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危険な早すぎる妊娠の防止に取り組む~エクアドル~

世界の各地から

更新)

エクアドル中央部にあるアンデス山脈のチンボラソ県には、50万人を超える先住民族のケチュア族が住み、その3分の2は貧困層です。10代の妊娠の割合は15%とされていますが、実態はそれ以上と推測されます。

命を脅かす早すぎる妊娠

10代の母親から生まれた赤ちゃんは、体が完全に成長した女性から生まれた赤ちゃんよりも、死産や生後1週間以内に死亡する確率が50%高くなります。もっとも高い死因は、重度の高血圧と出生後の異常出血で、公式統計によると、チンボラソでは2016年に12人、2017年は16人の母親が出産中または出産後に死亡しています。妊娠中の10代は、子癇前症などの合併症にかかるリスクが高く、適切な医療監督を受けていないと、極端な場合には死亡する可能性もあります。

写真:先住民族が暮らすアンデス山中のチンボラソ県

先住民族が暮らすアンデス山中のチンボラソ県

ジェニーさんの体験

現在20歳のジェニーさんは、16歳で自分の妊娠を知ったとき、誰にも話しませんでした。ジェニーさんが暮らすコミュニティでは、未婚の女の子の妊娠はありふれたことですが、「恥」と考えられているためです。

私は16歳のとき最初のボーイフレンドに出会い、牛の放牧地で4~5カ月一緒に過ごしていたときに妊娠しました。 私は勉強し、母の家事も手伝わなければならなかったのに、よくないことをしたと思いました。吐き気がして食欲もありませんでしたが、妊娠していることを隠していたため、健康診断も受けませんでした

私は両親に話すべきだとわかっていましたが、家でもあまり話しをすることがない両親に頼れませんでした。母が私の妊娠を知ったのは、出産の3週間前でした。

写真:ギニー・ピッグを抱く4歳の息子とジェニーさん

ギニー・ピッグを抱く4歳の息子とジェニーさん

私は自宅で出産しました。誰もが私は結婚すると思いましたが、私は教育を続けたかったのでそうしませんでした。ボーイフレンドは父親であることを否定し、援助も拒否しました。私は子どもを育てるために法に訴えましたが、今日まで彼は息子に1ペニーも支払っていません。 両親の助けがなければ、私は学校を続けられなかったし、未来も描けなかったでしょう。

息子が1カ月になるまで母乳で育て、それから学校に戻りました。プランから制服や教材を買うための奨学金を受け、子どもは母が当時6カ月の私の妹と一緒に家で世話をしてくれました。

私は自分の教育を続けることができたことをとても幸運に思っていますが、子どもがいるということは自分の時間がないということです。友達と過ごす時間は取れないし、早すぎる出産をしなければ、勉強と子育てを同時にする苦労もなかったでしょう。

隠さずに相談することの大切さ

8人きょうだいの長女であるジェニーさんは、プランがエクアドルの10代の妊娠を無くすプログラムに参加し、10代の子どもが両親と家庭で性と生殖についてもっと話しができるようなきっかけ作りの講演やワークショップを行います。

ワークショップに参加した女の子たちに変化が見られるようになりました。何人かは今この話題について両親と話ができる自信をつけ、自分自身をもっと大切にして誰にも傷つけられないようにすると明言しています。

写真:多くの女の子は誰にも相談しない

多くの女の子は誰にも相談しない

この辺りでは男性たちが女の子をレイプすることもあります。 男の子や男性が女の子を巧みに利用し、妊娠させられた女の子は、子どもや家畜の世話のために教育を受ける機会を逃してしまいます。ジェニーさんは、自分の弟妹たちに「誰かが自分を傷つけたら、両親や祖母、叔母など信頼している人に話しなさい。そして自分の人生を困難にせず 勉強を続けなさい」と伝えています。

将来は看護婦になるため、数カ月後大学に通い始めるのを楽しみにしています。

写真:ジェニーさん

ジェニーさん

プランの取り組み

ジェニーさんのように同世代の女の子たちへコミュニケーションの必要性と正しい情報を伝える啓発活動をすすめるとともに、プランは地域のコミュニティで信頼を得ている伝統的な助産師と協働し、保健省のトレーニングを約50人の助産師に提供しています。

先住民族の女の子の家族は、病院で出産することを望んでいません。 何百年もの間自宅で出産してきたうえに、病院で伝統的な服を脱ぐことは自分のアイデンティティを奪われていると感じるため、病院を好みません。助産師に女の子たちに寄り添ってもらい、妊娠前後での健康診断や栄養指導、予防接種のために保健所を訪問するように働きかけ、2018年にコミュニティで確認された10代の妊婦の6人のうち1人が病院へ行き無事な出産をしました。

写真:伝統的助産師はハーブを用い症状を和らげる

伝統的助産師はハーブを用い症状を和らげる

10代の早すぎる妊娠をなくし、女の子と生まれてくる子どもの命を危険にさらさないために、プランは引き続き活動をすすめていきます。

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