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まだ会えぬ人々に思いを馳せる~南スーダン~

プログラム部
馬野 裕朗

Africaアフリカ

事務局より

(2020/03/24更新)

世界で一番新しい国

プログラム部の馬野です。2020年2月、日本のプラン・インターナショナル職員として、はじめて南スーダンへ出張してきました。
アフリカ東部に位置する南スーダンは2011年に独立した新しい国です。国連平和維持活動(PKO)として陸上自衛隊が日本から派遣されたことで、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。独立後も内戦が続き、多くの国内避難民や難民が厳しい生活を余儀なくされています。

写真:国内避難民キャンプ

国内避難民キャンプ

その南スーダンでプランは、栄養や食料支援、保健・衛生の改善の取り組みを中心に、長引く紛争の影響を受けた人々が、最低限の尊厳を持って生活できる環境を取り戻すことを目指し活動を行っています。

今回の出張は、現地の治安状況の確認と、実施中のプロジェクト※の成果と進捗を確認することがおもな目的でした。これまで安全の理由から見送られ続けてきましたが、外務省、在南スーダン日本大使館、そしてプランの南スーダン事務所と事前に調整を行い、首都ジュバの滞在のみで移動含めて5日間という条件で、初めて実現させることができました。

写真:発育状態のチェックを受ける南スーダンの子ども

発育状態のチェックを受ける南スーダンの子ども

  • ※武田薬品工業株式会社の全社員による投票で、プランの「南スーダン難民支援およびシリア難民支援プログラム」が寄付先に選ばれました。南スーダンでのプロジェクトは全7カ国のうちのひとつで、母親や子どもたちの健康状態の改善を目指し、2018年1月から栄養・保健・水と衛生分野を中心に支援に取り組んでいます

質素な首都の景観

日本からドバイ経由で翌日昼過ぎに南スーダンの首都のジュバ国際空港に到着しました。気温は33度と真夏です。空港前は整然とし、人の気配もまばらである種落ち着きがありました。しかし、車で市内へむかう道すがら、様子はガラッと変わります。舗装道路はすぐに終わり、赤土がむき出しのデコボコ道が続きます。道の左右にはトタンでできた質素な平屋が続き、視界を遮る建築物がないため、一国の首都とは思えない殺風景な景観が広がっていました。

写真:首都ジュバ市内

首都ジュバ市内

農村に住む人々の生活に思いを馳せる

首都の風景を目にしつつも、今回訪問がかなわなかった首都以外の多くの地域で、紛争や暴力で国内避難民として村を離れざるを得なかった人々、国境を越えて難民にならざるを得なかった人たちに思いを馳せました。首都でさえ道路、病院、水、学校などの社会的な基礎インフラが十分整っていないなか、農村地域はどんな状況なのだろうか。

写真:プレハブの教室で学んでいる生徒たち

ジュバ市郊外の農道

プランの南スーダンのスタッフたちに聞いてみると、やはりまったく整備されていないとのことでした。国際連合開発計画(UNDP)が2019年に発表した人間開発指数(Human Development Index)によると、南スーダンの指数は、189カ国186位です。この数字が国内の状況を如実に示していると思います。

南スーダン事務所にて

首都にあるプランの南スーダンの事務所は、3階建てのビルで、3階部分がスタッフの宿舎、1,2階が事務所という構造です。入り口で厳重なチェックを受けて事務所に入ると、ゆったりとしたスペースの中、スタッフが机にむかっていました。 事業部長のアムドゥ職員(写真右端)、安全担当のファラー職員、武田薬品工業株式会社の支援プロジェクトの担当マネジャーのアビュイ職員(左端)、そしてこのプロジェクトが実施されている地域のプログラム責任者のギャラン職員(写真右から2人目)らが迎え入れてくれ、活動地域の治安状況、プロジェクトの成果・進捗について説明を聞きました。

写真:左からアビュイ、馬野、ファラー、本務局長の棚田、ギャラン、アムドゥ各職員

左からアビュイ、馬野、ファラー、本務局長の棚田、ギャラン、アムドゥ各職員

アビュイ職員は、今年度のプランの南スーダン事務所のベスト・プロジェクトマネジャーにも選ばれている人柄と能力と両方を兼ね備えた人でした。また、地域のプログラム責任者のギャラン職員は、子ども兵士として何年も働いていたという自身の経験を話してくれました。過酷な状況の中でも、ずっと「学びたい」という強い願いを持ち、働きながら学び続け、昨年ウガンダの大学院で修士号を取得したそうです。厳しい環境の中で、意思と願いを貫く強さを体現していることに深い感銘を受けました。

写真:プレハブの教室で学んでいる生徒たち

プランの支援で提供された学用品を受け取る子どもたち

今回の出張では活動現場へ行くことができないため、事業進捗の振り返りが中心となりました。これまでの活動を通して、多くの住民が安全な水にアクセスできるようになったこと、母親グループや地域のリーダーたちが中心になって、手洗い衛生習慣の促進や子どもの栄養状態のチェックと病院との連携体制がすすんでいることなどが報告されました。困難な環境にもかかわらず、プロジェクトが健康・衛生改善にむけて地域住民とともにすすんでいることがよくわかりました。

脆弱な南スーダンの状況

南スーダンでは、2011年7月の独立以前から独立後の現在に至るまで、長らく政治的、民族的な紛争が続いています。その結果、多くの難民や国内避難民が生まれました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2020年2月末現在、約220万人の南スーダン人が国境を越えて難民となっています。また国際連合人道問題調整事務所(OCHA)は、南スーダン国内に約150万人の国内避難民がいると報告しています。

写真:紛争地域から逃れる女の子と女性

紛争地域から逃れる女の子と女性

2020年2月22日には、長年対立していた政府と反政府勢力による国民統一暫定政府が発足しました。しかし、政府、反政府それぞれが持つ軍隊が首都ジュバに集結する恐れがあり、安定していくというよりは、これまで鎮静化した政府と反政府間での争いが再び激化する可能性があると言われています。

ここにこそ貧困がある

もっとも支援が必要な国なのに、紛争による安全の問題から、支援の手が思うように届かず、地域の人々、特に子どもたちをさらに孤立させ、貧困の負のサイクルが加速化されています。「持続可能な開発目標(SDGs)」は、第一に「貧困を根絶」すると明言しています。私たちが取り組むべき貧困はここにあります。

写真:難民キャンプに住む南スーダン出身の母子

難民キャンプに住む南スーダン出身の母子

現在実施中の武田薬品工業株式会社によるプロジェクトでは、コミュニティの既存の仕組み・グループを巻き込み、ノウハウの移転を通して、母子の健康と栄養改善をプロジェクト終了後も自律的に継続できる体制づくりに力を入れています。さまざまな困難に対して強靭なコミュニティをつくるために、引き続き貢献したいと改めて思いを強くした出張でした。

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