のお陰だ」、と言われたときは達成感を覚えました。

Q. プロジェクトを運営する上で難しいことは何ですか?

A. 村では、家の中でも夫婦が一緒に並んで座ることがなく、また、ともに外出する習慣がありません。子どもの栄養について夫婦ともに関わってほしいと思うのですが、男性に直接カウンセリングを行うのは難しいです。また、村へ行くバスの本数が限られているため、管轄している10村を効率よくまわることができず、その移動がいちばん大変です。
そのほか自身のことでいえば、家の5人分の家事もこなさなければなりません。朝5時半に起きて、家族のためにご飯をつくり、服を手で洗濯してから7時頃のバスで出かけます。バスの時間によっては、朝5時前に起床しなくてはなりません。

Q. 日本の皆さんにひとことお願いします。

A. 日本にも困難に直面している女の子がいることと思います。でも、決して歩みを止めず勇気をもって、そして前に歩みを進めてください。

ヒラのこれまでの人生を知り、その働きぶりをみるにつけ、彼女と一緒に働けることをうれしく思います。そして、私自身も強くならなければ、と思います。

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