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【開催報告】熊本地震・心のケアフォーラム(11/5・熊本市)
イベント
(更新)
2016年11月5日(土)に熊本市内の、くまもと清陵高校にて、震災からの地域・個人の回復を支える支援のあり方を考えるフォーラムを開催しました。フォーラムは、熊本・大分地震後に九州在住の臨床心理士たちが結成した支援グループ「Project九州」とプラン・インターナショナルが主催し、いまも支援を必要としている人たちへの効果的な関わり方、これからの地域の回復に役立つ心理的な支援について、熊本での体験や学びから主催者とともに考えました。
地域の回復を考えた心のケアのあり方
はじめに、みやぎ心のケアセンター地域支援部長で児童精神科医の福地成氏が「地域の回復に必要なこと」として基調講演を行ない、震災後に社会的なつながりを形成しながら、震災での喪失感や衝撃を乗り越えていくために必要な心理的サポートを提供するアプローチについて語りました。
福地氏は、支援を受け入れる地域は、回復に向う過程において自立しようとする力と、支援を必要とする現実との間で葛藤しながら、支援の受け入れ方を変化させていくという特徴を述べ、支援の心構えのヒントを提示しました。さらに、社会の環境と個人の認知の双方に働きかけることの大切さに触れて、支援のアプローチには、地域の中の高リスクの人たちにしぼる「虫メガネ」アプローチ、地域やグループ全体に働きかける「ふりかけ」アプローチがあることが紹介され、参加者それぞれが、地域の回復に役立つ支援のスタイルについて考える機会となりました。
地域で支援活動をする心得や困難を乗り越える力-レジリエンス-について普及活動を行っている、プラン・インターナショナルの後藤職員は、過酷なストレスを乗り越えた人たちに共通して見られる特徴として、困難な状況に意味を見出したこと、楽観的精神を失わなかったこと、周囲の人々や社会のつながりを維持したことなどを紹介し、地域での支援プログラムについて話しました。
基調講演を行なう福地成氏
プランの支援プログラムについて紹介
熊本地震での体験からの学び
阿蘇地域で被災した臨床心理士の藤野智子氏は、阿蘇大橋の崩落によって地域生活のインフラから孤立した状況での復興の難しさを、自身の震災後の心の動きと合わせて紹介しました。そして、それぞれがいかに希望をもてるかが復興の力となることを実際の体験をもとに語りました。
「Project九州」代表で臨床心理士の吉村仁氏は、地震直後から臨床心理士として何ができるのか、実際に避難所などで活動しながら模索していく中で、被災者との人間関係を形成することで心理士としてのスキルを生かす手法を実践したことを、自らの活動体験を中心に紹介。災害時に心理士が効果的に支援に関わるために役立つノウハウを紹介しました。
阿蘇地域での被災について語る藤野智子氏
実際の支援活動からの学びを語る吉村仁氏
50人ほどの参加者の多くは臨床心理士で、「災害後の地域では、臨床心理士としてのスキルをどのように活かしたらよいのか」という問題意識を抱いた参加者から具体的な取り組み方についての質問が出され、ワークショップでもこれからの取り組みについての活発な分かち合いがなされました。
被災者へのケアは、社会的なつながりを通して、地域や個人が元来備えている、衝撃や困難を乗り越える力-レジリエンス-を支えることが有効とされており、心理士とNPOやNGO、行政などとの協力と連携が効果的な支援に役立ちます。
ワークショップで参加者が意見交換
基調講演の模様
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