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世界のリーダーに訴える、ジェンダー平等の推進~世界経済フォーラム~
世界の各地から
(更新)
2018年1月23~26日にスイスのダボスで世界経済フォーラム(以下、WEF)が行われています。WEFの使命は、世界の状況を改善すること。プラン・インターナショナルCEOアンネ・ビルギッテ・アルブレクトセンは世界経済フォーラム2018年次総会に参加し、世界のリーダーと市民社会へ、2030年までに持続可能な開発目標(以下、SDGs)にある「ジェンダー平等を実現しよう」への協力を強く訴えかけています。
プランはこれまで、世界で「1億人の女の子のため」に活動する「1億の理由」を訴えてきました。女の子たちが、「学び」「先頭に立ち」「自分で人生を決定し」「差別や暴力のない環境で成長できるように」するものです。この活動を広く国際社会に知って・参加してもらうために、WEFに集まる世界の政治的、経済的、市民社会のリーダーたちに、さらなる協働を呼びかけました。
ジェンダー平等達成への進捗
2017年のジェンダー・ギャップ・レポートは、これまでの進捗のままだとジェンダー格差を埋めるには、あと100年かかると予測しました。SDGsの2030年までに達成すべき目標への軌道に乗っていません。喫緊の真剣な取り組みが求められているのです。
プランCEO アンネ・ビルギッテ・アルブレクトセン
先進国にもあるジェンダー規範
優れた差別禁止法や政策により、女性の労働参加率が高いことから、先進国のなかでもノルウェー、フィンランド、スイス、ドイツ、ベルギー、アメリカは、世界でもっともジェンダー平等がすすんでいるとされています。しかし、そうした国々でもいまだジェンダーに基づく役割や期待される行動「ジェンダー規範」による抑圧が見受けられるのです。
- 男性が主導権を握らなければならないという考え方は、女の子や女性へ服従を求めることにつながります。オーストラリア、アメリカ、デンマーク各国のプランの調査によると、身体的/性的暴力を経験した女性は、57%、55%、50%でした。
- 女性のメルケル氏が首相をつとめるドイツでさえも、「雇用機会が限られている場合は男性のほうが仕事につく権利がある」と15%(※)の男性が考えています。そう考える人の割合が多い国では、雇用率に性差が生じていきます。また、そうした見解や企業の採用プロセスが、女の子や女性の人生設計に影響を及ぼしてしまいます。
- 家庭での家事や家族の世話についても、女性の責任との考えが高く、ジェンダー平等が進んでいるベルギーでも女性の81%が毎日料理や家事をしています。
- 技術と科学は男性の専門領域との考えが多く、科学、テクノロジー、工学、数学の分野に占める女子学生の割合は、フィンランド・スウェーデンで、4分の1以下です。
- (※)World Value Survey2010-2014 同調査によると、日本は30%
この規範は、生まれてから成長していく過程のあらゆる場面で、価値観や将来に期待される役割と行動としてついてまわり、とくに女の子と女性に悪影響を及ぼします。
ジェンダー平等が実現している国々でさえ、有害で差別的なジェンダー規範が根づいているとすれば、プランが活動する50カ国以上の途上国では、女の子と女性を取り巻く状況はさらに悪化します。
法と政策を強化し、女性の経済参加を増やす施策だけでは不十分であることが明らかです。あらゆる地域で不平等と差別を永続させる有害なジェンダー規範を取り除くことに集中しない限り、ジェンダー平等は実現できません。市民社会と民間の企業は、各国のリーダーたちとともに重要な役割を担っているのです。
一人ひとりが変革の先駆者に
プランは女性の人生に影響を及ぼし続けるジェンダー規範を変えるために、各国で企業と協働し支援に取り組んでいます。オンラインゲームを利用したゲームのデザイン技術を身につける支援、世界170カ国でゲームソフトを通じて、ジェンダー平等と女の子が自尊心をもてるロールモデルを提供し、ジェンダー役割の思い込みに変化を促す啓発活動に取り組みました。また、デジタルを活用した女の子たちへの教育支援も実施しました。
ゲームデザインを通じジェンダー平等を学ぶ女の子たち
あらゆるセクターが世界の状況を改善するために取り組むことで、時間を要してきたジェンダー平等の実現も大きく進展します。一人ひとりが変革の先駆者となり、不平等の根本にあるジェンダー規範を取り除くことに、「革命」を起すほどの規模での行動が求められています。
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