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美しいビーチの影で~ドミニカ共和国~

世界の各地から

女の子だから

更新)

中米のカリブ海と大西洋に囲まれた島国ドミニカ共和国は、美しいビーチのあるリゾート地としても有名です。欧米からの観光客も多く、観光は主要産業です。一方、貧困や学校教育の質が確保されていないことなどにより、さまざまな場所で女性への暴力が許容されています。

子どもたち、特に女の子の立場が低いことに起因し、10代の望まない妊娠も多く見られます。また、家庭内での暴力に耐えきれず家から逃げ出した子どもたちは、路上生活を余儀なくされ、金銭と引き換えに相手をさせる観光客たちもあとをたちません。

写真:観光地のひとつバラオナのビーチ

観光地のひとつバラオナのビーチ

プラン・インターナショナルはこうした地域で、「性的搾取撲滅」プロジェクトを展開しています。その支援を受け、人生を変えたサラさん(仮名)は、同じように虐待に遭っている女の子たちの助けになりたいと思っています。サラさんのこれまでをご紹介します。

写真:ビーチで遊ぶ若者たち

ビーチで遊ぶ若者たち

生きていくための選択

19歳のサラさんは、物心ついたときからずっと家で虐待を受けていました。最初は、祖母の夫に性的虐待を受け、その後は、些細なことで怒りだす両親に叩かれていました。家族と一緒に居られなくなったサラさんは、12歳で路上生活に追いやられました。一人きりの最初の夜、男性が近づいてきてお金と引き換えに相手をするようもちかけてきました。たった一人で、どうしたらいいのかもわからず必死だったサラさんは、この話を受ける以外のすべを持ち合わせていませんでした。

子どもたちを性的に搾取する加害者の大多数はカリブ海諸国に暮らす男性ですが、それと同じくらい多いのが北米とヨーロッパからの観光客です。彼らが支払う料金は、ときに一晩数百ドルと、弱い立場にある女の子たちの心を惑わせます。

サラさんは、 11歳の友人と一緒に、ドミニカ共和国で最大の観光地であるプンタカナへ移り、毎年この地域を訪れる200万人の外国人観光客を相手に生計を立てようとしました。
「ドレスを着てメイクして、夜は地元のカジノやビーチに行きました。収入が減りますが、お客を仲介する業者にも依頼をしました。急いで家賃を払わなければならないときなどは、自分で仕事を探しに行きました」

こうした仕事には、多くの場合、ホテルの従業員、タクシー運転手、土産売りなどさまざまな人が関わっています。そうした生活は決して楽なものではありません。当時を振り返り「とても恐ろしかったです。男性と一緒に寝ることもあり、支払いをせずに立ち去られることもありました。私が知っている女の子のほとんどは、こうした状況を忘れるためにコカインを摂取しました。麻薬に頼らずにこられた自分は幸運だと思います」

写真:悪循環から抜け出したサラさん

悪循環から抜け出したサラさん

悪循環から抜け出すきっかけ

6年間、性的搾取と貧困の悪循環に陥っていたサラさんが、プランの「性的搾取撲滅」プロジェクトを知り、プロジェクトの一環で部屋を借りられるようになりました。「観光客と一晩中過ごさずにすみ、感染症を治すための薬ももらえました。プロジェクトでは心理学者との面談もあり、生計を立てるために体を売る必要はないこと、尊厳のある仕事につけることを知りました」

サラさんはいま、美容師として働き、定期的な収入を得ています。職場のマネージャーとお客さんは、サラさんの意欲とプロ意識を歓迎しています。「私はこのサロンが好きです。とても平和な場所だから」と彼女は言います。これまでの環境とは対照的な、自分で見つけた居場所です。しかし、これまでのつらい体験を克服するにはまだ時間が必要で、精神的にリラックスするのは難しいとサラさんは思っています。

写真:サラさんの技術を信頼している顧客

サラさんの技術を信頼している顧客

プロジェクトで用意された小さな部屋で、自立できるようになるために貯蓄をしているサラさん。話を聞いた日は30℃を超える暑い日でしたが、サラさんはジャケットを着用したままでした。これまでに十分にさらしてきた肌をもう露出させたくないと言います。
いまも性的搾取をされている女の子たちの助けになりたいと話します。
「私の夢は、いつか私を助けてくれたような心理学者になり、路上で恐ろしいことを経験した私のような女の子に、幸せを取り戻すチャンスをもう一度作ることです。自分の心の傷を癒し、手本になりたいです」

写真:自分の部屋で半生を語る

自分の部屋で半生を語る

そのためには、まずは教育を受け直す必要があります。12歳で学校を中途退学しているサラさんの勉強はかなり遅れており、時間のかかる困難な挑戦になります。それでもサラさんはくじけません。「夢があるなら、それを追求すべきです。人生はひと続き、望むもののためには日々戦わなければなりません」と力強い笑顔で言います。

プランの「性的搾取撲滅」プロジェクトのコーディネーター、キャサリン・バエズ職員は、「今後このプロジェクトでは、子どもの性的搾取を過去のものにしたいと考えているサラのような女の子たちが、ほかの若い活動家と協力して、キャンペーンや意思決定に関われるようにしていきます」と活動の展望を語ります。

子どもたちの安全のために

このプロジェクトは、サラさんのような子どもがより安全に保護され、虐待の事例を特定し、当局に通報できる安全なコミュニティの構築に取り組んでいます。

プロジェクトが開始されて以来、全国の6000人以上の女の子と男の子が暴力や恐怖から解放され、子どもたちの権利を擁護するための研修を受けています。また、多数のリゾートホテルを含む多くの観光施設は、子どもの性的搾取を防ぐための訓練を行っています。

  • ※プライバシー保護のため、本文中の名前は仮名です

写真:自分の部屋で半生を語る

夢の実現のために仕事に励むサラさん

写真:ガールズ・プロジェクト

女の子の問題を解決

ガールズ・プロジェクト

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