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アフリカで紛争が多い原因は?争いの背景や現状、求められている支援

豊富な天然資源を有し、世界最速のペースで人口が増え続けているアフリカ。「最後のフロンティア」「希望の大陸」などと称され、外国や民間からの投資・開発が進んでいる一方で、世界の最貧国の上位は依然としてアフリカの国々が占めています。各地で続く紛争による国土の荒廃や治安の悪化が、貧しく弱い立場に置かれている人々をより困難な状況に追いやっているのです。

この記事では、アフリカで続いている紛争の背景や原因について、ヨーロッパ列強による植民地支配の歴史にも触れながら解説するとともに、私たちにもできることを考えます。

写真:紛争から逃れ棒や布で作った仮設テントで暮らす難民(南スーダン)

紛争から逃れ棒や布で作った仮設テントで暮らす難民(南スーダン)

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現在もアフリカで起きている主な紛争

アフリカで紛争が起きている国と言えば、2023年4月以降紛争が激化しているスーダンを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、現在も紛争下にある、または紛争の余波が続いている国々は他にもたくさんあります。

ここでは、「忘れられた危機」とも呼ばれる、「中央アフリカ内戦」、「コンゴ紛争」、「リビア内戦」の3つについて、詳しく説明します。

中央アフリカ内戦

アフリカ大陸の中央に位置する中央アフリカ共和国は、ダイヤモンドや金などの鉱物資源が豊かな国です。19世紀末からフランスによる植民地支配を受けてきましたが、1960年に独立。しかし、その後も国軍による反乱や反政府勢力によるクーデターが繰り返されました。

写真:首都バンギの風景

首都バンギの風景

中央アフリカ内戦が起こった経緯について、時系列に沿って見ていきましょう。

2012年 イスラム系反政府勢力連合「セレカ」が諸都市を占拠
2013年 長年政権の座にあったボジゼ大統領が失脚。
しかし、政権を取った後も「セレカ」による子どもや女性を含む市民を巻き込んだ攻撃は止まず、それに対抗するために組織されたキリスト教自警集団「アンチ・バラカ」が報復。複数の武装勢力を巻き込んだ泥沼の内戦に突入
2014年 「セレカ」と「アンチ・バラカ」が停戦合意
2019年 政府と14の武装勢力との間で和平合意が実現※1

中央アフリカ共和国の豊富な鉱物資源の奪い合いも、紛争を悪化させた原因のひとつですまた、内戦が始まって以降、2017年までに最大1万人の子どもたちが武装勢力に誘拐や勧誘され、「子ども兵士」として戦闘に参加させられました※2

2019年の和平合意以降も、一部の武装勢力による暴力や攻撃が断続的に続き、現在も多くの人々が厳しい避難生活を余儀なくされています。2023年4月時点で、隣国チャドを含む近隣国に逃れている難民は約74万人、国内避難民は48万人に達しています※3

写真:首都バンギの風景

元子ども兵士の女の子

  1. ※1 「中央アフリカ共和国基礎データ」(外務省)
  2. ※2 At least 65,000 children released from armed forces and groups over the last 10 years, UNICEF
  3. ※3 UNHCR, Refugees and Asylum-Seekers from the Central African Republic as of 30 April 2023

コンゴ紛争

アフリカ大陸中部のコンゴ民主共和国は、広大な熱帯雨林を有するコンゴ盆地に位置し、銅やコバルト、ダイヤモンド、原油などの天然資源が豊富です※1。19世紀末からのベルギーによる植民地統治下では、多くの人々がゴムや象牙の収奪のための労働力として搾取された歴史があります。
1960年の独立後、モブツ大統領がクーデターによって政権を掌握。以降、30年以上に及ぶ独裁体制が敷かれ、深刻な経済危機や政治的混乱が続きました。

