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実話をもとにしたストーリー
ソマリア
グローバル・プロジェクト
干ばつにより失われた学びの機会
14歳のハワが再び学び始めるまで
「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ大陸東部の地域は、気候変動の影響などで深刻な干ばつに苦しんでいます。ソマリアのプラン・インターナショナルは、水の提供や現金給付などの緊急支援を行っていますが、干ばつは子どもたちの教育にも影響をおよぼします。プラン・インターナショナルが実施した「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクトに参加した女の子のストーリーを紹介します。
ソマリアのプランで働くヤスミンは、給水車で地域の水汲み場に水を届ける仕事をしています。
ある日、ヤスミンはハワという14歳の女の子と出会いました。ハワは、7歳の妹と3歳の弟を連れて水汲み場に来ていました。
しかし、数時間も並ばなくてはならず、いらだった大人に割り込まれたり、暴言を受けたりして、妹と弟は泣き出してしまいました。
ヤスミンはハワたちに「お父さんとお母さんは?」とたずねました。
ハワは、育てていた家畜を干ばつですべて失い、一家で移住をしたこと、両親が仕事を探しに外出している間は、ハワが全ての家事や、水の確保をしなくてはならないことを伝えました。
また、5時間以上かけて別の水源に行く日もあり、帰り道、知らない男性に声をかけられ怖い思いをしたことをヤスミンに話しました。
ハワはほかにもいろいろと話してくれました。
引っ越してから、ずっと学校に通えていないこと。以前通っていた学校では、先生や友だちがどんどん減っていったこと――みんな食料や水を確保するのに精一杯だったのでしょう。
また、家計の負担を減らすために、望まない結婚をさせられた友だちもいました。
ハワは学校が大好きだったのに、「その気持ちがなくなってしまった」と話しました。
ヤスミンは、水の供給などの緊急支援に力を入れる一方で、ハワのように学校に行けなくなってしまった子どもたちが、 学習の遅れを取り戻すための補習授業や学用品の支給、学校への給水車による水の供給などをすすめました。
さらに、子どもたちが早すぎる結婚(児童婚)や暴力に巻き込まれることがないよう、地域の人々への啓発活動も始めました。
ヤスミンは、再びハワに会いに行き、補習授業に参加するよう声をかけました。
ハワの両親には、無料で学べることを伝え、両親が家に戻った数時間だけハワが授業に参加できるよう承諾をもらいました。
久しぶりの授業はとても楽しく、ハワは「やっぱり学び続けたい」と強く思いました。
水不足の状況は続いていても、「私には学ぶ場所がある」ということがハワの心の支えになっています。
illustration by Noriyuki Goto
2022年7月発行のプラン・ニュースの記事を再編集し掲載しました
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