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ろう学校での防災教育~ネパール大地震の支援実施効果を検証~
プログラム部
海藤 純子
Asiaアジア
事務局より
(更新)
ナマステ、メロ ナーム ジュンコ ホ(ネパール語で「こんにちは、私の名前はじゅんこです」)。
プログラム部の海藤です。2015年のネパール大地震で実施した緊急支援プロジェクトの実施効果を検証するため、外務省のNGO事業補助金を受け2017年9月にネパール大地震の被災地域のひとつ、東部のシンズリを訪れました。
地震により校舎が全壊
シンズリにあるろう学校を訪問し、校長先生のビジェイさんに2015年4月に発生した地震の様子を聞きました。この学校では、幼稚園から8年生まで88人の児童・生徒たちが寄宿舎で生活しながら学んでいます。子どもたちは、ここで初めて手話を学びます。
インタビューに答えるビジェイさん
「地震は子どもたちの10日間の試験休み中に発生しました。そのため子どもたちは不在でしたが、3校舎すべてにひびが入り、全損壊と判断され使用できなくなってしまいました。学校運営委員会と話し合い、ネパール政府の決定にしたがって、休みは1カ月延長することになりました。学校が再開してからも2年間は仮設校舎を使用していました」とビジェイさんは説明してくれました。
竹を使って建設した仮設校舎(2015年当時)
現在は使用していない仮設校舎の様子
「子どもひろば」の設置や、校舎再建、防災教育支援に取り組む
プラン・インターナショナルは、被災地において子どもたちが安心して過ごせるように「子どもひろば」※の設置を支援しました。また校舎の再建にあたっては、プランのパートナー団体の協力を得て、安全な校舎建設のための技術支援も行い、防災教育も取り入れました。
単語や数字が描かれている教室
その後の余震の際は、ビジェイさんが地震に気づき指示を出す前に、子どもたち自らの判断で校庭に避難し始めました。この様子を目の当たりにしたビジェイさんは、うれしい驚きとともに子どもたちの適切な行動を誇らしく感じたそうです。
その後も学校運営委員会、教師、子どもたちが防災のトレーニングを続けています。学校の児童・生徒たちは、子どもクラブを結成し、防災に関するクイズ大会の企画や実行を通して、防災に関する知識を楽しく身につけられるよう、周りの子どもたちに働きかけています。また、ほかの子どもたちと一緒に活動したり、リーダーシップを発揮することで、彼ら自身の能力も高めています。
寄宿舎の壁に描かれた防災マップ
ビジェイさんは、「この学校は山深い地域にあるため、自然災害は地震だけではありません。落雷や地滑り、山火事も脅威です。そして、地震はまた起こるかもしれません。防災教育は、自然災害への大切な備えのひとつなのです」と防災教育の必要性を話してくれました。
- ※「子どもひろば」
災害・緊急時に、子どもの保護と心のケアのために設置・運営されます。現地では、混乱のなか、子ども、とりわけ女の子は虐待や搾取の対象となる危険性が高まります。子どもたちが一日もはやく日常を取り戻せるよう、遊びや学習を取り入れることで、子どもたちが抱えるストレスを軽減させ、自尊心を育み、自分を守ることができるようになることも視野に入れて活動します。また、保護者も含めた子どもの保護への理解を深める場としても重要です(詳しくはこちら)
信頼関係を笑顔で実感
今回の調査を通して感じたのは、コミュニティとプランの強い信頼関係です。学校の教師や地域の住民たちが、ネパールのプラン職員やコミュニティ・ボランティアに見せた親しみのこもった笑顔が、何よりの証であると感じました。
寄宿生活で勉強するろう学校の生徒たち
校長先生とのインタビューの間、私の肩をつつく子どもたち。振り向くと両手をあわせて「ナマステ」の挨拶を見せてくれました。災害時にはそれでなくとも弱い立場が、途上国で障がいがあるとなるとなおさらのこと、十分な情報に接したり、質の高い教育を受ける機会が極端に限られてしまいます。無限の可能性をもつ子どもたちのために、これからも支援に取り組んでいきます。
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