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感染症から子どもたちを守る石けんづくり~ギニア~

世界の各地から

更新)

2020年3月に世界保健機関(WHO)によりパンデミックが宣言された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。各国政府が自国の対応に追われているなか、国際社会が連携し、対応していこうとする動きも出てきています。
治療薬のない状況において各自ができる最善策は予防です。手洗いの重要性が、日々報道されていますが、その手洗いの重要性を、6年前のエボラ出血熱の感染拡大のなかで、身をもって学んだ人々がいます。

今回の新型コロナウイルスはもちろん異なる病気ではありますが、基本的な対応策には共通点があります。エボラ出血熱緊急支援でプランとともに活動し、地域の人々が身につけた衛生の知識や習慣が、今回のような事態でも住民たちの身を守る防波堤になります。

感染症から子どもたちを守る石けんづくりに取り組むお母さんたちをご紹介します。

エボラ出血熱の感染拡大から6年

アフリカ西部に位置するギニアでは、2014年に発生したエボラ出血熱の感染拡大により、2015年12月までに2500人を超す犠牲者を出した苦い経験があります。もともと衛生的な環境が整っていないうえに、医療体制も追いつかず、多くの人が不安な生活を強いられました。

プラン・インターナショナルは、エボラ出血熱の感染拡大で影響を受けた子どもたちを支援するため、2016~17年の2年間、ギニアで復興支援を行いました。緊急事態発生直後の地域社会が必要としている物資を支援し、一日も早く以前の日常を取り戻し、つらい体験やストレスを乗り越え精神的な安寧を取り戻すことを目指しました。 地域で活動するパートナー団体と協働し、教育、子どもの保護、水と衛生、家計の安定、防災とリスク軽減の5つのテーマに焦点を当てて取り組みました。

こうした経験を経て、人々は衛生について強く認識するようになりました。石けんで手を洗う重要性を学び、特にトイレのあと手洗いは子どもたちがかかる多くの病気と関係していると身をもって知りました。

写真:保健所建設支援を行ったギニア西部のコミュニティ

保健所建設支援を行ったギニア西部のコミュニティ

立ち上がった女性グループ

ポーリーンさん(30歳)は、ギニアの南部のゲケドゥ県でコミュニティの女性の職業支援をするグループの会長です。プランの活動が、収入向上を目指す彼女たちグループの助けになるだけでなく、地域の学校の衛生環境を向上させる一助にもなると知り、ポーリーンとグループのメンバーたちは喜んで参加することにした。

グループの20人のメンバーは、石けんづくりのトレーニングを受け、できあがった石けんのいくつかは販売し、残りは子どもたちの学校に寄付します。

写真:学校へ石けんを運ぶ女性グループ

学校へ石けんを運ぶ女性グループ

「週に1度、石けんづくりをして、販売用と学校用の量を決めます。今では子どもたちはトイレに行くたびに、母親たちのつくった石けんで手を洗うようになりました。学校の年度始めには手洗い用具も一式備えつけて、十分な水があるようにしています」とポーリーンさんは説明します。

写真:手洗い用具一式

手洗い用具一式

石けんで子どもたちの健康と教育をサポート

学校においてよい衛生環境を促進することは大切です。病気は生徒たちの間でたちまち広がり、とりわけ幼い子どもたちは病気に弱いからです。学校、保護者、そして教師などすべての関係者は、子どもや若者たちのよい衛生行動を促す見本となりし、実践をするうえで重要な役割を担っています。
ポーリーンさんは「毎週、校庭を掃除します。ときには教室も掃除しています。私たちは、子どもたちの幸せのために、健康的で安全な学校環境をもたらすことを目指しているからです。自分たちのコミュニティに変化を起こすのに、政府や協力団体にすべてを期待することはできないことだと思うから」と言います。

写真:手洗いをする子どもたち

手洗いをする子どもたち

コミュニティに変化を起こす女性たち

「私たちにとって、教育はコミュニティの発展のための基盤です。皆、母親として、最優先に関わりたいのは自分たちの子どもが学校教育を受けることです。私たち母親たちが学校に行けなかったので、自分たちの子どもたちには多くの経験をしてほしいと願っているのです。石けんづくりを通して収入を得られるおかげで、子どもたちの就学費用はもはや問題ではありません。それに、石けんづくりで、子どもたちの健康管理にも貢献できています。つまり、私たちは経済的に自立しているのです!」とポーリーンさんは誇らしげに語ります。

写真:女性グループのリーダー、ポーリーンさん

女性グループのリーダー、ポーリーンさん

石けんづくりを始めて7カ月、母親たちの活動はコミュニティによい変化をもたらしています。また、周辺の村の女性たちからも、どうやったら自分たちもコミュニティで同様の取り組みができるかを学びに来ています。
「私たちは歩みを止めません。目指しているのは、ゲケドゥ県のすべての女性が自立することです。毎週木曜日、近隣の村から10人ほどの女性を受け入れ、どのように石けんを用意し、収入向上のためにできる活動を伝えしています。一年後には、私たちのコミュニティの学校が衛生面においてよい見本になっているといいと思います」

広がる夢

ポーリーンさんたちのグループは、子どもたち、特に学校を中途退学しがちな女の子たちが、学校を続けられるようにする取り組みも考え始めています。

「最近、学校で午後3時まで何も食べずにいる子どもたちがいるのに気づきました。収入をより増やせるよう活動を組織し、子どもと教師たちに食事を提供できるようにしたいと考えています。そうすれば、子どもたちは学習に集中できるようになるでしょう。新学期から、始めたいと思います」

石けんづくりで家計と地域の衛生習慣を向上させるこの支援は、質の高い教育と地域の人々の包摂的な参加を促す支援方法です。女性たちの経済的自立が、コミュニティに前向きの変化をもたらす原動力になっています。


アフリカ大陸での新型コロナウイルスの感染拡大は、まだ大きくは報道されていませんが、パンデミックが宣言された今となっては、予断を許さない状況です。プランは、活動地域における感染症の拡大の可能性を視野にいれ、予防と対策の体制を整えながら、プロジェクトの実施に当たっていきます。

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