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暴力に立ちむかったエクアドルの女の子~11/25は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」~

世界の各地から

更新)

11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」です。女性に対するあらゆる形態の暴力の撤廃に取り組むため、2008年に国連によって制定されました。
中南米の国々では、女性への暴力が起こる要因のひとつに、社会に根強く残る男性優位の伝統的な考え方「マチスモ」があります。「男性は強くあらねばならない」という思い込みや、男性の強さの象徴としての暴力が社会に蔓延し、弱い立場に置かれている女の子や女性たちがその犠牲となっているのです。

写真:特に見えにくい家庭内の暴力

特に見えにくい家庭内の暴力

エクアドルのリリアナさん(仮名)のストーリーとともに、女の子や女性への暴力をなくすための取り組みをご紹介します。

暴力の背景にある「家父長制」や「マチスモ」

15歳のリリアナさんは、美しいアンデス高地の村に暮らす先住民族です。代々受け継がれてきた先住民族の伝統文化には、家父長制と「マチスモ」が深く根づいており、それはしばしば女性に対する暴力として表れます。リリアナさんの家庭でも、父親が母親に対し日常的に暴力を振るっていました。「小さなころから、父が母を殴る姿を見て育ちました。私は泣くことしかできず、とても苦しかったです」と話します。成長するにつれ、母親を守らなければならないと強く思うようになったリリアナさん。地元の役所に相談したこともありましたが、具体的な助けを得られず、問題の解決にはつながりませんでした。

写真:先住民族が多く暮らすアンデス高地の風景

先住民族が多く暮らすアンデス高地の風景

女の子のエンパワーメントとともに、男の子や男性の意識啓発が大切

リリアナさんにとって、大きな転機となったのは、プラン・インターナショナルが実施する「ガールズ・リーダーシップ・プロジェクト」に参加したことでした。このプロジェクトの対象は、ジェンダーに基づく暴力にさらされ、教育を受ける権利や参加の機会を奪われている思春期の女の子や若い女性たち。彼女たちのエンパワーメントを通じ、地域全体のジェンダー平等促進を目指すものです。「性と生殖に関する健康と権利」に関して伝えるほか、リーダーシップ・スキルを高めるトレーニングを行います。また、「マチスモ」などの「有害な男らしさ」を、ポジティブな意識と行動に転換していけるよう、男の子や男性の思考や行動の変容を促すための意識啓発にも取り組んでいます。

写真:トレーニングで女の子のエンパワーメントを促進

トレーニングで女の子のエンパワーメントを促進

  • ※女性が人生におけるあらゆる選択肢を自分の意思で選びとり生きていくために必要な力、男性と対等に家庭内や社会の意思決定に参画する力をつけること。

知ることが第一歩 「誰もが平等な権利を持つ存在」

プロジェクトを担当するスタッフは、自尊心が低く、ワークショップに参加したり人前で話したりするときに気後れしているリリアナさんの様子に気づき、特別な注意を払って彼女を見守りました。リリアナさんは、女性の権利やジェンダー平等の大切さについて学ぶとともに、同世代の仲間たちと、中途退学や家庭内暴力、早すぎる結婚など、この地域の女の子が直面する問題を話し合いました。また、「女性は男性の所有物である」といった考え方は間違っていること、性別にかかわらず誰もが平等な権利を持っていることを知り、自信を持って自分の意見を伝えるスキルも身につけました。

地域ぐるみの支援体制で女の子や女性をサポート

信頼できる大人や仲間と出会ったことで、リリアナさんは家庭の問題についても安心して打ち明けることができるようになりました。父親の暴力について相談を受けたプランのスタッフは、市民組織やコミュニティ・ボランティアとも連携し、父親と母親を交えた話し合いを仲介。リリアナさんは父親に対し、暴力を振るうのは間違っているとはっきり伝え、母親に手をあげることをやめてほしいと訴えました。

「一番つらかったのは、母が苦しんでいるのに何もしてあげられないことでした。プランの活動のすべてに感謝しています。知識に基づき自信を持って話せたことで、父も私の考えを理解し、母への暴力をやめてくれました。また、プロジェクトに参加していた友だちが常に私に寄り添い、励ましの言葉をかけてくれたことも、とても支えになりました。そのおかげで、私はより強くなれました」と振り返ります。

適切なサポートを受けたことにより、リリアナさんは自分の権利や暴力に対処する方法を理解し、行動に移すことができました。今では、身につけた知識やスキルをいかして、家庭やコミュニティで発生している暴力を防ぐために活動したいと考えています。「私たちは、社会に存在する不正や不平等を前にして、沈黙していてはいけません。この世界から暴力をなくしたいです」と力強く語ります。

写真:「女の子たちは暴力のない世界を求めている」

「女の子たちは暴力のない世界を求めている」

「女の子たちは暴力のない世界を求めている」

女の子や女性に対する暴力をなくすために

女の子や女性に対する暴力のない社会の実現には、ジェンダーに基づく暴力やその予防策を知ること、被害にあった際に適切なサポートを受けること、加害者に対する法律や政策を強化していくことなど、さまざまな取り組みが必要です。プランはこれからも、男の子や男性も含めた地域の人々、学校、行政と協力しながら、女の子と女性に対する暴力をなくすために活動していきます。

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