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子育てを通じて考えるプランの活動~母親としての視点から~

プログラム部
冨田佳代

事務局より

更新)

プログラム部の冨田です。プラン・インターナショナルが実施するプロジェクトの案件形成、実施、モニタリング業務を、東京の事務局から遠隔で実施しています。プライベートでは、2歳と5歳の男の子の子育てに追われる毎日を過ごしています。今回は、子育て中の母親の視点から、担当中の2つのプロジェクトについてご紹介します。

「褒めて伸ばす教育法」怒鳴らない、叩かない子どものしつけ

私が担当しているプロジェクトのひとつに、ジンバブエの「暴力のない中学校づくり」があります。ジンバブエでは、体罰が有効なしつけとして容認されており、学校では71%の教師が体罰を行っているといわれています。そのため、このプロジェクトでは、「褒めて伸ばす教育法」に対する教師や保護者の理解を促し、教育現場や家庭から体罰をなくすことを目指しています。

写真:保護者向けのセッションの様子

保護者向けのセッションの様子

  • ※出典:Research on Addressing Social Norms that Underpin Violence Against Children in Zimbabwe(UNICEF、2016)
「褒めて伸ばす教育法」とは?

子どもを怒鳴ったり、叩いたりするのではなく、子どもたちの声に耳を傾け対話を続けるなかで問題を解決することを目指す教育法です。教師や保護者へのトレーニングでは次のことを大切にしています。

  • 発達段階によって子どもができることとできないこと、考え方や感じ方が異なることを理解する
  • 長期的な視点で、将来子どもにどのような大人になってほしいのかを考える
  • 子どもに対しては普段から「規律」を明確に示す一方で、十分な愛情を表現する
  • 子どもが規律を守らずに問題を起こしてしまった際には、感情的に叱るのではなく、一緒に考えて最善の解決策を導き出すよう努める

写真プロジェクト対象中学校の生徒たち

プロジェクト対象中学校の生徒たち

暴力や体罰によってではなく、対話や愛情表現といった前向きな方法で子どもを指導する。それが「褒めて伸ばす教育法」です。

子どもへの愛情深い接し方が保護者自身も救う

プロジェクトを実施するなかで、「自分も親から叩かれてきたので、それが当たり前だと思っていた。でも、できれば叩きたくない。体罰以外のしつけの方法があれば知りたい」というジンバブエの保護者の声を聞きました。子どもを叩くことで保護者もつらい気持ちになっているのです。ジンバブエの教師や保護者が「褒めて伸ばす教育法」について学ぶことは、体罰のない安全な学校や地域づくりにつながることはもちろんですが、教師や保護者の気持ちも楽にすることができると思います。

写真:啓発イベントに参加する女の子たち

啓発イベントに参加する女の子たち

自分自身の子育てを見つめなおすきっかけに

このプロジェクトを担当した当初は、自分の子育てに「褒めて伸ばす教育法」を取り入れるのは、正直なところとても難しいと思いました。時間に追われ慌ただしく過ごすなか、けんかを繰り返す子どもたちの問題を、落ち着いて解決することは簡単ではないからです。
しかし少しずつ、子どもの発達段階や長期的な視点を思い返し、冷静な対応を心掛けるようになってきました。私の長期的な目標は、困難や問題に直面したときに前向きに解決策を導きだせる大人に育ってもらうことです。自分自身や子どもを見つめなおし、改めて子育てやしつけの悩みは万国共通であることを感じました。

ジェンダーに基づく固定観念を変え、有害な慣習から女の子を守る

続いてご紹介するのは、エチオピアやスーダンで実施している「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクトです。ジェンダーに基づく根強い固定観念や思い込みは、早すぎる結婚や女性性器切除といった有害な慣習にもつながっています。プランの活動では子どもたちが中心となり、有害な慣習の根絶に取り組んでいます。

主な活動例:

女の子クラブの活動
女の子自身が、早すぎる結婚がもたらす弊害や、ジェンダー平等についてグループで学び、学んだ知識を友だちや周囲の人たちに積極的に発信します。

女の子だけでなく男の子も一緒に
早すぎる結婚を防ぎ、女性性器切除を根絶するためにはどうすべきかを、女の子と男の子がともに話し合います。

写真:女の子クラブの活動の様子(スーダン)

女の子クラブの活動の様子(スーダン)

これらの活動を通じ、これまで当たり前だと考えられてきたことに子どもたち自身が疑問を投げかけ、ジェンダーに基づく固定観念にとらわれない新しい価値観を生みだし、ジェンダー平等を促進していくことが期待されます。

地域全体の意識を高めることが大切

スーダンでは、娘への女性性器切除の施術について決めるのは、多くの場合、母親や祖母たちです。ただ、それは「女性性器切除を受けた女の子が花嫁としてふさわしい」という地域社会の価値観に基づいた決断で、「将来、娘が結婚できるように」という親たちの気持ちが根底にあります。固定観念に基づいた有害な慣習を根絶させるには、女性たちだけに決断をゆだねるのではなく、地域全体で意識を変えることが必要です。

写真:孫とともに啓発セッションに参加する女性(スーダン)

孫とともに啓発セッションに参加する女性(スーダン)

固定観念を変えることの難しさ

固定観念は日常生活の中で育まれるものです。長男は3歳になる頃から「この服はピンク色だから女の子用だね。やっぱり男の子は青色が好きだから」と言うようになりました。何気なく触れる絵本やテレビ、おもちゃ、周囲の人たちの言葉や態度などで、固定観念が育まれていくことを実感しました。そのたびに、「男の子もピンク色が似合うよ、女の子でも青色が好きな子はいるよ、好きな色は人それぞれ」と話し、多様性を伝えるようにしています。

活動国の人々の気持ちに寄り添いながら

子どもが生まれてから、「言うは易く行うは難し」という言葉がよく思い浮かぶようになりました。褒めて伸ばすしつけをすることや、ジェンダーに基づく固定観念にとらわれない考え方を子どもに伝えていくことは決して容易ではありません。
これからも、母親の視点も加味しつつ、活動国の人々の気持ちに寄り添いながら、世界の子どもたちが健やかに成長できるよう活動を続けていきたいと思います。

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