【第4報】学校給食の停止が女の子に及ぼす影響(南スーダン)~アフリカ7カ国・食料危機緊急支援~

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世界は今、かつてないほど深刻な食料危機に直面しています。その背景には、紛争、気候変動の影響による干ばつ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済の低迷、世界的な食料価格の高騰など、さまざまな要因があります。プラン・インターナショナルは、特に飢餓が深刻なアフリカ7カ国(ケニア、エチオピア、ソマリア、南スーダン、マリ、ブルキナファソ、ニジェール)において、緊急支援を実施しています。
女の子が語る食料危機の現状
南スーダンでは、紛争や干ばつの影響で、人口の約6割にあたる770万人以上が飢えと隣り合わせの生活を余儀なくされています※
。14歳のグレースさんの目から見た食料危機の現状と課題を、写真とともに紹介します。
グレースさんが住むレイク州で、プランは世界食糧計画(WFP)との連携のもと学校給食プログラムを実施していました。しかし、気候変動による干ばつや、ウクライナ紛争などによる世界的な食料価格の高騰による資金不足のため、学校給食プログラムが停止。女の子の教育にも深刻な影響を及ぼしています。

グレースさん、14歳
「私の名前はグレース、14歳です。小学校に通っています。母と、きょうだい5人とともに暮らしています。父は首都のジュバに出稼ぎに行っています。家計が苦しいため、学校に通わせてもらっているのは私を含めて4人だけです」

給食が停止 食料危機の影響は学校にも
「私が一番好きな科目は科学です。科学にはたくさんの奇跡があると思うからです。夢はコンピューター科学者になること。でも、4月から学校給食がなくなってしまい、とても辛いです。空腹のため、やりたいことも思うようにできません」

食べられるのはカボチャの葉だけ
「気候変動は私たちの畑にも影響を及ぼしています。母は農作物を売って学費を工面してくれていました。でも、今年は雨が降らなかったため作物が育たず、売る物も食べる物もありません。かろうじて食べられるのはカボチャの葉だけです。毎日、母と一緒に食事の準備をするのも私の役目です」

食事は1日1回 体力も限界に
「以前、学校で給食があったときには、豆など栄養のあるものも食べられました。今は、食事は1日に1回だけです。最後に3食を食べられたのは今年の1月です。空腹のなか、学校から帰った後に宿題を済ませ、家事をしたり遠くに水汲みに行ったりすると、ふらふらになります」

学校に来ない女の子が増えている
「何も食べていないと、授業にも集中できません。母が食べ物を探しに行っている間、きょうだいの面倒を見るため学校を休むこともあります。男の子と違い、女の子は母親に頼まれたら家にいるしかないのです。私の友だちにも、ずっと学校に来ない子が何人もいます」

食事量の男女差に不公平を感じるけれど
「女の子は男の子よりも与えられる食事量が少ないことがあります。食事を取り分けるのは女の子の役目なので、母親に『男の子の分をもっと足して』と言われたら、そうせざるを得ません。なぜ男の子だけがたくさん食べられるのでしょうか。でも、そんなことは誰にも言えません。『弟たちの食べる量が増えるのは嫌だ』という意味に捉えられてしまいそうだから」

給食の再開が教育の継続に役立つ
「空腹も女の子が学校に来られない理由のひとつです。ふらふらになって下校する様子を見て、登校せず家にいたほうがましだと親に言われるからです。学校の給食が再開されたら、大勢の子どもたち、特に女の子たちが、また学校に通えるようになるはずです」
プランは子どもたちの命を守るための緊急支援を強化するとともに、学校給食の再開にむけた新たな資金獲得に取り組んでいます。皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
プランへの寄付金は「寄付金控除」の対象となります。最大約4割が所得税より還付されます。