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【経過報告】「学校給食と子どもの栄養改善」プロジェクト~カンボジア~
カンボジア
グローバル・プロジェクト
(更新)
グローバル・プロジェクト2019年度活動報告
背景
ポル・ポト独裁政権時代の内戦により、カンボジアでは保健、教育などの社会サービスが壊滅的となりました。医師や教師など知識層の多くが殺害された結果、人材が不足し、内戦からの復興に長い時間を要しました。近年は国際的支援も受けて著しい経済成長を遂げていますが、都市部と農村部の格差は広がっています。農村部にはお腹を空かせたまま登校して授業に集中できず、成績不振により初等教育を終えられない子どもが多く見られます。
プラン・インターナショナルは、2013年10月から、「学校給食と子どもの栄養改善プロジェクト」を実施しています。現在までの活動の進捗をご報告します。
活動のハイライト
活動内容
6年プロジェクトの5年目、プランは協働する国連世界食糧計画(以下、WFP)と協議し、活動対象をシェムリアップ州に集中させています。対象校を345校に絞ったことで、支援の卒業にむけた準備やこの事業の真の目的である、女の子の初等教育修了率を上げるための活動に力を入れられるようになりました。
現在までに163校が学校菜園を運営して給食用の食材を収穫し、調理係への報酬も学校が自ら集めるようになりました。米や魚の缶詰などのおもな食材は支援に頼っていますが、それもWFPの支援からカンボジア政府による支援に移行する準備が始まりました。
今年度特筆すべき活動は、この地域で初めて行ったジェンダー研修です。女の子の初等教育修了率を上げるためには、まず女の子が通学を継続できる環境整備が不可欠です。親の理解、女の子へのいじめ防止、女子トイレの設置など、必要な活動は多々ありますが、なかでも重要なのは教師の理解です。今年度110校から223人の教師(うち女性128人)が、地域におけるジェンダー規範やジェンダー平等を阻む要因、その対策について学びました。受講者がそれぞれの学校で研修を展開し、合計1026人の教師が多くの学びを得て、地域でのジェンダー平等促進にむけて動き出しました。
おもな活動の成果
地域 | シェムリアップ州 |
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期間 | 6年(2013年10月~2019年9月)
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2019年度 おもな支援内容と対象 |
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関連リンク
現地の声
ソニーさん(右)、調理係
「昨年から調理係をしています。朝5時から仕事を始めて、生徒たちが食べ終わる7時ごろまでここにいます。朝がつらいときもあるけど、息子がここに通っているし、子どもたちの役に立てるのでうれしいです」
キムタンさん 生徒
「この1年で僕たちの学校には、男女別の新しいトイレができました。とても清潔で、みんなきれいに使っています。障がいのある生徒用のトイレもあります。そこはまだ使われていませんが、障がいのある子が入ってきたら使われると思います。教室のすぐ近くには手洗い場が作られました。パイプに開けた穴から水が出る仕組みです。何人もの生徒が一度に手を洗えてみんなとても気に入って使っています。休み時間には校庭は、男女混合サッカーをするのが流行っています。以前はいつも男子が校庭を占領しましたが、女子にも同じ権利があることを学び、今では一緒に遊んでいます」