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世界の貧困層の教育事情|子どもたちに必要な支援とは

世界には、学校に通いたくても通えず十分な教育を受けられない子どもたちが数多く存在しています。その原因には、教育施設や設備の不備、教員不足や性差別などさまざまなものがあげられますが、最大の原因は貧困です。大勢の子どもたちから機会を奪われてしまっている子どもの貧困問題、そして教育事情について、詳しく見ていきたいと思います。

写真:楽しく学ぶ子どもたち(カンボジア)

楽しく学ぶ子どもたち(カンボジア)

教育における貧困問題

生まれた国や地域、置かれた境遇や環境により機会を奪われ可能性の芽を摘み取られてしまっている子どもたち。世界各地で深刻化している貧困は、その状況に拍車をかけています。

「簡単な文章を読んで理解することができない、読解力が未成熟な状態」を表す学習貧困。コロナ禍前、2015年の世界の学習貧困は平均53%と推定されていましたが、最新のデータでは、低・中所得国に暮らす10歳児の57%が学習貧困の状態にあると言われています。

写真:コロナ禍中ラジオ放送で学ぶ女の子(ペルー)

コロナ禍中ラジオ放送で学ぶ女の子(ペルー)

世界の学習状況

2022年時点で学習貧困に陥っている児童の割合が50%を超えている地域は、サハラ砂漠以南のサブサハラ・アフリカ、中東・北アフリカ、南アジア、南米・カリブ海の4地域とされており、特にサブサハラ・アフリカでは1億人を超える児童が学習貧困に陥っています。

貧困層と富裕層の教育格差

子どもが生まれ育った環境・保護者の所得・生活水準などにより受けられる教育に差が出ることを、教育格差と言います。昨今この問題は途上国だけでなく、日本でも広がっており、貧困に繋がる社会問題のひとつとされています。

厚生労働省の調査によると、経済や生活の水準において大多数の世帯に比べて相対的に貧困状態にある日本の17歳以下のこどもの貧困率は13.5%(2018年)で、約7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われています。内閣府によると、特に、ひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%と、2世帯に1世帯が相対的な貧困の生活水準となっています。

経済的な困窮の問題は教育だけにとどまらず、生活習慣、健康管理、自己肯定感など、子どもたちの成長にさまざまな影響を及ぼすと言われています。


2022年の世界銀行のデータによると、特に高等教育において、貧富の差による教育格差が大きくなっています。高所得層の就学率は75%なのに対し、中~低所得層では37%と格差が大きいことが見て取れます。これは、中~低所得層では学年が上がるにつれ、教育を受けさせることが経済的に苦しくなる家庭が多いことが原因です。また、親が子どもを働かせることを優先させるため就学ができない、勉強についていけずに中途退学せざるを得ない事例が多いことも分かっています。

写真:改修された学校で学ぶ子どもたち(カンボジア)

改修された学校で学ぶ子どもたち(カンボジア)

初等教育においては、2018年時点で高所得層の就学率が96%なのに対し、中~低所得層では89%と格差が小さいものの、就学率に差がない場合でも、実際の学習状況に問題があるケースは多いことが分かっています。

上述したように、教育格差の原因のひとつに、家庭の経済的な格差があります。経済的に余裕のある家庭は学校以外にも習い事などの学校外でも多様な形の教育の機会を子どもに与えられることができますが、貧困層の子どもは、質の高い教育を受ける機会が限られてしまいます。このように、経済格差は学力格差につながり、子どもの進学率や就職率などにも差が出ることが明らかになっています。

    【出典】

  1. 「高等教育の就学率 (% 総) | データ」(世界銀行)
  2. 「School enrollment, primary (% net) | Data | データ」(世界銀行)

貧困層の子どもたちが教育を受けられない要因

コロナ禍の影響に加え、食費や光熱費の物価高騰が、困窮家庭の家計に重くのしかかり、子どもたちに大きな影響をもたらしています。

貧困層の子どもが教育を受けられない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

写真:干ばつ下のマリでは給食の提供により就学率が高まった

干ばつ下のマリでは給食の提供により就学率が高まった

教育を受けさせる余裕がない

毎日を生きるためのお金を稼ぐことが最優先の貧困家庭では、子どもを労働力とみなし働かせなければならないため、学校に行かせる余裕がありません。また、一般的に、途上国では授業料のみが無償であり、制服や教材などは自身で買う必要があることから、経済力のない家庭では学校へ行くために必要なものを買うことができず、子どもを学校に通わすことができません。

教育環境が整っていない

途上国の多くでは、教育の財源が不足しています。トレーニングを受けた教員数が少なく、教室や教材などの基本的なリソース(資産・資源)が十分に提供されていないため、授業時間は短く、質の高い授業を提供することができません。また、最寄りに学校がなく、自宅から遠方にある学校までの通学が難しい家庭もあります。
女の子の場合にはさらにハードルが高くなります。家から遠く離れた学校に危険な道を通って通わなければならないという地理的要因や、女性教員の不在により、女子用トイレや生理用品を備えるといった女の子への配慮が欠けている環境要因が、女の子を教育から遠ざける主な理由になっています。

