男の子たちが「変化の担い手」に～ニカラグア～｜国際NGOプラン・インターナショナル　寄付・募金で世界の女の子を支援

男の子たちが「変化の担い手」に～ニカラグア～

ニカラグアでは女の子や女性への暴力が蔓延し、早すぎる結婚と妊娠も多く見られます。その背景にあるのは、今も一般的な男性優位の考え方「マチスモ」です。「マチスモ」による女の子や女性への偏見をなくすための取り組みとして、プラン・インターナショナルは中南米の各国で「チャンピオン・オブ・チェンジ」プログラムを実施しています。
このプログラムは2012年から始まった男の子たちのジェンダー平等啓発プロジェクトを拡大したものです。家族やコミュニティで当たり前とされていた男女の役割や立場について、男の子たちを中心に、「本当の男らしさ」とは、「ジェンダー」と「ジェンダー平等」について考え、学びを深めます。

男の子たちの気づき

16歳のオスカーさんは、ニカラグアでのプロジェクトに参加している、ジェンダー平等のための「変化の担い手」です。

「以前は、女の子たちは男の子と同じことはできないから別の役割があるのだと思っていました。でも女の子には、スキルと資質があります。彼女たちは大統領になれるし、女子サッカー選手になった人だっています。男女が平等になるように取り組む必要があります。男の子も女の子も同じことができるということを学びました」と語ります。

写真：16歳のオスカーさん

ニカラグアの北部マドリス山岳地域のコミュニティでは、オスカーさんのようにプランのトレーニングを受けた男女が、「変化の担い手」となり、それぞれが住む地域のコミュニティで、両親やほかの若者に学んだことを伝えていきます。

「変化の担い手」たちは、子どもたちと若者にジェンダー平等の価値を伝えるほか、地域で蔓延しているさまざまな暴力から身を守り、10代の妊娠を避ける方法についても説明します。妊娠するのは女の子1人ではなく、男女2人の責任であると伝えています。

女の子たちのすすむべき道を示す

地域の人々の、女の子や女性に対する態度を変えるのは容易ではありません。「両親は、彼らの経済的負担と見なされる娘を早く結婚させ、学校教育の代金を払いたくないのです」と、17歳のサンドラさんは言います。

「変化の担い手」の一人であるサンドラさんは、次世代の女の子のためのすすむべき道を示していきたいと考えています。

写真：ジェンダー平等について周りへ伝えるサンドラさん

ジェンダー平等について周りへ伝えるサンドラさん

「私は、女の子たちへの一例にならなければいけないと感じています。女の子たちが早すぎる結婚をすることなく、自分たちには価値があることを学ぶことを願っています。女の子たちは、自分を大切にし、考え、決断する方法を学んでいます。今私は自分の権利、自分を守る方法、そして他人に自分の意思決定を尊重させる方法を知っています」とサンドラさんは説明します。

学びがもたらす平和な環境

トレーニングのワークショップでは、若者たちは、いじめや道端での嫌がらせなど、有害な行為がもたらす影響についても学びます。

オスカーさんは「以前は、仲間で集まっているところを女の子が通り過ぎると、女の子の名前を呼んで、気分を害する声をかけていました。そこで、男の子が仲間と集まっている横を通りすぎる男の子に、いつも女の子にするような声をかけ、それがどんなに気分の悪いことなのか身をもって理解しました。そうしたことはしてはならないということに気づきました」と言います。

写真：男の子たちにトレーニングで学んだことを伝えるオスカーさん

男の子たちにトレーニングで学んだことを伝えるオスカーさん

このプロジェクトには、ジェンダー平等だけでなく、自尊心、平和的な関係の作り方、あらゆる種類の差別の解消など、若者に影響を与えるだろうすべての問題が含まれます。

「以前このコミュニティには暴力が蔓延していました。でも今は、めったにみることはありません。私自身、貧しいために、私に差別的な発言をする知り合いがいましたが、トレーニングを受けて変わりました。このプロジェクトは、私たちをよりよく、より幸せにしてくます」とオスカーさんは語ります。

ジェンダーに基づく女の子への差別について考えることは、暴力やいじめなど、男の子にも起こり得ることです。問題についてともに考え、解消するための取り組みは、男の子たちにとっても生きやすい環境づくりに繋がります。プランは引き続きジェンダー平等に基いた活動を行っていきます。