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フィリピンの貧困の要因とは?プラン・インターナショナルの取り組み

大小7000以上もの島々からなる東南アジアの国、フィリピン共和国。約1億1000万人が暮らしている同国では、急激な人口増加と深刻化している貧困が課題となっています。

ここではフィリピンの貧困問題の主な要因について、経済的・地理的観点から解説するとともに、貧困の連鎖を断ち切るための取り組みをご紹介します。

写真

台風被害の調査

数値から見るフィリピンの貧困

フィリピンでは、経済規模が10年強で3倍になるほど著しい経済成長を遂げている一方で、国内の貧困率が上昇し続け、2021年時点で約2614万人の人々が貧しい生活を強いられているなど、貧富の差が大きいことが社会問題となっています。

    ※貧困率は、所得が貧困線(全人口の家計所得中央値)の半分に満たない人の割合を指します。

  • 出典:経済協力開発機構(OECD)

写真:貧困層の子どもたち

貧困層の子どもたち

フィリピンの貧困率

2021年時点でのフィリピンの貧困率は18.1%で、2016年の16.7%から大幅に上昇しました※1。特に子どもの貧困率は26.4%※2と高い数値を示しています。その背景には、主に新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済の落ち込みがあると考えられています。

  1. ※1「フィリピンの貧困者、18─21年に約230万人増 コロナ禍で=統計局」(ロイター)
  2. ※2「Poverty Statistics | Philippine Statistics Authority」(Republic of the Philippines)

写真:家族6人、路上の小屋で暮らす女の子

家族6人、路上の小屋で暮らす女の子

フィリピンの国内総生産(GDP)

新型コロナウイルス感染症による危機は、フィリピンにおける貧困削減への取り組みにも影響を及ぼしました。コロナ禍からの経済活動の正常化によって、2022年のGDPは前年比7.6%と上昇がみられました。しかし、2023年4月~6月の実質GDP成長率は4.3%と落ち込みました※1。コロナ禍を経て経済が回復しつつも、食料不安や、保健・医療サービスや教育への不十分なアクセスなど、所得だけでは捉えきれないさまざま要因により依然として多くの人々が貧困状態に陥っています。国全体のGDPは世界39位ですが、1人あたりのGDPは130位※2と低いことも、フィリピンの貧困の現状を示しているといえます。

  1. ※1「2023年4~6月のGDP成長率は4.3%、通年目標の達成に陰り(フィリピン)」(ジェトロ)
  2. ※2「フィリピンのGDP(国内総生産)統計データ(フィリピン)」(GLOBAL NOTE)

フィリピンで貧困が深刻化する原因

フィリピンの貧困問題は、一筋縄では解決できないさまざまな理由によって深刻化しています。ここでは3つの原因を挙げて解説します。

急激な経済成長に産業が追い付いていない

フィリピンでは国民の1%が国の富の半分以上を保有しているといわれ、経済成長の恩恵を受けているのはマニラ市やセブ島などの都市に暮らす一部の人々だけです。「中間層がおらず富裕層と貧困層しかいない」と評されるほど格差が広がっており、都市部周辺の農村部には、仕事に就くことができない多くの貧困層が暮らしています。

写真:農村部の様子

農村部の様子

急激な経済成長に対し、物流の仕組みが未成熟で、交通インフラも整っていないなど産業が追いついていないことが、さらなる貧困を生み出しています。経済成長により物価が上昇しているものの、働く人々の賃金は変わらないため、人々が貧困から抜け出すのは容易ではありません。
フィリピン政府は一日当たりの最低賃金を約1000円と定めているものの、首都圏と地方では賃金格差が顕著なため、大勢の人々が職を求めて、発展著しい都市を目指します。しかし、多くの労働力を要する製造業などの第2次産業が十分に発展する前に都市の人口集中が進んでしまった結果、都市には労働力があふれています。働き口を得られなかった人々は海外に出稼ぎに出るか、都市のスラム街での生活を強いられている状況です。

フィリピンに形成されたスラム街としては、スモーキーマウンテンで有名なマニラ市・トンド地区、ケソン市、セブ島があげられます。ここに暮らす子どもたちは、家計をやりくりするための労働力とみなされ、路上でのゴミ拾いや、自作の小物やお菓子売りで得た収入を生活費に充てています。路上で働いている、または生活している子どもたち「ストリートチルドレン」の救済も貧困対策における喫緊の課題です。

