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世界が直面する食料不足と飢餓~子ども・女の子への影響~

世界の各地から

更新)

現在多くの人々が、過去数十年で経験したことのない世界規模の飢餓の危機に直面しています。紛争や気候変動、経済危機、加えて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が食料不足を拡大させ、大勢の人々の命を脅かしています。
世界各地で起こっている食料不足と飢餓の要因、それが子ども、特に女の子に及ぼしている影響について、プランの取り組みを交えて解説します。

写真:世界が直面する食料不足と飢餓~子ども・女の子への影響~

食料不足と飢餓を引き起こす3つの要因

食料不足や飢餓の原因はさまざまで、国によっても異なりますが、おもな要因として「紛争」、「気候変動」、「経済危機」の3つがあげられます。それら複数の要因が絡み合うと、食料を十分に確保できない状況はさらに悪化します。また、もともと貧しい地域では、たとえ小さな打撃であっても多くの人々が追い詰められ、極度の貧困や飢餓に陥ることになります。

  • FAO, IFAD, UNICEF, WFP and WHO. The State of Food Security and Nutrition in the World 2021

紛争

世界各地で、紛争から逃れるために多くの人々が難民、国内避難民となり、家や畑、収入源を手放さざるを得ない事態が起きています。育てていた農作物も収穫できないうえ、収入も得られないため、避難の途中や避難先での食料確保が困難になります。農作物の生産量が減ると食料価格が上がり、食料を購入することができない人々も出てきます。また、紛争地では人道支援による食料配給に頼らざるを得ないことも多く、パンデミックや紛争激化で支援活動に制約が生じると、食料不足に苦しむ人々はさらに増加します。

写真:仮設シェルターに身を寄せる国内避難民の人々(エチオピア)

仮設シェルターに身を寄せる国内避難民の人々(エチオピア)

気候変動

人口の多くが農業により生計を立てている国々では、長引く干ばつや頻発する洪水など、気候変動の影響による異常気象や自然災害が、人々の食料確保に大きな影響を及ぼしています。家や畑、家畜を失い、食料確保と生計の手段が絶たれることで生活が困窮し、栄養不足に陥ります。

写真:大型ハリケーンによる洪水被害(ホンジュラス)

大型ハリケーンによる洪水被害(ホンジュラス)

経済危機

経済の混乱や景気後退も、食料不足と飢餓を加速させる原因となります。経済状況が悪化している国では、通貨の価値が下がり、あらゆる商品価格が上昇することで、食料を入手できずに栄養不良に陥る人が増加します。また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックがさらなる経済的打撃を及ぼし、食料の確保がいっそう困難になっています。

写真:わずかな豆を料理して家族で分け合う(レバノン)

わずかな豆を料理して家族で分け合う(レバノン)

最も危機に瀕しているのは子ども、思春期の女の子たち

食料不足の影響をもっとも受けるのは、特に途上国の貧困地域に暮らす子どもたちです。質の高い栄養を十分に摂れていない子どもたちは、発達が妨げられ、免疫力が低下して感染症にもかかりやすくなります。食料不足に陥っている家庭では、子どもたちの多くが、重度の急性栄養不良や飢餓によって亡くなるリスクにさらされています

  • ※ユニセフ世界子供白書2019

写真:栄養不良の子どもにおかゆを食べさせる母親(ケニア)

栄養不良の子どもにおかゆを食べさせる母親(ケニア)

また女の子や女性が、食料不足の影響を特に受けやすいことも分かっています。プランで食料危機に関する支援活動を担当するピーター・ムハンギは次のように話します。

ピーター・ムハンギ プラン・インターナショナル 食料安全保障・生計向上スペシャリスト

「食料不足が思春期の女の子や女性に及ぼす具体的な影響は、あまり知られていません。ジェンダーの不平等により、もともと家庭や社会での地位が低い女性や女の子たちは食事を最後にとることも多く、食料が不足すると必然的に食べる量も減り、栄養不良に陥りやすくなります。家族が生き延びるために、女の子を中途退学させて強制的に結婚させるなど、早すぎる結婚のリスクもさらに増します。また、栄養不良は、妊娠中・授乳中の女性の流産や合併症による死亡のリスクを高めるだけでなく、子どもの死産や低体重、発育阻害の原因にもなり、『栄養不良の世代間連鎖』を引き起こしているのです」

写真:女の子の食事は後回しにされ、食べる量も減少

女の子の食事は後回しにされ、食べる量も減少

女の子の食事は後回しにされ、食べる量も減少

女の子たちのストーリー

写真:リアナータさん(仮名)、19歳、ブルキナファソの国内避難民

リアナータさん(仮名)、19歳、ブルキナファソの国内避難民
リアナータさんと彼女の家族は、武力紛争に巻き込まれ、ブルキナファソの中北部にある村からの脱出を余儀なくされました。現在は別の村に避難していますが、新型コロナウイルス感染症対策のロックダウンによって状況が悪化し、食料の確保がますます困難になっています。
「毎日、トー(穀類の粉をお湯で溶いて練ったもの)しか食べられません。それが朝と夜の食事です。夜に料理をし、その残りを朝に食べるのです。残り物がない日は、朝は食べることができません。水や食料を買うお金がないのです。故郷の村では、食べ物の心配をする必要はありませんでした。自分たちで穀物を栽培し、薪を集めて、料理をしていました。ここではその逆で、悲惨な状況です。私の夢は教師になることですが、学校に戻れなければそれも叶わないでしょう」

写真:プリスカさん(仮名)19歳、ジンバブエ

プリスカさん(仮名)19歳、ジンバブエ
プリスカさんは、16歳のときに46歳の見知らぬ男性と結婚しました。
「母が亡くなり、病気の叔母と暮らしていました。私たちは1日1食しか食べられず、親切な人に食べ物をもらうことで生き延びてきました。飢えをしのぐための終わりのない日々のなか、叔母から、生きていくためには、結婚が最善かつ唯一の選択肢だと言われました。学校を中途退学していた私は正規の仕事に就ける見込みがなかったため、叔母の圧力に屈して、見知らぬ男性との結婚に同意しました」。
その後2人の子どもを出産したプリスカさんは、乳幼児と病気の叔母の世話をしなければならず、負担が増えています。
「若くして結婚したことを毎日後悔しています。私の結婚生活は決して幸せなものではなく、さらに悪いことに、今でも飢えと隣りあわせの日々です」

現地のニーズにあった支援活動を強化

食料不足と飢餓の問題の背景には、紛争や気候変動、経済危機など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。国際社会に早急に求められている対応は、紛争の影響を受けた人々の食料支援へのアクセスの保証、異常気象や自然災害による農作物被害の予防、学校給食プログラムやそれに代わる食料支援手段の確保など、多岐にわたります。
プランは、この危機に対応するため、多くの国々で食料の配布や学校給食プログラム、栄養診断、現金給付、食料と引き換えられるクーポンの支給など、現地のニーズにあった支援活動を強化しています。同時に、子どもの保護プログラムを拡大し、危機下にある子ども、特に女の子を早すぎる結婚や虐待、搾取から守る取り組みを続けていきます。

写真:乳幼児の栄養スクリーニング

乳幼児の栄養スクリーニング


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