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司法を通じた途上国支援
インタビュー
(更新)
原 若葉さん
弁護士 JICA専門家(司法アドバイザー)としてコートジボワールに赴任中
JICA専門家(司法アドバイザー)として、2014年12月から西アフリカのコートジボワールに赴任している弁護士の原若葉さん。プランのスポンサーとしても、長年にわたって支援をしてくださっています。プランの活動の主要な柱であるジェンダー平等の推進や、女の子と女性に関する法制度のあり方を意識して司法アドバイザーの活動の内容を組み立てていくこともあるとのこと。プランの取り組む「アドボカシー」にも通じる、途上国における司法分野の支援活動についてお話を伺いました。
内戦後の国造りにかかわる
コートジボワールは、1960年にフランスから独立。カリスマ的な初代大統領ウフェ・ボワニが30年以上にわたる統治は、「イボワールの奇跡」と呼ばれる驚異的な経済成長を成し遂げました。ところが彼の死後に政治は混乱。2002年から約10年間も内戦が続き、国内のさまざまな制度が機能しなくなってしまいました。私は現在、日本から初めてアフリカに派遣された司法アドバイザーとして活動しています。
対等な立場で司法関係者に研修を実施
私の司法アドバイザーとしての任務は、大きく分けてふたつありますが、まずひとつめは、“刑事司法関係者の能力強化”です。コートジボワールでは、長年にわたる内戦で裁判所や刑務所が破壊され、司法関係者が退去した地域では、制度が機能しなくなりました。実は、身近な問題で裁判所に行くことができるということには、大きな意味があります。暴力などを用いず問題を解決する制度があれば、紛争は起こりにくくなります。そして暴力をふるった人などが刑罰を受けずに放置されることもなくなる。これが重要です。安全で平和な社会を構築するためには、司法制度の整備が欠かせないと言われるのはそのためです。そして司法制度を整備するには、それを担う優秀な人材が必要です。そこで、刑事司法分野を中心に、能力強化のための研修を実施。私はそのバックアップ業務を行っています。現地の関係者との間で心がけているのは、同じ司法のプロが相手なので、上から目線にならず、また下に見られることもなく、常に対等の立場に立つこと。この研修に限らず、日本の支援は相手に日本の制度や考え方を押し付けず、「経験共有」に重きを置いています。研修の参加者には、ホリゾンタル(水平)な関係で議論ができたことがよかったと、すっかり日本のファンになった人もいます。
司法アドバイザーとしての任務のふたつ目は、“司法アクセスの改善”。これについては次回、お話ししたいと思います。
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