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携帯アプリで女の子への搾取や暴力を通報~ケニア~
女の子だから
(更新)
ケニアのキリフィ郡では、10代の女の子たちの早すぎる妊娠が増加している背景に、女の子への虐待や暴力が多いことが問題になっています。妊娠が明らかになった女の子は中途退学を余儀なくされ、女の子の将来に影を落とします。プランは2014年に、携帯アプリを利用した追跡サービスを開始し、状況の改善に努めています。
モバイルアプリの使い方を学習する関係者たち
迅速に情報を共有する携帯アプリ
プランはキリフィ郡行政の子ども支援部門の責任者と提携し、キリフィ郡内に頻発している子どもへの虐待と暴力の事例を一元的に管理するモバイルアプリサービス「Vurugu Mapper」を開始しました。「暴力の地図」という意味をもつこのアプリは、「ボランティア子ども支援員」の携帯電話にインストールされており、事件の情報を登録すると、中央のデータベースに送られて、行政の子ども部門やその他の関係当局が閲覧できる仕組みです。
これまではしかるべき報告が困難だった遠隔地域での事件を含む、250以上のケースを追跡しています。データ上ではほとんどの場合匿名性が維持され、権限をもつ人だけが問題が起きている子どもたちのすべてのデータを閲覧することが可能です。事件が法に抵触すると判断された場合、地域の警察、病院、裁判所に通報されます。
一元的情報共有システムで犯罪の減少へ
女の子への虐待と暴力をなくすために通報を
14歳のリタ(仮名)は中学校に進学する予定の勤勉な生徒でした。母親のレベッカは娘の体の変化に気づいて、検査に連れて行くと妊娠2カ月であることが判明しました。リタは学校を辞め、先生になる夢も閉ざされてしまいました。リタの学校の校長は子どもボランティア支援員である、マーガレット・マタサ氏にこの件を伝えました。リタのケースは、「Vurugu Mapper」に登録され、リタと同じ学校の別の女の子を妊娠させたことが疑われている19歳の男性が関係していたことが割り出されました。地域の子ども管理官(DCO)に報告され、今は法廷の場にあります。
マタサ氏によると、早すぎる妊娠を経験する女の子たちの数は増加傾向にあると言います。「ひと月に最低で5、6件のケースが報告されていますが、報告されないこともあるので、実際にはもっと件数は多いと考えられます。残念な事に、寛容な文化的背景の影響で問題を受け入れてしまう親たちは、家族内で解決することを好み、通報しないことがあります」。
その他にも、早すぎる妊娠の多くが報告されない背景には、差別の対象となりやすいこと、表立って訴えづらい環境、通報手段の欠如、女の子の権利についての知識不足など、さまざまな要因が絡み合っています。
リタのケースは、キリフィ郡の裁判所が取り扱うことになりました。リタの母親は次の公聴会に向けて準備し、法廷が救ってくれることを期待しています。「娘の人生が変わるわけではありません。しかし、他の子どもたちが犯罪に巻き込まれないためにも、犯罪をなくす教訓になればと思っています」。
ボランティア子ども支援員の研修
他の地域でも開始される予定です
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