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難民の子どもと若者たちに活動の場を~エチオピア難民支援(スーダン)~

プログラム部
田村 俊

アフリカ・中東

事務局より

更新)

プログラム部の田村です。ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと、2021年7月からスーダンで実施している「エチオピア難民の思春期の子どもと若者の保護」プロジェクトを担当しています。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響でこれまで現地への渡航が叶いませんでしたが、2022年6月にようやく出張が実現。今回は、日本ではあまり知られていないエチオピア難民の現状や、子ども・若者たちへの支援についてご紹介します。

エチオピア北部での紛争 多くの難民がスーダンへ

写真:チュネイドバ難民居住区(スーダン)

チュネイドバ難民居住区(スーダン)

2020年11月、エチオピア北部ティグライ州において、ティグライ人民解放戦線(TPLF)とエチオピア連邦政府軍の間で武力衝突が発生しました。紛争で最も大きな被害を受けるのは一般市民です。エチオピアの紛争でも多くの市民が犠牲となり、性暴力や略奪の危険にさらされました。庇護を求めて隣国スーダンとの国境を越えた人々は、2022年9月時点で6万人以上に。スーダン政府は武力衝突発生直後からスーダン東部に難民キャンプや居住区を開設。それ以降、さまざまな国際機関やNGOが、シェルターや保健・医療サービスの提供、食料支給、栄養改善などの分野で支援を行ってきました。

支援から取り残されていた若者たち

このプロジェクトで支援しているチュネイドバ難民居住区には、2万人以上のエチオピア難民が暮らしています。小さな子どもを対象とする支援はいくつかの団体によって行われている一方、思春期の子ども(14~18歳)や若者(19~24歳)は支援から取り残され、紛争にともなう暴力や家族と離れ離れになったストレスを抱えたまま生活していました。同じ難民居住区で暮らしていても、それぞれ出身地が異なり、1人きりで逃げてきた人も多いため、知人や近しい友人がいる人はほとんどいません。母国とは異なる気候、食事、限られた教育や就労機会などは、ストレスをさらに増幅させ、新しい生活への適応を困難にさせていました。

ともに集い学び合う「多目的スペース」を建設

そのため、プロジェクトでは、思春期の子どもや若者たちが趣味やスポーツをともに楽しみ、学ぶ機会を得られる「多目的スペース」を建設しました。これは、教室棟4棟、会議スペース、男女別トイレ、スポーツグラウンドなどを備えた施設です。ここでは、心身の健康の回復を図りながら、他者と協力して生活していけるようライフスキル研修を実施しています。

写真:多目的スペースに集う子どもたち

多目的スペースに集う子どもたち

写真:ライフスキル研修を行うピア講師も育成

ライフスキル研修を行うピア講師も育成

「多目的スペース」では、ライフスキル研修のほかに、サッカーやバレーボールなどのスポーツ、民族音楽、手工芸などのサークル活動も活発に行われています。スポーツ大会も開催され、優秀者は表彰されるそうです。スポーツのチームは男女別に分かれ、真剣に練習に取り組んでいました。

写真:民族音楽を楽しむ若者たち 

民族音楽を楽しむ若者たち 

写真:スポーツ大会 サッカーの試合の様子

スポーツ大会 サッカーの試合の様子

若者たちの自主運営が軌道に 3600人以上が利用

写真:活動を支える若者ボランティアたち

活動を支える若者ボランティアたち

2022年1月からの4カ月間で、「多目的スペース」を利用した思春期の子どもや若者たちの数は、延べ3605人にのぼります。ほぼすべての活動は若者のリーダーによる自主的な運営で行われ、参加者同士の交流や運営能力の向上にも役立っています。
若者たちにインタビューを行ったところ、「ライフスキル研修を一緒に受講した人が今では一番の友人」という声がいくつも聞かれました。また、実施したアンケート結果では、「多目的スペース」で最も好きな活動はスポーツ、その次に多かったのはライフスキル研修となり、利用者がさまざまな活動を楽しんでいることが確認できました。

生き生きとした姿に活動の意義を実感

写真:「多目的スペース」を運営する若者リーダーたち

「多目的スペース」を運営する若者リーダーたち

これまでは、メールやオンライン会議を通じて日本から事業運営を行ってきた難民居住区を、今回実際に訪れ、若者たちが生き生きと活動する様子をようやく目にすることができました。特に印象的だったのは、「多目的スペース」を運営する若者リーダーが、自分たちの活動にとても大きな意義を感じていたことです。研修を受けた若者自身が、ライフスキル教育の講師として活動の場を得たり、スポーツやダンスを通じて子どもや若者がストレスを軽減させたりしていることに大きな喜びとやりがいを感じていると話してくれました。エチオピアから逃げてきたばかりの頃は孤独で何もすることがなかった若者たちが、「多目的スペース」で他の若者と交流し、家族のようになったと言います。紛争を経験した難民の人々が元の生活に戻れるのはいつになるか分かりませんが、プランは引き続き子どもや若者たち寄り添って活動していきます。

  • ※このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと実施しています。

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