コンゴ紛争とは、1996年に始まった、周辺国を巻き込んだ二度にわたる内戦のことです。それぞれ、「第一次コンゴ戦争」、「第二次コンゴ戦争」と言います。

第一次コンゴ戦争

1996年 反政府勢力による抵抗の動きが、ルワンダやウガンダなど周辺国を巻き込んだ紛争に発展
1997年 周辺国の支援を受けた反政府勢力が首都を制圧。ローラン・デジレ・カビラ氏がモブツ大統領を退け、大統領に就任

第二次コンゴ戦争

1998年 カビラ大統領が周辺国と距離を置こうとしたことに不満をもったルワンダ系住民が蜂起し、第二次コンゴ戦争が勃発
2001年 カビラ大統領暗殺。息子のジョゼフ・カビラ将軍が後継として大統領に就任
2002年 プレトリア包括和平合意
2003年 暫定政権成立

コンゴ民主共和国では、表面上内戦が終結した2003年以降も不安定な状態が続いています。特に、東部地域では政府の統治が行き届いておらず、武装勢力による地元住民の虐殺や誘拐などの非人道的行為が多数報告されています※2

  1. ※1 「コンゴ民主共和国基礎データ」(外務省)
  2. ※2 「コンゴ民主共和国の危険情報」(外務省)

リビア内戦

リビアは地中海に面する、北アフリカに位置する国です。国土の8割以上が砂漠で、石油や天然ガスなど豊富な資源に恵まれています。20世紀初頭からイタリアの植民地とされ、第二次世界大戦後はイギリス・フランスの分割統治を受けた歴史があります。1951年の独立後は王政が敷かれましたが、1969年、カダフィ大尉(当時)によるクーデターで王政が廃止。カダフィ政権による独裁政治はその後42年間も続きました。

カダフィ政権崩壊のきっかけとなったのが、2010年~2012年にかけてチュニジアやエジプトをはじめ、中東・北アフリカ地域で起こった民主化運動「アラブの春」です。リビアにおける紛争の過程を時系列で見ていきましょう。

2011年2月 リビア全土で反体制デモが勃発、内戦状態に突入(第一次リビア内戦)
2011年8月 反体制派が首都トリポリを制圧。カダフィ政権が崩壊
2012年 国政選挙実施。議会と新内閣が発足したものの、機能不全により不安定な情勢が続く
2014年 国内の派閥が東側と西側に分裂、再び内戦に(第二次リビア内戦)
2015年 国連主導で統一政府が樹立
2019年 東側の武装組織が、統一政府が置かれている西側を攻撃、戦況は膠着状態に
2021年 暫定統一政府が発足

リビア内戦は、経済利権を得ようとする他国の思惑も絡み、東側勢力をエジプトやロシア、西側勢力をトルコやカタールが支援する構図になっていました。2023年時点でも「1国に2つの政府、2人の首相」が併存する事態となっており、両者の対立が激化することが懸念されています。

アフリカで起きている紛争の原因

アフリカで起きている紛争にはさまざまな背景や原因があります。

ここでは、「民族と宗教」「天然資源」「代理戦争」の3つの視点から、アフリカにおける紛争の原因について説明します。

民族や宗教の違いによる対立

アフリカではひとつの国のなかに多様な民族や宗教の人々が暮らしています。紛争は、民族の違いや、価値観、文化の違いによって起こる場合があります。国家の指導者を決める勢力争い、住む土地を巡る対立なども紛争の引き金になることがあります。

豊富な天然資源を巡る対立

経済産業省のアフリカの鉱物資源生産に関するデータからも分かるように、アフリカには豊富な天然資源があります。

写真:アフリカの鉱物資源生産・埋蔵量の世界に占める割合

アフリカの鉱物資源生産・埋蔵量の世界に占める割合

原油、天然ガス、プラチナ、クロム、銅、チタン、コバルトといった、貴重な天然資源を巡ってアフリカ各地で紛争が起こっています

代理戦争がきっかけによる紛争

冷戦時代には世界の各地で代理戦争が行われていました。代理戦争とは、2つ以上の大国が、対立している小国にそれぞれ武器の援助などの軍事支援を行うことで、あたかも大国同士が戦っているように見える戦争」のことを言います。
アフリカの国々は植民地として支配されていた背景もあり、代理戦争によって大国から経済的にも政治的にも支えられていた側面があります。冷戦が終結した後、アフリカ各国の経済状況が崩れ、国内の情勢が不安定になったり、暴動が起きたりするようになりました。それが内戦や周辺諸国を巻き込んだ紛争に発展したケースもあります。

