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女性性器切除の慣習をなくす鍵は「話し合い」~エチオピア~
女の子だから
(更新)
プランはエチオピアで女性性器切除(以下、FGM)の慣習をなくすための活動に取り組んでいます。FGMのような伝統的な慣習について意見することすらタブーとなっている地域においては、人々が話し合う場をつくることが挑戦の第一歩です。
伝統的な慣習について自由に話し合える機会
人口7000人のある村では、3年前に、プランの提案により地域での話し合いプロジェクトが立ち上がりました。生理時の激しい痛み、出産時の合併症やHIV/エイズ感染のリスク、さらには死亡の原因となるFGMの問題点について多くの人々に知ってもらうことが目的です。まずは、2人のリーダーが女性と男性25人ずつを選んで、問題と解決策を話し合いました。その後、プロジェクトに参加した50人のメンバーたちは、FGMや早すぎる結婚をなくす必要性について教会やお茶会など人々が集る場所で話題として持ち出しました。
はじめは、FGMなどの話題になると、周囲の雰囲気は重苦しくなりました。「プランが話し合いプロジェクトを私たちの村に持ち込んだ当時、私は反対していました。伝統的な慣習を批判することに抵抗を感じたのです。1年半にわたって反対していましたが、FGMが引き起こす現実の話を耳にするにつれて、私の思いに変化が生じていきました」と65歳になる男性のシャラモさんは語ります。「今では、妻や娘たちがFGMを受けなければよかったのにと考えるようになりました。私には3人の孫娘がいますが、彼女たちのことはこの慣習から守りたいと思っています。また、村の女の子たちを守るために、FGMの問題を広く伝えていきたいです」
大きな効果を発揮している地域の話し合いプロジェクト
FGMをなくそうと活動するシャラモさん
話し合いを通じて変化した人々の考え方
35歳になるアダネクさんは、3人の娘の母親です。彼女は、FGMの慣習を守ることでこそ、娘たちは尊厳が守られ良い結婚ができると信じて2人の娘に受けさせました。しかし、話し合いの会に参加して、FGMのリスクをはじめて知ったと言います。「娘にFGMを受けさせたことを深く後悔しました。今は他の女性たちに私と同じ過ちを繰り返さないよう伝えています」と語ります。
話し合いの会には、FGMの施術者たちも招かれました。彼らがFGMへの考え方を変えることは、非常に大きな影響をもたらします。地域で尊敬されていたある施術者は、数多くの女性がそのために命を落としたり、苦しんでいることを知り、FGMをやめるよう人々に語り始めました。その結果、この村からFGMはなくなりました。
プロジェクトメンバーのカケボさんは、妻がFGMを受けたことが原因で流産を繰り返し、出産時は合併症で苦しんだうえに生理のたびに激しい痛みに襲われているといいます。「もっと早く、FGMの真実を伝えに来てくれていたら、妻はもっと健康でいられたのにと思います。今は暗闇の中から光の中に移ったような気持ちです」と語ります。
FGMが今も残っている原因は、人々がそのリスクを知らされていないことにあります。エチオピア、マリ、エジプトなど各国での活動から、プランでは両親や地域の人々、宗教指導者らがFGMのリスクを知れば、女の子たちを危険な慣習にさらさなくなると考え、取り組みを続けています。
地域の女性たちにFGMのリスクを伝えているアダネクさん
「光の中に移ったよう」と語るカケボさん
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