女の子の教育危機の解決にむけ、より強力なコミットメントを～世界教育サミット～｜国際NGOプラン・インターナショナル　寄付・募金で世界の女の子を支援

女の子の教育危機の解決にむけ、より強力なコミットメントを～世界教育サミット～

プラン・インターナショナルは、子どもたちが質の高い教育を受けることができるように、各国政府に対し、世界で唯一の教育課題に特化した国際基金「教育のためのグローバル・パートナーシップ（Global Partnership for Education以下、GPE)」に資金拠出をするよう、アドボカシー活動をすすめています。

資金拠出を決定も、目標金額には及ばず

2021年7月28～29日、イギリスで開催された「世界教育サミット（Global Education Summit）」では、世界のリーダーたちが5年間で約40億ドルの資金をGPEに拠出することを表明しました。しかし、この金額は目標とされていた「50億ドル」には及ばず、子どもたちが直面する教育危機の緊急性が十分に考慮されない残念な結果となりました。

写真：コロナ禍で学校に通う子どもたち

コロナ禍で学校に通う子どもたち

教育危機の解決には、世界のリーダーのさらなるコミットメントが必要

プランは今回の世界教育サミットにおいて、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響による途上国の女の子たちの危機的状況と、教育資金の増額の必要性を訴えました。なぜなら、新型コロナウイルス感染症の影響で約2000万人の女の子が学校に復学できなくなるだけでなく^※1、自然災害などの気候関連事象によって400万人以上の女の子が教育を修了できなくなるという試算^※2もあり、ジェンダー不平等がさらに悪化する懸念があるためです。

※1Malala Fund (2020), girls’ Education and Covid-19
※2Malala Fund (2021),A greener, fairer future: Why leaders need to invest in climate and girls’ education

写真：長引く休校が復学の機会を奪う恐れも

長引く休校が復学の機会を奪う恐れも

これらの危機的状況に対応するためには、世界のリーダーによる強いコミットメントが必要です。しかし、今回のサミットでは、途上国政府からは国内の教育資金として過去最高の計1960億ドルを充てることが約束された一方で、先進国などのドナー国政府からの資金拠出は、前述の通り目標には達しませんでした。日本政府も、茂木外務大臣が「GPEへの支援の継続を含め、今後5年間で教育分野において15億ドルを超える支援を行う」ことを表明しましたが、残念ながら既存の支援以上の新たなコミットメントはありませんでした。

若者とともに、国際会議にむけた政策提言キャンペーンを展開

プランはユース団体「Transform Education」とパートナーシップを組み、2021年6月に開催されたG7サミット、今回の世界教育サミット、そして11月の第26回国連気候変動枠組条約締約国会議（COP26）を通して、「Education Shifts Power（教育は女の子の持つ力を変えることができる）」をスローガンに、女の子の教育推進のための政策提言キャンペーンを展開しています。

Transform Educationのメンバーで、ユース活動家のネナーさんは、世界教育サミットを振り返り次のように述べています。「これまでにも繰り返し訴えているように、ジェンダー平等と気候正義^※のための教育は最優先されるべきです。ドナー国は40億ドルが決して十分ではないことを理解していないようで、もどかしさを覚えます。教育資金の不足は、私たちユースの生活に直接的な影響を及ぼします。若者の声を聞いてもらうことを諦めずに、COP26ではさらなるコミットメントを求めていきます」

写真：女の子の教育を推進するキャンペーン「Education Shifts Power」

女の子の教育を推進するキャンペーン「Education Shifts Power」

女の子の教育を推進するキャンペーン
「Education Shifts Power」

※気候正義（Climate Justice）とは：気候変動による問題は、先進国や富裕層、既得権益層、先行世代が生み出したもので、その影響による途上国や貧困層、将来世代などの不利益への責任を負うべきという考え方。気候の公平性ともいう。

プランは若者たちとともに11月のCOP26にむけて準備を進め、世界のリーダーたちに、女子教育を優先し、ジェンダー平等と気候正義を促進する教育に資金を提供するよう求めていきます。