子どもひろばを23カ所で設置～エクアドル～

エクアドル西部のマナビ州では、2016年4月16日に発生した大地震による被害のため、現在でもおよそ2万8000人の人々が、仮設テントでの生活を余儀なくされています。プラン･インターナショナルは、緊急時の物資支給を通じて6万3000人の被災者（子どもや若者3万1000人）を支援し、現在は、子どもたちを中心とした被災者の生活再建に力を注いでいます。

子どもたちが震災を乗り越えられるようサポート

今回の震災により、全体で875校の校舎が被害を受け、一時は12万人の子どもたちが学校に通えなくなるなど、子どもたちの生活と心に大きな衝撃をもたらしました。プランは、子どもたちの保健、衛生、安全性を優先して、3000基以上の仮設テントセットを支給するなど子どもたちのニーズを第一に支援を行っています。さらに、子どもたちが震災によるストレスを発散して、普段の生活リズムを取り戻せるようサポートする、「子どもひろば」を23カ所で設置しました。

やわらぐ子どもたちの恐怖心

現地で「Intelligence Factory」（知性の工場）と名づけられた子どもひろば^※は、子どもたちが周囲の混乱や問題を忘れて、安心して学習や遊びに夢中になれる場所です。スポーツ大会を開催するなど、元気に活動することにより被災の困難を乗り越えていく力を引き出すよう、心理的サポートの訓練を受けたスタッフやボランティアが子どもたちを支援しています。子どもたちの間では、もう一度大きな地震が発生して建物の倒壊に巻き込まれることを心配する声が多く聞かれていましたが、子どもひろばを利用することで、恐怖心がやわらいでいます。

建物が倒壊することを心配して学校に戻ることができなかった、7歳の男の子ホセさんは子どもひろばでは安心することができたと言います。「ここに来るのが大好きです。同じ体験をした他の友だちと安心して思い切り遊べます。ここで遊んでいれば、がれきが落ちてくる心配もありません。それに、今度地震が起きたら、どうしたらいいかも教えてもらえます」

子どもひろばは週5日、一日8時間、開いています。1カ所につき、20名のスタッフが運営に関わって子どもたちを見守っています。子どもたち、とりわけ女の子は被災地域において虐待や搾取の対象となりやすいことから、親たちも、活動に参加することを通じて、子どもの保護への理解を深める機会となっています。プランは、子どもひろばでの活動により、子どもたちが自尊心を育み、自分を守れるようになることも視野に入れて、子どもたちを支える活動に取り組んでいます。

• ※「子どもひろば」
  災害・緊急時に、子どもの保護と心のケアのために設置・運営されます。現地では、混乱のなか、子ども、とりわけ女の子は虐待や搾取の対象となる危険性が高まります。子どもたちが一日もはやく日常を取り戻せるよう、遊びや学習を取り入れることで、子どもたちが抱えるストレスを軽減させ、自尊心を育み、自分を守ることができるようになることも視野に入れて活動します。また、保護者も含めた子どもの保護への理解を深める場としても重要です（詳しくはこちら）

エクアドルのチャイルドと交流するスポンサーの皆さまへ

エクアドルでは、７月よりマナビ・スール地域を除き、すべての活動地域で、スポンサーシップの活動を再開いたしました。お手紙のやりとりも受領可能との連絡が届いておりますので、これまで事務局で保管しておりましたスポンサーの皆さまからのお手紙については、すでに現地へ向けて発送いたしました。ただ、チャイルドからのお手紙や報告書に関しては、今後大幅な遅延が発生することが予想されます。現地事務所では順次作業を進めているところではございますが、この点何卒ご理解、ご了承いただければ幸いです。

マナビ・スール地域については、最も甚大な被害があったため、現在もまだ緊急支援活動を優先して実施しています。チャイルド個別の状況確認には今しばらく時間がかかることが予想されます。作業が完了次第、個別に書面にてご報告させていただきますので、今しばらくお待ちください。