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HIV感染予防と差別のない地域づくりを目指して~ジンバブエ~

プログラム部
曽我 建太

アフリカ・中東

事務局より

更新)

プログラム部の曽我です。ジンバブエの中部のミッドランズ州クエクエ地域で、2016年10月から2017年9月にかけて実施した、「若年層を中心とした感染予防と差別のない地域づくりプロジェクト」の終了間近の成果を確認するため、9月に現地を訪れました。
ジンバブエのHIV感染率は、ピーク時(2000年)の30%から15%(2015年)まで大きく減少したものの、依然としてHIVとともに生きる人々が推定約160万人いるという状況です。現地の職員たちは、「HIV感染とエイズの問題を、最近では誰も深刻にとらえなくなっていることが問題なのです」と、話します。

自分の健康を守るための方法を知らない女の子たち

金を採掘することができるこの地域には、一獲千金を求めて多くの違法採掘者が出稼ぎをしに集まってきます。そして、一時的に大金を手にした採掘者たちが、安易に性産業を利用するという環境があります。一方で、貧しさから、やむなく性産業の仕事につく10代の女の子があとをたちません。性産業に従事する女の子は、HIVに感染するリスクがもっとも高い層でありながら、予防についての基礎的な知識を持ち合わせていません。学校教育のなかで性と生殖に関する健康と権利についての適切な教育を受けておらず、自分の体を守る知識や方法を知らないのです。たいていの場合、お金を持っている(年配の男性の)HIV感染者が、性産業で働く若い女性に感染させてしまい、そこを発端に新しい感染者が増えていくのです。外部からの人口流出入が盛んな地域であるため、金の採掘のために出稼ぎにきていた人たちが、ほかの地域へ移動することで、感染が拡大していくという状況があります。

HIV新規感染者を増やさないために

プロジェクトでは、HIVの新規感染を増やさないための予防策に注力しました。学生のボランティアを募り、同世代への情報伝達や相談の役割を担うピア・エデュケーター(学びの友)を育成して、彼らが中心となって「思春期の性と衛生習慣」「HIV感染予防」「早すぎる妊娠がもたらす影響」「薬物乱用の危険性」について、集会や寸劇、ディスカッションといった通常の意識啓発活動だけでなく、スポーツを取り入れ、思春期の若者たちを参加させるための仕掛けづくりにも取り組みました。

写真:同世代へ情報提供を担うピア・エデュケーターのメンバー

同世代へ情報提供を担うピア・エデュケーターのメンバー

サッカーやバレーボールなどのスポーツ大会を開催し、試合の結果だけで勝敗を決めるのではなく、HIVとエイズに関する正しい知識を問うためのクイズを行い、総合点で勝ち上がるトーナメントにしました。大会で勝つためには、HIVとエイズに関する正しい知識についても懸命に学ぶことになる、というものです。

写真:バレーボールの前に、参加者を対象とした知識普及活動を行う

バレーボールの前に、参加者を対象とした知識普及活動を行う

プランの現地職員は、「HIVに感染している親は、汚名を着せられることを恐れて、子どもをHIV検査に連れていかなかったり、子どもが感染していることを知りながらも、子どもに伝えていないために、本人が感染を知らないという問題もあります。新規感染のリスクがもっとも高い思春期の若者たちが正しい知識を知ることが、新規感染を防ぐうえで大きな意味を持ちます」と、訴えます。

地域の保健所も保健教育の場に

地域の保健所の中には、ユース・フレンドリー・コーナーと呼ばれる情報センターを設置しています。また保健所内のサッカーグラウンドやバレーボールコートなどを整備して地域に開放。若者たちが気軽に保健所を訪ねる機会をつくり、情報提供やカウンセリングを気軽に受けたり、必要な場合には専門の医師に相談できる体制を整えました。こうした取り組みは地域の保健局の協力を得て実現しました。保健所の職員に話を聞いたところ、ユース・フレンドリー・コーナーとスポーツ施設は毎日開放されているので、連日多くの若者たちが遊びに来て、性と生殖に関する健康と権利や性感染症の正しい知識を得たり、保健サービスを受ける場となっているだけでなく、この地域の非行や犯罪を防止する役割を果たしていることを実感しているそうです。

写真:キユース・フレンドリー・コーナーの運営メンバーと曽我職員(右)

ユース・フレンドリー・コーナーの運営メンバーと曽我職員(右)

クエクエ地域におけるプランの取り組み

プランは、以前からクエクエ地域において、女子サッカープロジェクト女の子が安心して学ぶ寄宿舎建設プロジェクトなど複数のプロジェクトの実施を通じて、この地域が抱える問題の解決に継続的に取り組んできました。思春期の若者たちが、「性と生殖に関する健康と権利」を学び、自身の健康を守るための知識を身につけること。保健サービスやカウンセリングを利用できる環境を整えること。そして自らが学んだことを、同世代に上手に伝えるスキルを備えた人材を地域に増やしていくこと。

写真:スポーツ大会で歌や寸劇を通じ、HIVとエイズの正しい知識を伝える

スポーツ大会で歌や寸劇を通じ、HIVとエイズの正しい知識を伝える

こうした地道な取り組みを根気強く続けていくことが、新規感染者の減少、早すぎる妊娠や結婚を防ぎ、中途退学の減少にもつながります。
今後ともプランの活動へのご支援をよろしくお願いします。

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