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スーダンで女性の栄養ボランティアが活躍~「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクト~

グローバル・プロジェクト

スーダン

更新)

2023年4月15日に、アフリカ北東部に位置するスーダンの首都ハルツームで発生した武力衝突は、今もなお続いています。2024年2月までの11カ月間で少なくとも1万4600人が亡くなり、2万6000人が負傷したとの報告がありますが、実際の数字はもっと多いとも言われます。810万人が家を追われ、このうち180万人が国外に避難している今、スーダンは世界最大の避難民危機と呼ばれる状況に陥っています。

紛争下を生きる幼い子どもの命を守るために

写真:「隠れた栄養不良児」を探すためボランティアが家庭訪問

「隠れた栄養不良児」を探すためボランティアが家庭訪問

略奪や戦闘行為による物流網の滞りに加え、世界的な燃料費の高騰もあり、食料品は値上がりする一方です。難民・避難民キャンプで暮らす人々は収入が限られ、頼れる親族や知人もほとんどおらず、食料不足が深刻な課題です。プラン・インターナショナルは、栄養不良が原因で亡くなる子どもを一人でも減らすため、ジャパン・プラットフォーム(JPF)と日本の皆さまのご支援を得て、「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクトを行っています。

写真:深刻な栄養不良状態にある避難民の子ども(ご家族の同意を得て撮影)

深刻な栄養不良状態にある避難民の子ども(ご家族の同意を得て撮影)

このプロジェクトでは、白ナイル州の難民キャンプ、国内避難民キャンプおよびその周辺地域において、延べ2万人超の5歳未満児に対する身体測定(上腕周囲径の計測)を実施し、栄養不良状態にある子ども1000人以上を特定して、栄養治療食の支給や診療所や病院における治療へつなげることができました。栄養状態の悪化は、下痢や発熱といった症状に直結し、命取りになることもあります。紛争により医療物資の入手も困難となっているなか、栄養治療食の配布は子どもたちの生命維持に大きく貢献しています。

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命を守る最前線に立つ「栄養ボランティア」

写真:栄養担当スタッフ タワソル職員

栄養担当スタッフ タワソル職員

紛争の激化に伴い、日本からスーダンへの渡航が難しくなったため、2024年2月、プロジェクトの現地スタッフ3人と日本のスタッフがケニアに集まり、事業の進捗確認や今後の取り組みについて議論しました。

今回は、栄養担当スタッフのタワソル職員から、プロジェクトの円滑な実施にむけた工夫や、地域の人々と協力して進めてきた活動の進捗をお伝えします。

写真:地域リーダーたちとの会合。仲介役として活動を支えてくれた赤新月社のスタッフ(写真左)

地域リーダーたちとの会合。仲介役として活動を支えてくれた赤新月社のスタッフ(写真左)

このプロジェクトのキーパーソンは「栄養ボランティア」と呼ばれる難民や避難民、あるいはキャンプが設置されている地域の住民たちです。プロジェクトでは、「栄養ボランティア」が家庭訪問を通じて、子どもの身体測定のほか、授乳や母子の栄養状況に関する聞き取りを行います。
母親たちが話しやすいよう、女性のボランティアを積極的に採用していますが、人が集まらず苦労しました。国内避難民コミュニティの男性たちから、「ボランティア活動に自分の妻や娘を参加させられない」との抵抗があったためです。「収入になる仕事」のために女性が外出するのは問題ないが、収入にならない活動のために女性が家を出るのは認められないというのです。
また、乳幼児や妊娠中、授乳中の女性への栄養教育を担う「母親グループ」活動のリーダー候補を募集したときも、「今優先すべきは女性への教育ではない」といった反応があり、人が集まりませんでした。

写真:母親グループのリーダーを対象に研修を実施

母親グループのリーダーを対象に研修を実施

この問題に対処するため、まずはキャンプのコミュニティ・リーダーと話し合う機会を複数回設定し、活動の意義を繰り返し説明しました。
栄養ボランティアには少額ながら手当を支払うことや、母親グループの活動は「リーダーの家やキャンプの公共スペースでの『女性同士のお茶会』のようなインフォーマルな集まり」にすることなど、地域の慣習にも配慮した説明を行い、ようやく活動を始めることができました。

写真:計測などの活動に先だって栄養ボランティアを対象に研修を実施

計測などの活動に先だって栄養ボランティアを対象に研修を実施

写真:栄養=女性の仕事とならないよう、男性の栄養ボランティアも採用

栄養=女性の仕事とならないよう、男性の栄養ボランティアも採用

写真:母親グループによる栄養セッション

母親グループによる栄養セッション

このプロジェクトでは、実際に活動が始まってからの男性たちの反応、態度の変化が、最も印象に残っています。
母親グループの活動では、紙芝居やイラスト主体の教材や人形なども提供し、文字が読めない人にも分かりやすい方法で栄養について学べるよう工夫しました。
栄養ボランティアの活躍は目覚ましいものでした。栄養不良の子どもたちを治療につなげる活動が避難民・難民コミュニティでも広く認知され、感謝されるようになりました。その結果、栄養ボランティアを否定する人は減りました。

キャンプでは、急増した避難民に対する食料支援が追いついていなかったため、乳幼児の栄養への関心が非常に高かったこと、母親グループに提供した教材、特に紙芝居が男性たちの関心を惹きつけたことが功を奏したようです。
コミュニティ会議に参加した際、「父親グループも立ち上げたい」という意見が男性リーダーから出た瞬間には、この活動が認められたと嬉しくなったことを覚えています。

ハルツームでの戦闘行為は、徐々に自分たちが暮らす場所に近づいてきていると思うときもあります。
もし、今暮らしているこの地域が戦闘地になった場合、両親や家族はどこかへ避難させて、私だけこの地に残って人道支援の仕事を続けるつもりだと家族には話しています。家族はそれをあまり良く思っていませんが、私は人々に直接支援を届けられるこの仕事が大好きで、誇りを持っています。また、紛争後は学校が休校となり、教員をしていた両親は職を失ったため、家族の生活を支えるためにも、自分が仕事を頑張る必要があります。

写真:雨期の悪路のなかロバ車で難民キャンプへ

雨期の悪路のなかロバ車で難民キャンプへ

写真:栄養ボランティアとの定期会合も重要な仕事のひとつ

栄養ボランティアとの定期会合も重要な仕事のひとつ

世界最大規模の人道危機とも言われるスーダンで、現地スタッフや地域ボランティアは、多くの人たちを支えるために不断の努力を続けています。このようなスーダンの状況、そしてプロジェクトでの取り組みに、これからもご関心を寄せていただけますと幸いです。

  • ※このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと実施しています

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