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障がいのある子どもたち~インド~
インド
障がいのある子どもたち
(更新)
プラン・マンスリー・サポーター2016年度活動報告
どの子にも等しく教育の機会を
「隠れた障がいを発見し、学習進度も改善」
マドゥさん(10歳の女の子・仮名)
マドゥさんは明るくよくしゃべる女の子です。経済的に厳しいものの両親と2人の弟と元気に暮らしています。生後16日のときに高熱を発し、続いててんかんの症状がみられたことから、その後1カ月の入院を余儀なくされました。両親は特に後遺症を心配することなく、マドゥさんは成長しました。ところが、小学校1年生に入学すると頻繁な授業中の排尿と友だちとの喧嘩が絶えないことを理由に学校側からこれ以上の受け入れを拒否されました。両親はこのとき初めて、マドゥさんが教えたことをよく理解できなかったことを思い出しました。
両親はプロジェクトのことを知り、マドゥさんを「障がい児リハビリセンター」に連れて行ったところ、そこで診断や対処法について初めて専門家の診断を受けました。マドゥさんはセンターで自分の発達に合わせたクラスに参加しました。最初は自分の利き手がわからず、鉛筆を握ることも文字を書くこともできませんでした。しかし、センターに通い始めてから数カ月経つと、右手で文字が書けるようになり、動物や果物の絵も理解できるようになりました。センターでは子どもたちと喧嘩をすることなく落ち着いていろいろな勉強に興味を示すまでになっています。トイレも必ず先生や家族に伝えるようになったので、問題がなくなりました。マドゥさんの父親は言います。「明るくよくしゃべるマドゥが戻ってきたように思います」

実施地域 | デリー市北部の19地域 |
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実施期間 | 2012年7月~2016年6月 |
対象 | 障がいのある子ども約600人と地域住民約22万5000人 |
背景 | インドの首都デリーでは、約24万人の子どもたちに障がいがあり、その多くは適切な治療を受けることができていません。本プロジェクトでは、新たにデリー北部の19地域での支援を開始。7カ所の障がい児センターを中心に、リハビリテーションや治療、教育の機会を提供しています。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | プロジェクト最終年となった2016年も「障がい児センター」で多くの子どもたちに必要なサービスを提供することが出来ました。また、保護者や学校、地域社会への意識啓発活動にも引き続き注力しました。特に、できるだけ多くの子どもたちが公教育の現場に戻ることを受けることを目的として12の学校を対象に保護者と学校に対して、意識啓発活動を行った結果、37人の子どもたちが公立学校に入学することが決まりました。さらに産前産後ケアに関わる母子保健ボランティアたちが早い段階で障がいに気がつき、必要な対処をするためのトレーニングを行いました。 |
成果のまとめ | これまで3年間の活動を通じて、のべ1000人以上の子どもたちが「障がい児センター」を利用しました。多様なニーズに対応できるように専門家の協力を得ながら、子どものモニタリングを丁寧に実施し、その時に必要な対応を講じることができました。コミュニティボランティアにより利用者のデータベースも管理されているので、15日間おきの戸別訪問などの定期的なモニタリングが可能になりました。社会サービスを受けるための様々な書類を家族が保有していないことも多く、出生登録から始めるケースもありました。一方で頻繁な引越しによりサービスを中断させることや思春期にはいった若年層の性と生殖に関する健康という重要な側面に対して十分に対応できなかったという課題が残りました。また、障がい児への差別と偏見もいまだに社会に残っています。今後は、プロジェクトを引き継いだ保護者や地域の人々と、鍵となる公立学校との連携を強化する予定です。 |