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アフリカの紛争地域で苦しむ人々に必要な支援

人々の日常を破壊する紛争は、アフリカ各地で現在も続いています。避難を余儀なくされ、生活の糧を失った人たちが大勢います。

アフリカの紛争地域において人々が直面する問題は多岐にわたります。「食糧」「衛生」「医療」「教育」「就業」の5つの分野について、必要とされる支援とその理由をまとめました。

食糧の支援

長期間の紛争により仕事や土地が奪われ、人々は食べ物を生産することができなくなります。避難先では満足な食事を得られることはほとんどありません。知らない土地、言葉も通じない状況で、仕事を見つけたり食べ物を作ったりすることは難しいためです。大量の避難民がいる状況ではなおさらです。そのため、食糧など生きるために必要な物資の支援がまずは必要です

写真:食糧配給を受けた国内避難民キャンプに暮らす家族(マリ)

食糧配給を受けた国内避難民キャンプに暮らす家族(マリ)

衛生環境の支援

紛争により衛生設備が破壊されたり、避難した場所の衛生環境が劣悪だったりすると、屋外排泄が増加し、感染症が広がることがあります。トイレの設置や石けんによる手洗いの促進など、衛生面の支援も大切です。

写真:簡易手洗い設備(南スーダン)

簡易手洗い設備(南スーダン)

医療の支援

栄養不良や不衛生な環境により免疫力が下がると、健康状態が悪化します。コレラやジフテリア、はしかなどの命に関わる病気が流行することも多いです。そのため、患者への処置と予防接種やワクチン接種などの支援が求められます。

教育の支援

紛争により学校が攻撃されたり、武装勢力の拠点として利用されたりして、子どもたちの教育機会が奪われています。また、避難先には満足に教育を行える施設がなく、学びたくても学べない子どもたちが大勢います。紛争により破壊された学校の修繕や新設、教科書の支給、教育者の派遣などが求められます。

写真:

小学校を建設(エチオピア)

就業支援

紛争が長引くと、人々は慢性的な貧困に陥り、食べ物を入手できず、ますます苦しい生活を余儀なくされます。武装集団の勧誘を受け、生きるためにやむを得ず戦闘に参加する人も出てきます。働くために必要な知識やスキルを身につけられるよう、職業訓練の支援も必要です(例:会計管理や溶接技術、理容、自動車修理など)

アフリカの紛争の現状を知り、私たちにできること

この記事を通して、アフリカにおける紛争の歴史や現状をご理解いただけましたでしょうか。アフリカで起きている紛争解決と平和の実現にむけて、国際社会による働きかけが続けられていますが、現在も多くの人々が終わりの見えない紛争に苦しんでいます。紛争に苦しむ人々のために直接できることは少ないと思われるかも知れませんが、アフリカで支援活動を行っている団体への寄付など、個人でもできることはあります

プラン・インターナショナルでは、アフリカのスーダンやブルキナファソ、エチオピア、ソマリアなど、紛争の影響を受けている国々で、紛争の一因でもある貧困をなくすための地域開発支援や、難民・国内避難民への緊急支援に取り組んでいます。

紛争下で特に取り残されがちな子どもや女の子、障害のある人々の安全と保護に努めています

写真:国内避難民キャンプ内の「子どもひろば」で遊ぶ子どもたち(エチオピア)

国内避難民キャンプ内の「子どもひろば」で遊ぶ子どもたち(エチオピア)

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プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。

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