新型コロナウイルス感染症の拡大により学校が休校になった

2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、多くの学校が休校になったことで、学齢期の子ども約4億500万人が暮らす23カ国では、2023年3月時点で学校が完全に開いている状態ではなく、多くの子どもたちが中途退学することが懸念されています。パンデミックおよびそれにともなう学校閉鎖が子どもたちに与えた影響に関するデータによると、1億4700万人の子どもが、過去2年間で対面授業を半分以上受けられなかったことが明らかになっています。これは、世界全体で2兆時間もの対面授業の機会が失われたとも言われています。
なかには、インターネットを活用した遠隔教育を提供している学校があるものの、家庭にインターネットが通っておらず学習を続けられない子どもも多く存在しています。
一度教育から切り離された子どもは復学することが難しく、教育機会を奪われたまま大人になってしまうケースが多々あります。

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教育を受けられないことで起こる問題

教育を受けられないと、生きていくうえでさまざまな問題や困難に直面してしまいます。

基礎的な読み書きや計算ができないことで生じる問題には、どのようなものがあるのでしょうか。

写真:勉強をする女の子(ネパール)

勉強をする女の子(ネパール)

読み書きや計算ができない

文字が読めないと、生活に必要な情報を自分で探すことができないため、生活を支援する制度があっても、それを知ることができません。
また、計算ができないと、金銭管理ができなかったり、他人に騙されてしまったりする可能性も高くなります。

安定した仕事が得られない

良い就職先の採用要件は、高校や大学の卒業を条件としている場合が多いため、十分な教育を受けていないと、応募要件を満たせず、仕事の選択肢が狭まってしまう可能性があります。
また、教育を受けていなくても得られる仕事は、低賃金の単純労働である場合が多いことから、お金を効率的に稼げず、貧困から脱することが難しくなってしまいます。

貧困層の教育支援を行うプラン・インターナショナルの取り組み

プラン・インターナショナルは、貧困解決のための近道は、教育支援であるとの考えから、活動するすべての国で、さまざまな教育支援活動を展開しています。
質の高い教育を受けた子ども、特に女の子は、知識や技能を身につけるだけでなく、自信や自尊心を高めより豊かな人生を歩むことができるようになります。また、地域や国に変革をもたらすアクターになることも期待できます。

写真:学用品の支給(インド)

学用品の支給(インド)

プランが実施した教育支援プロジェクトをご紹介します。

遠隔教育プロジェクト(ガーナ)

首都から遠く離れたガーナ北部の農村地域では、多くの子どもたちが、経済的な事情により学校を中途退学していました。プランは、8~16歳の子どもたちが学び続けるための学習支援として、非公式学校の運営や奨学金の支給を行いました。その結果、5年間で約9万人の子どもたちが学校に通い続けることができるようになりました。

「ジェンダー平等推進のための教育」プロジェクト(ネパール)

ネパールのマデシ州は、経済・社会の両面で発展から取り残された地域で、「排除されたグループ」と呼ばれる少数民族マデシの人々が多く暮らしています。特にマデシの女性は、少数民族への差別、ジェンダーやカーストに基づく差別など、複数の差別に直面しています。子どもたちは、全国に比べて年齢に応じた学年に通うことが少なく、教育を受ける女の子の割合は男の子より低い傾向にありました。
プランは、マデシ州で、女の子や障害のある子どもが十分に教育を受けられるよう、すべての子どもに配慮した教育施設の建設・修繕を行いました。また、ジェンダーや障害に関するトレーニングを現地の教員に実施し、ジェンダー平等の意識向上を図っています。
これらの支援により、女の子や障害のある子どもを含むすべての児童が、ジェンダー差別のない環境で質の高い教育を受けられるようになることを目指しています。本プロジェクトは2026年3月まで実施予定です。

貧困の連鎖を断ち切るために

親から子に引き継がれる貧困の連鎖。これを断ち切るために、教育がいかに重要であるかをご理解いただけたのではないかと思います。貧困は、最低限の生活水準の維持を難しくするだけでなく、尊厳を持って生きる機会や選択肢も狭めてしまいます。子どもへの教育の量や質が上がれば、将来の収入が増え次世代への教育につなげることができます。子どもの通学年数が1年増えるごとに、賃金が8%上がることがわかっています。子どもの貧困対策、および教育への投資は、早ければ早いほど効果的です。

写真:干ばつ下のマリでは給食の提供により就学率が高まった

持続可能な開発目標(SDGs)目標4に掲げられている「質の高い教育をみんなに」を実現し、だれもが公平に、良い教育を受けられるように、また生涯にわたって学習できる機会を広めるためには、多くの方々のお力添えが必要です。
貧困や教育といった社会課題に取り組んでいるプラン・インターナショナルへのご寄付をご検討いただけますと幸いです。

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運営団体

国際NGOプラン・インターナショナルについて

プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。

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