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7月30日は「人身取引反対世界デー」若者たちの挑戦~ネパール~

世界の各地から

更新)

7月30日は、国連が制定した「人身取引反対世界デー」です。
「人身取引」とは、性的搾取や強制労働などを目的に、弱い立場に置かれている人々を、暴力・脅迫・誘拐・詐欺などの手法で取り込み支配する犯罪行為を指します。国際労働機関(ILO)が2018年に発表した報告書によると、全世界で約4030万人が人身取引の被害に遭っており、その大半が子どもや女性たちです。

人身取引が社会問題となっているネパールで、地域の安全を守るために立ち上がった若者たちのストーリーをご紹介します。

ネパールにおける人身取引の実態

写真:ネパール東部 国境地域の町の風景

ネパール東部 国境地域の町の風景

ネパールでは、特にインドとの国境地域で人身取引が横行しています。両国の間では、パスポートやビザがなくても自由に国境を行き来できるため、物資や車の盛んな往来に紛れ、人身取引業者による組織的犯罪が見逃されやすいのです。

人身取引が後を絶たない背景には、世界最貧国のひとつとされるネパールの人々が直面する、厳しい現実があります。家計を助けるため、より良い仕事や暮らしを求めて外国に出稼ぎに行くことは、この国では珍しくありません。ネパール国家人権委員会の最新の報告書(2019年)では、国内で年間約3万5000人の人身取引が発生し、そのうち1万5000人が男性、1万5000人が女性、5000人が子どもであると推定されています 。また、人身取引の被害のうち最も多いのが、女の子や女性への性的搾取やジェンダーに基づく暴力です。

立ち上がった地元の若者たち 活動を阻む壁

19歳のロシャニさんは、インドと国境を接する、ネパール東部コシ県に暮らしています。数年前から同世代の若者たちとともに、地域の家庭や学校、飲食店などを一軒一軒訪問し、人身取引の問題や、移住のリスクについて、ボランティアで意識啓発活動を行っています。しかし、定期的な会議を開くための場所や、啓発キャンペーンの準備にむけた備品の確保ができず、組織として活動運営を続けるうえで困難に直面していました。

写真:ロシャニさん

ロシャニさん

新たな活動拠点「リソースセンター」を開設

若者たちの活動を支援するため、プラン・インターナショナルは自治体と連携し、2021年11月、国境地域を中心とした計4カ所に、人身取引の防止・啓発活動の拠点となる「リソースセンター」を、開設しました。「リソースセンター」には、インターネット接続が可能なコンピューターやタブレット、テレビなどの機器も提供されました。

写真:若者たちの新たな拠点「リソースセンター」

若者たちの新たな拠点「リソースセンター」

ロシャニさんは、「以前はイベントや会議のたびに、場所を探すことから始めなければなりませんでした。今はこのリソースセンターを拠点に、人身取引の危険性を伝える対面での学習セッションや、SNSを使った情報発信、オンラインでの若者同士の交流や議論なども、戦略的に実施できるようになりました」と嬉しそうに語ります。

写真:タブレットを使った学習セッション

タブレットを使った学習セッション

活動に参加する若者・地域の声

ビレンドラさん、人身取引防止に取り組む若者リーダー、22歳
「私たちの活動に対し、地域の人々の行動や認識が変わってきているのがわかります。最近では、ある子どもの保護者からの相談により、人身取引を未然に防ぐことができました。この地域では実入りのよい外国の求人情報を入手しやすいのですが、なかには危険なものも含まれています。人々がそれに気づき、私たちに連絡してくれるようになったことが嬉しいです」

エヌ・クマリさん、14歳
「『リソースセンター』に来るのがとても楽しいです。人身取引の問題やそのほかの社会問題について、年上のお姉さんやお兄さんたちと一緒に、映像を観ながら勉強することができるからです。ここでは、普段利用できないコンピューターの使い方も学べます。私たちの地域の発展のために、このような施設は重要だと思います」

バル・クマリ B.K.さん、国境検問所の職員
「地方自治体や地域の人々、プランのプロジェクトチームが一丸となって、人身取引をなくすために活動していることが素晴らしいです。若者たちは、人身取引に反対するキャンペーンの実施に意欲を燃やしています。『リソースセンター』は、国境検問所の事務所に隣接しているので、若者たちは人身取引の実態を確認しやすいというメリットがあります。若者たちのこれまでの地道な取り組みを知った自治体が、喜んでこの場所を提供したのです」

人身取引のない安全な地域を目指して

ロシャニさんは、「私たちの活動に、人々が信頼を寄せてくれるようになりました。これまで地域で取り組んできたさまざまな取り組みがつながり、一本の線になっていることを実感しています。多くの人々、特に女の子たちに人身取引の実態やそれを見極める方法を知ってもらい、地域が子どもたちにとってより安全な場所になるよう、これからも活動を続けていきたいです」と語ります。

地域から人身取引をなくしていくために、プランは今後も子どもや若者たちへの意識啓発やトレーニングの提供を継続していきます。また、子どもや若者たち自身が地域の課題解決のために力を発揮できる環境づくりを支援していきます。

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