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若者たちの声を取り入れる社会の実現へ~イギリスのEU離脱にあたり~
プラン・インターナショナルCEO
アンネ・ビルギッテ・アルブレクトセン
Plan CEO
(更新)
社会に分裂を生じさせた投票結果
マケドニアのシリア避難民
開放性と寛容性、国際協力の信奉者として、私はイギリスのEU離脱の選挙結果にショックと悲しみを受けています。人々とともに、紛争を平和的に解決し、公正で公平な社会を建設し持続する連携に大きなひびがはいりました。
国民投票は民主主義国家が持つ市民参加の基本的な形態であり、人々の声を聴き、その手に力を与えるのに最適な方法です。イギリスの市民参加を活気づけるものともいえます。同じく人々を力づけることは、プランが目指しているすべての人に公平な世界を作りだす唯一の方法です。しかしながら、この結果は持つ者と持たざる者、都市と農村、若者と老人のあいだに憂慮すべき深い分裂を呼び起こしました。
この分裂はヨーロッパのみならず世界でも広まる傾向にあります。移民に向けられた敵意の高まりと怒れる大衆主義は、グローバル化した世界の変化の速度に狼狽している有権者にとって魅力的に映ります。極端な富の偏りは、過去にあったように国家間の不平等さよりもむしろ、国内の不平等を押し広げています。
なぜプラン・インターナショナルにとって問題なのか
なぜ、イギリスのEU離脱がプランにとって問題なのでしょうか。
第一に、18~24歳の71%以上がイギリスはEUに残留すべきと投票し、高齢者グループとは明らかに異なった考えを持っていることです。若者の声を聴くことは、プランの活動の核です。私たちは若者が望む世界へ変化を起こす者となるべく彼らをエンパワー(能力強化)することで、その変化を持続させられるのです。
すべての人のためのより公平な世界のビジョンを実現するために、私たちは分裂を乗り越えることが重要です。この意思決定には社会のあらゆる人々の声、特にその変化の影響を最も受ける若い人々の声に耳を傾けなければなりません。
プランのイギリスのイベントで声を上げる女の子
国際会議(第四回Women Deliver)でプランと協力するフィリピンの若者
第二に、権利に基づく団体として、取り残され、疎外されている子どもたちのために声を上げることが重要です。難民や移民を敵対視している今のヨーロッパの政治情勢のなかで、そうした人々の権利を否定し、社会の片隅へ押しやるような人々に立ち向かう義務があります。
子どもたちの危機に際し行動を起こすことは私たちのDNAです。私たちは1937年にスペイン内戦による孤児を助け、彼らに諸外国で新たな家や希望を提供するために設立されました。分裂を埋め人々をつなげるという私たちの使命のもと、世界中で140万人以上の子どもたちの、よりよい未来を築く支援をしています。
第三に、国民投票結果は十分に確立されたヨーロッパの寛容、平等、理解と人権尊重という本質からかけ離れることなく、無責任な拡大をしないようにという警鐘です。人権の促進と差別をなくすことに取り組むには、市民社会はその学びに十分に注意を払わなければなりません。イギリスとEUは、これまでに築き上げてきた価値観を妥協することなく、自らが社会で果たすべき役割をいかに果たすかを考えなければなりません。
1937年スペイン内戦への緊急支援物資の運搬
学校での暴力反対を訴え行進するトーゴの子どもたち
プラン・インターナショナルは、すべての子どもたちの権利が守られ女の子が差別されない社会の実現を深く信じています。
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