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コロナ禍で起きている早すぎる結婚~バングラデシュ~

世界の各地から

更新)

14歳のアレファさん(仮名)は、バングラデシュの北部ロンプール管区の農村部に住んでいます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大前は、同年代の女の子と同様に学校へ通っていました。しかし休校になって間もなく、父親はアレファさんの結婚を決めました。

コロナ禍の経済危機が「早すぎる結婚」を加速

アレファさんは、主婦の母親と農業労働者の父親と暮らし学校に通っていました。学校が休校になってからは一日中家で、勉強と家事をして母親を手伝っていました。アレファさんは「勉強を続けたかったけど、新型コロナウイルスのせいで不幸にも結婚しなければならなかったのです」と話します。

バングラデシュの人口は約1億6000万人、世界一人口密度の高い国です。都市部の貧困者が多く暮らす地域では狭い地域に多くの人が暮らし、新型コロナウイルスの感染症数も多く報告されている国の一つです。感染症の拡大によりアレファさんの父親は仕事をなくし、家族を食べさせるのにも事欠く状況に追い込まれました。そのため、近くの村の16歳の男の子と娘を結婚させることにしたのです。バングラデシュでは何百万もの人々がこの家族のように貧困に陥っています。

マスクをつけて家事をする女の子

マスクをつけて家事をする女の子

声を上げられない当事者たち

アレファさんの父親は娘に相談することなく、結婚を決めました。結婚相手で力車の運転手をしているというアシュラフル(仮名)さんも、この結婚に関しては何も口を挟めませんでした。結婚の当事者である花嫁と花婿には反対する機会も与えられず、結婚が取り行われました。バングラデシュでは、59%の女の子たちが18歳の誕生日を迎える前に、22%は15歳になる前に結婚しています

  • ※世界子供白書;UNICEF 2019

早すぎる結婚を逃れた女の子

早すぎる結婚を逃れた女の子

体と命を守るための知識を伝える

プラン・インターナショナルは、身体的・性的暴力や早すぎる妊娠と出産時の死にもつながる「早すぎる結婚」の数を削減するために働きかけています。

「適時に出産」プロジェクトを実施し、ジェンダーに配慮した生活習慣の変化や性的権利、性と生殖に関する健康の啓発を通じて、早産の原因となる「早すぎる結婚」のようなジェンダー不平等に取り組んでいます。アレファさんとアシュラフルさんの結婚の話を知るとすぐに、「適時に出産」プロジェクトチームは、当局への警告を試みました。しかし、新型コロナウイルス感染症のロックダウン中であったため、結婚を阻止することはできませんでした。

早すぎる結婚の阻止に取り組む女の子

早すぎる結婚の阻止に取り組む女の子

プロジェクトチームはアレファさんの体が十分に成長するまで「早すぎる妊娠」を避けるよう、この若い夫婦に性と生殖に関する健康について説明しました。

アレファさんは、自身の権利や利用可能な保健サービス・支援について学ぶ「家庭の意思決定者グループ」へも参加することになりました。アレファさんとアシュラフルさんはともに家族福祉センターを訪れ、地域の公認助産師から避妊とその正しい方法を学びました。また、家事の分担や栄養価のある食事、将来の家族計画についてのアドバイスも受けました。

「『適時に出産』プロジェクトのおかげで、私たちは保健サービスを無料で受けられました。地域の公認助産師と定期的に連絡をとり、私たちが20歳になるまでは子どもを作らないようにするつもりです」とアシュラフルさんは約束しました。

性と生殖に関す健康と権利について学ぶ女の子たち

性と生殖に関す健康と権利について学ぶ女の子たち

プランは引き続き、コロナ禍での早すぎる結婚の防止に取り組んでいきます。

  • *個人保護のため文中の名前は仮名です

写真:ガールズ・プロジェクト

女の子の問題を解決

ガールズ・プロジェクト

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