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【経過報告】「スーダン危機緊急支援」~スーダン、南スーダンおよび周辺国~
スーダン
緊急支援
(更新)
プラン・インターナショナルは、2023年4月に軍と準軍事組織の武力衝突により発生したスーダン人道危機を受け、スーダン、南スーダン、エジプト、中央アフリカ、エチオピアなどで緊急支援を実施しています。日本では2023年5月から「スーダン危機緊急支援」への寄付募集を開始。9月29日をもって寄付募集は終了しましたが、現地では引き続き人々のニーズに寄り添った活動を行っています。
これまでの活動の進捗を写真や現地の声とともにご報告します。
プロジェクト背景
2023年4月15日にスーダン国軍(SAF)と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との間で発生した武力衝突はいまだ継続しています。2023年10月時点で、家を追われた人の数は560万人を超え、そのうち120万人以上が、国境を越えてエジプト、南スーダン、チャド、エチオピアや中央アフリカなどの近隣諸国に避難しています。プランは、スーダン国内と近隣諸国の双方にて、紛争の混乱のなかで生きる子どもたちやその家族のための支援を行っています。
活動内容
人道危機の発生直後から、スーダンをはじめ、南スーダン、エチオピア、エジプト、中央アフリカにおいてスーダンからの避難民や、スーダンから帰還した人への支援を実施しました。スーダンでは、スタッフの安全確保などの課題もありましたが、給水活動や食料配布を始め、避難者への生活必需品の支援、避難所の整備など、現地のパートナー団体や国連機関と連携して、人々の命と尊厳を守る支援を実施しています。同時に、紛争を経験した子どもや女性たちに対する支援はスーダンと周辺国の両方で実施。避難中に家族と離れ離れになった子どもたちや暴力被害にあった子どもたちには個別でのサポートを提供しつつ、子どもたちが安心して過ごせる「子どもひろば」を開設しグループ単位での心理社会的サポートを提供しています。
発生から6カ月が経過した2023年10月時点でも紛争は継続しており、支援の必要性は高まる一方です。プランは、引き続きスーダン人道危機の影響を受ける人々、特に子どもや女性たちへの支援活動を継続いたします。
主な活動の成果
地域 | スーダン、南スーダン、エジプト、中央アフリカ、エチオピア、チャド |
---|---|
寄付募集期間 |
2023年5月9日~9月29日
|
2023年度 主な支援内容と対象 |
スーダン
南スーダン
エジプト
中央アフリカ
エチオピア
チャド
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現在、スーダンではグローバル・プロジェクトの一つとして、人道危機の影響を受けた子どもたちの命を守るために、「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクトを実施しています。引き続き皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
関連リンク
現地の声
イマンさん(14歳の女の子)とその家族。ハルツームからの避難民
スーダンの首都ハルツームから逃れてきた14歳のイマンさんは現在、両親と6人のきょうだいとともに白ナイル州の国内避難民キャンプで暮らしています。イマンさんは「家の近くで銃撃戦が起きた時は、ベッドの下に身を隠していました。家から一歩も出ることができませんでした」と話します。ただ、ハルツームでは食料や水が底をついてきたため、鳴り響く銃声に怯えつつも、一家は生き延びるために自宅を捨て、スーダン南部にある白ナイル州へと逃げることにしました。
その後、イマンさん家族は知人宅に身を寄せました。助け合い文化が非常に強いスーダンでは、友人や親戚などを頼って避難した人がほとんどでした。しかしながら、自宅の部屋を家族や友人に提供し、食事なども含めた「自助による支えあい」は、経済的にも心理的にも負担が大きく、続けるには限界があります。イマンさんの母親も「小さな子どもの夜泣きもあり、知人宅では居心地の悪さを感じていました」と語ります。時間の経過とともに、友人や親せき宅でのホームステイから、学校などの公共施設や、空き地などに人が集まり自然発生的に作られた避難スペースに移動する人々は増えつつあります。
「学校で暮らす日が来るとは思ってもみなかった」
イマンさんたち家族も知人宅を離れ、避難所として開放された学校に行くことにしました。彼女が今暮らしている白ナイル州の町は、テントや倉庫、廃屋などを使った急ごしらえの避難所に暮らす避難民であふれかえっています。「プラン・インターナショナルからは食器や鍋などの調理用具、シーツなどの寝具、生理用品などの衛生キットの支援を受けました。避難先のコミュニティからは食料配布もありましたが、お皿や衛生用品などの物資支援も同じくらいにありがたかったです」とイマンさんは言います。
また、プランは、子どもたちが安心して、何かに夢中になることで紛争を一時的に忘れ、「子どもに戻る」時間をもてるよう子どもひろばを運営しています。イマンさんが避難している学校でも、プランはスポーツ、歌や演劇、図画工作などのセッションをほぼ毎日のように実施しています。イマンさんとそのきょうだいも、連日この子どもひろばにやってきます。イマンさんは、「私はアートが大好き。絵を描くことで自分を表現することができます。今私は、以前は勉強のために使っていた教室で暮らしています。学校で暮らす日が来るとは思ってもみませんでした」と心の内を語りました。