- 国際NGOプラン・インターナショナル 寄付・募金で世界の女の子を支援
- NEWS一覧
- チャイルドのルイス君とチーズ工場~エクアドルでの多面的な支援~
チャイルドのルイス君とチーズ工場~エクアドルでの多面的な支援~
世界の各地から
(更新)
プラン・インターナショナルの基幹支援「プラン・スポンサーシップ」は、地域全体の生活向上を目指す継続支援。支援者(スポンサー)は、活動地域の子ども(チャイルド)と手紙で交流しながらその成長を見守るとともに、地域の発展を応援する仕組みです。
南米エクアドルに住む12歳のチャイルド、ルイス君の日常や将来の夢、彼や家族が参加するプランの活動についてご紹介します。
アンデス山脈に暮らす好奇心旺盛な男の子
世界で最も長いアンデス山脈や、世界遺産のガラパゴス諸島を有する自然豊かな国、エクアドル。ルイス君が暮らすのはアンデス山脈にあるコミュニティです。
コミュニティの風景
父と母、姉の家族4人で暮らし、幼い頃から新しいことを学びたいという意欲が人一倍強かったルイス君。現在は初等教育の7年生※で、好きな科目は科学と数学。ピアノを弾くことも好きで、週末には練習に励んでいます。
- ※エクアドルの義務教育は初等教育が7年間(5歳~11歳)、中等教育が3年間の計10年間(出典:外務省)
ピアノの練習をするルイス君
5歳の頃からチーズ作りに夢中
そんな彼が今最も熱心に取り組んでいるのが、チーズ作り。学校が終わるとすぐに父親が経営するチーズ工場へ行き、2時間ほどチーズの製造を手伝ってから、授業の復習や宿題をするのが日課です。
ルイス君は、「5歳のときからずっとチーズの作り方を学んできました。牛乳の産地から商品の包装まで、チーズ作りの工程はすべて知っています」と誇らしげに語ります。
エプロン姿も板についているルイス君
完成したチーズを手にポーズ!
チーズ工場がコミュニティにもたらした前向きな変化
チーズ工場は、ルイス君の父親が一から立ち上げたものです。父親は、「初めのうちは手探りでした。チーズの製法や牛乳の品質を管理する方法についての知識がなく、工場の設備も不十分だったので、とても大変でした」と振り返ります。
家族で協力して経営を続けるうち、チーズ工場はコミュニティ全体にとっても欠かせない存在に成長。いまでは地元の住民10人を雇用し、150 の家族からチーズ作りのための牛乳を取り寄せるようになりました。プランはチーズ工場の経営自体は支援していませんが、ワークショップの開催や起業家ネットワークの設立などを通じて、製品の多様化など、コミュニティ全体が持続可能な方法で生計を立てられるよう支援しています。
工場の前で両親と一緒に
さまざまなプランの活動に参加
「大人になったら食品加工技術者になり、父親のチーズ工場を支えたい」と語るルイス君。将来の夢の実現にむけて、幼いころからプランが実施するさまざまな活動に参加して、知識やスキルを身につけています。
「プランの活動で一番好きなのは、保健所で行われる10代の若者のためのクラブ活動です。青少年に影響を与える性と生殖に関する健康と権利などについて学んでいます。ここで得た知識は、早すぎる妊娠の防止など、自分自身だけではなく周囲の人々を守ることにも役立ちます。それから、『チャンピオン・オブ・チェンジ』というプロジェクトでは、ジェンダー平等や『ポジティブな男らしさ』についても学んでいます」
一方、ルイス君の母親と姉は、プランが設立した、女性のための貯蓄貸付グループ※に参加しています。貯蓄習慣を身につけたことで、家計の安定にもつながっています。
ジェンダー平等についてのワークショップ
-
※貯蓄貸付グループ:
コミュニティの人々により組織された預金貸付を行う相互扶助的な小グループのこと。メンバーはできる範囲で少額を定期的に預金し、グループの基金を増やします。この基金からメンバーが必要に応じてある程度のまとまった金額を借り入れることもできます。借りたメンバーが利子をつけて、基金に返済することで、さらに基金が大きくなります。
エクアドルの子どもたちが直面する課題は?
プラン・スポンサーシップを担当する現地職員のコメント
エクアドルの子どもたちは、10代の妊娠率の高さ、ジェンダーに基づく暴力、栄養不良、都市部と農村部の教育格差、薬物など、さまざまな問題に直面しています。また、子どもの意見が考慮されず、参加や意思決定の機会が妨げられていることも課題です。
プランは、子どもたちはもちろん、保護者や学校、地元組織、行政などさまざまなパートナーと連携しながら、教育、性と生殖に関する健康と権利、子どもの保護、ジェンダーなどの分野で課題の解決に取り組んでいます。プラン・スポンサーシップやその他のプロジェクトを通してコミュニティで長期的に活動できるおかげで、子どもや若者、その家族に大きな影響を与えることができています。
子どもたちの可能性を伸ばし豊かな地域をつくるために
ルイス君はスポンサーとの交流が始まったばかりで、先日初めて手紙のやりとりを経験。「もっとたくさん手紙を書きたい」と今後の交流を楽しみにしています。
チャイルドたちはスポンサーとの交流、そして、地域で実施されるさまざまなプロジェクトへの参加を通じて、知識やスキルを高め、生きていく力を身につけていきます。子どもたちの可能性を伸ばし豊かな地域をつくるプラン・スポンサーシップは、プランの活動の柱です。今後とも皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
あなたの寄付で、誰かの人生に可能性が生まれる。
公式SNS
世界の子どもたちの今を発信中