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「女の子の夢を後押しするためには」~グアテマラ活動地を視察して~

専務理事
棚田 雄一

中南米

事務局より

更新)

男性優位の考え方が根強く残るグアテマラ

専務理事の棚田です。プラン・インターナショナルの活動国のひとつ、中南米にあるグアテマラを訪ねました。

プランは、外務省のNGO連携無償資金協力の支援を受けて、グアテマラ中部のアルタ・ベラパス県で、「ジェンダー平等促進プロジェクト」を実施しています。グアテマラでは、「マチスモ」という男性優位の考え方が強く、教育を受けさせる必要がないとされている多くの女の子たちは、中学校に進学できない状況にあります。

写真:プロジェクトを実施した学校のひとつ

プロジェクトを実施した学校のひとつ

そのため、プランはアルタ・ベラパス県において、学校の設備を女の子が学びやすいよう改善すると同時に、女子教育の重要性への理解を促すワークショップを行っています。ワークショップは、小学校高学年の女の子たちを対象にしているものと、保護者やコミュニティリーダーを対象にしているものがあります。

プロジェクトの1年目が終了した時点で振り返りを行なったところ、これまで小学校卒業後は家事手伝いに専念する女の子が一般的だったコミュニティに変化が見られました。ワークショップに参加した21人の女の子が、当初の考えを変え、中学校に進学することにしたのです。

女の子を中学校に通わせるために必要な親のサポート

21人の女の子たちの決断を後押ししたのは、保護者の理解でした。女の子が中学校に通う必要性を理解していなかった保護者たちが、ワークショップのなかで、女の子の権利やジェンダー平等について学んだことにより、女の子も男の子同様に、中学校に通う必要があると考えるようになったのです。

写真:ワークショップを通じて変化した考え方について語る母親たち

ワークショップを通じて変化した考え方について語る母親たち

「私たちの世代は教育を受けないことが当然で、私自身読み書きができません。けれども、ワークショップに参加して、女の子も男の子と同じように教育を受ける権利を持っていることがわかりました。また、教育を受けることで、よりよい仕事につく機会が増えることがわかりました。そのため、私は、娘たちを中学校に通わせることに決めました」ワークショップに参加した母親はこう語りました。

プロジェクトを実施するコミュニティで出会ったマルガリータさんはこう話しました。「小学校を終えたとき、中学校には行かなくてよいと親から言われたため、本当は行きたかったけれども進学をあきらめました。今でもそのことを後悔しています。私の両親は十分な教育を受けられなかったため、安定した仕事につくことができていません。私はこれからでも教育を受けて、人生を変えたいです」

写真:今からでも中学校で勉強したいと話す20歳のマルガリータさん

今からでも中学校で勉強したいと話す20歳のマルガリータさん

コミュニティの女の子たちに、おのおのが抱いている夢を聞くと、警察官、先生、医師など多彩な回答が返ってきます。その夢を叶えるためにも、小学校だけではなく中学校にすすむ必要があるのです。

奨学金で女の子を中学校に

中学校に通いたい意志がありながら経済的な事情で進学をあきらめざるをえない子どもたちに対し、プランは1年間で100米ドル、3年間で300米ドルの奨学金を支給しています。

実際に奨学金の支援を受けて中学校に通っているロクサーナさんに話を聞きました。「私は小学校を卒業したあと、家の中で家事に追われるだけの人生を歩みたくありませんでした。中学校に進学したいと父に話すと、お金がないから難しいと言われました。けれども、コミュニティの集会で、プランが奨学金支給を行なっていることを耳にした母が、私に奨学金への申し込みを行なうようすすめてくれました。その後、母が父を説得してくれて、プランから奨学金を受けられるようになり、今は中学校に通っています。将来は、人の役に立つ仕事がしたいので、頑張って高校にすすみ警察官になりたいです」

写真:プランの奨学金で中学校に通うロクサーナさん

プランの奨学金で中学校に通うロクサーナさん

犯罪に手を染めないために

状況を改善しようと、コミュニティの大人たちも頑張っています。国民の6割以上が貧困層とされるグアテマラには、「マラス」と呼ばれる犯罪組織があり、雇用がない若者を狙って勧誘しています。彼らに関わることで、薬物取引や窃盗、殺人などの犯罪行為に加担することになります。「マラス」の仲間に入らないよう、コミュニティの子どもたちにむけた啓発活動を行なっている母親のひとり、ソニアさんに会いました。

ソニアさんの子どもは、チャイルドとしてプラン・スポンサーシップに参加しています。
「私は家が貧しかったので、小学校を休学しながら卒業しました。中学校に進学したいと両親に話したとき、『小学校を出たら女は家にいるものだ』と言われ、中学校に行くことを認めてくれませんでした。私は首都のグアテマラシティに行けば、住み込みの家政婦をしながら中学校に通う方法があること知り、父に相談しました。父は、私の気持ちを理解し、私を送り出してくれました。そのような経験があるので教育の大切さは身に染みて分かっています。子どもたちには教育が大切であると話しています。プランの奨学金支給が、さらに多くの子どもたちに教育の機会を提供できれば素晴らしいと思います」

写真:子どもたちが犯罪組織に入らないよう活動するソニアさん(右)と家族

子どもたちが犯罪組織に入らないよう活動するソニアさん(右)と家族

グアテマラのプランでは、年間3500人以上の女の子に奨学金を提供していますが、親の理解が得られたとしても、経済的な理由で中学校に通えない女の子たちがまだまだ大勢います。

一人でも多くの女の子が中学校にすすんでそれぞれの夢を叶えることが出来るように、グアテマラの女の子たちへの応援をよろしくお願いいたします。

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