自然災害が多い

7500もの島からなるフィリピンでは、地震、火山、台風などあらゆる種類の自然災害による被害が毎年発生しています。2018年に発表された、世界各国の自然災害のリスクをランク付けした「世界リスク・インデックス」によると、フィリピンは世界で3番目にリスクが高い国であると評価されています。


都市化が進むマニラ首都圏では、総人口の約3割(約430万人)が、河川や放水路沿岸周辺等の災害リスクの高い貧困地域にビニールシートを活用した簡易なつくりの住居で生活しており、台風が発生する度に貧困層の人々の生活は脅かされています。

一方、農村地域では、インフラが整備されておらず、社会サービスが行き届いていないため、災害発生直後には自治体の自治・サービス機能や経済活動が止まってしまうこともあります。被災した人々は日々の食事や住居を確保することができず命の危険にさらされることになります。

写真:台風の被害をうけた地域

台風の被害をうけた地域

また、大規模な災害に見舞われると、長期間にわたり学校の授業が中断となる場合が多く、教育の提供が難しくなり、大勢の子どもたちが教育機会を奪われてしまいます。

貧困の連鎖が起きている

フィリピンで安定した職に就くためには、学校教育を受けている必要があります。例えば、フィリピン国内での需要が多いベビーシッターになるには小学校を卒業していることが必須条件です。また、コンビニエンスストアの店員になるには、高校を卒業しているうえに公用語である英語が話せることが求められます。
教育を受けていない若者は安定した職に就けず、日々の生活費を稼ぐだけで精一杯です。貧困から抜け出せないまま結婚して親となると、収入を補うために子どもを労働力として働かせざるを得ない状況に陥りがちです。
教育を受けずに大人になった子どもは親と同じ境遇をたどりやすく、貧困の連鎖を断ち切ることがさらに困難となるのです。

写真:自立するための職業訓練を行う

自立するための職業訓練を行う

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あなたにできる支援

フィリピンの貧困問題に対するプラン・インターナショナルの取り組み

プラン・インターナショナルは、1961年からの長きにわたりフィリピンで活動しています。教育や子どもの保護、生計向上などの活動を展開しつつも、特に災害リスク管理の向上と災害の被害に遭った人々の支援に注力してきました。災害時には、物資の支給だけではなく、今後人々が自立できるような体制への支援を行っています。
ここでは、これまでにプランが実施した取り組みの一例をご紹介します。

写真:衛生キットの配布

衛生キットの配布

台風ライ被災者への食料および家庭菜園支援

2021年12月16日にフィリピンに上陸した超大型台風ライは、フィリピン17地方のうち10地方を直撃し、死者は101人、行方不明者は304人に上りました。
なかでもプラン・インターナショナルが過去に地域開発支援を行っていたサザンレイテ州は被害が大きく、12万世帯45万人以上が被災し、農地や農作物の被害は広範囲にわたり、被災したコミュニティでは多くの人々が生計手段を失い、食料不足による食料不安が高まっていました。
プラン・インターナショナルは必要物資の支給や子どもの保護に関する啓発など、多くの支援を行いました。

写真:コメを受け取った住民

食料支給の様子

日本からは食料(主食である米)の支給と家庭菜園の再開を支援するために、5000世帯に米25キロずつ、550世帯に野菜の種子と農具セットを支給するとともに、地元の人々が必要とする種子や農具を丁寧に聴き取り、地区の農業局による農業指導も合わせて実施しました。支援の結果、多くの人々が家庭菜園で作った野菜の販売で収入を得ることができるようになりました。

SDGs目標1「貧困をなくそう」を達成するために

ここまでお読みいただいて、フィリピンの貧困問題がいかに深刻であるかをご理解いただけたと思います。
SDGsの目標1で掲げられている「貧困をなくそう」の実現にむけて、現地では政府だけでなく、国内外のNGOやボランティアの人々が懸命に取り組み、海外ボランティアの行き先としてもフィリピンは多く選ばれています。しかし、状況を改善させるにはさらなる支援が必要です。現地に赴かなくとも、ご寄付による支援も課題を解決するための大きな力となります。
フィリピンにおけるプラン・インターナショナルの活動にぜひご協力をお願いいたします。

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国際NGOプラン・インターナショナルについて

プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。

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