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子どもと話す新型コロナウイルス感染症~8つのヒント~
お知らせ
(更新)
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、日本で学校の休校措置が取られてから、もうじき2カ月。友だちや先生との時間を奪われた子どもたちに、感染症について話すことの難しさを感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。日々さまざまなニュースを耳にするなか、正しく感染症について理解してもらうための手助けとなるヒントをご紹介します。
- ※カナダのプラン・インターナショナルが教師や保護者そして医療従事者たちと協働し作成しました
ヒント1:子どもたちの感情を肯定しましょう
感染症に関するニュースについて、子どもたちはさまざまな受け止め方をするでしょう。子どもたちの恐怖や感情を見極めることが重要です。なぜそう感じるのかを、聞き手であるあなたも理解しているということを知らせましょう。あなた自身の不安な気持ちを話すのもよいです。そして、子どもたちに彼らが常に守られていて、安全であることを伝え、安心させてあげましょう。
ヒント2:子どもたちが何でも質問できるようにしましょう
子どもたちが質問をするときは、自分が安全であることの確認をしたいと思っていることがよくあります。このことをよく心にとめておきましょう。子どもたちが心配していることについて、自由に話せるようにしましょう。質問には正直に答え、多くの人々—科学者、医者、救急医療従事者たちーが子どもたちや家族の健康を守るために最善を尽くしてくれていることを伝えましょう。
ヒント3:子どもたちが安全だと感じるように話しましょう
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の流行により、子どもたちは自分たちの弱さに気づき、もしかしたら自分や家族にも起こりうるという不安を掻き立てられているかもしれません。こういうとき、子どもたちは安全であることの確証を大人に求めるでしょう。もし大人たちが安全だと感じていれば、子どもたちもそう信じやすくなります。
たとえば、「大変な出来事が起こるたびに、人は、どうすればより安全でいられるかを学ぶんだ。どうしてこういうことが起きたのかを知ることで、また同じことが起きるのを止めることができる。私たちが安全でいられるように一生懸命働いている人たちがたくさんいるし、私はその人たちを信頼しているよ」と。
ヒント4:世界が素晴らしいことを子どもたちに思い出させましょう
危機は、人々が互いに助け合うために一つになるチャンスです。そして、それを子どもたちが知ることが重要です。家族、近所の人たち、救急隊の人々、チャリティ団体そして政府などすべてが、貢献できるなんらかの技術や資源を持ち合わせており、状況を変えていくことができます。
子どもたちに、人間は善良であることを伝えましょう。たとえ食料品の買い物に殺到したり、毎日の不穏なニュースが流れていたりしても、この難局を切り抜けるために人々がお互いに助け合っている、というよいニュースを子どもたちと共有しましょう。
ヒント5:事実を伝えましょう
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症を防ぐために大事なことについて、子どもと話しましょう。もし何か聞かれたら、感染症の症状を伝え、今のところ感染した子どもは少ないことを伝えましょう。
子どもは自分と病気になった人々に共通点を見つけ、不安を募らせるかもしれません。子どもたちが安全に感じられるようにするために大事なことは、年齢や健康状態などの違いに目をむけさせることです。また、毎日私たちは感染症とその治療方法について新たな情報を学んでいることを彼らに教えましょう。
ヒント6:子どもたちがほかの人々を助けられるように支えましょう
まわりの人々を助けるために何ができるかを子どもに聞いてみましょう。その子の持つ親切心を行動に移せるよう励ませば、子どもでも変化をもたらすことができるという希望と気づきが無力さに取って代わります。
ただ自分の手を洗ったり、咳をするときに口をふさいだり、身体的距離(フィジカル・ディスタンス)をとったりすることさえ、とても重要なことをしていることになります。なぜなら、これがほかの人々を守る手助けとなっているからです。
ヒント7:いつもの日常生活を続けましょう
目的や日常生活の感覚を持つことは、大人も子どももストレスや不安感を遠ざけるのに役立ちます。生産的で、満足し、自信を持って、自分が自分をコントロールしていることを認識しましょう。
もちろん、休校や在宅勤務は以前の日常生活をすっかり変えてしまいます。起床・就寝時間や食事の時間などを守るようにしましょう。と同時に子どもたちの普段のパソコンの使用時間を少し見直し、オンラインで遊べる時間を作りましょう。
また遠隔授業が可能な場合、親たちと同様、「在宅学習」専用の場所を作ることが、学習を促すための楽しい方法となるでしょう。
ヒント8:楽しいことを計画しましょう
体を動かすことはストレスを軽減します。身体的距離(フィジカル・ディスタンス)を保つことが可能であれば、子どもたちとの散歩は精神的にも肉体的にもいいことです。
家の中では、子どもたちが毎日楽しみにするような挑戦や意外性のあること、ゲームなどをしましょう。家族や学校の友だちとのビデオチャットの時間を決め、常にみんなとつながっているようにしましょう。さまざまな施設が提供するバーチャルツアーなども楽しめるかもしれません。
ただし、常に子どもたちを忙しくさせ、学習や楽しみを与え続ける必要はないのです。暇な時間は、想像力や発見をもたらす豊かな土壌にもなります。学ぶ方法は無数にありますが、もっとも素晴らしい学びは、子どもたちが自分で発見することなのです。
このヒントを実践する大人たちに、気をつけてほしいこと
保護者の方のストレスも忘れてはいけません。東日本大震災発生直後から心のケア支援プログラムをともに実施・協力をいただいてきた、ケア宮城代表で宮城学院女子大学名誉教授 畑山みさ子先生も、保護者の心のケアの大切さを訴えています。
どうぞ、体はもちろんのこと、心の健康も維持して、安全にお過ごしください。
あなたの寄付で、誰かの人生に可能性が生まれる。
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保護者の方々へ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応では、子どもの保護者の方々のストレス対処も大切です。育児をしながら在宅で仕事をしている方も、子どもの健康を心配しながら通勤を続けざるをえない方も、誰もが家族を守るために必死で過ごしています。そうした生活が長引くことで、保護者自身にもストレスが溜まっていきます。保護者はその不安やイライラを子どもにぶつけがちで、そのため子どもは一層不安定になっていきます。まず、子どもの心のケアのために、寝る前の時間を大切に、絵本を読み聞かせるなど、いつもより一緒にゆったり過ごすようにしましょう。同時に、保護者自身の心のケアを心掛け、少しの時間であっても意識的に自分のための時間を持つようにしましょう。他者にも自分にもやさしくあってほしいと願っています。