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【経過報告】「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクト~エチオピア・スーダン~
エチオピア
ガールズ・プロジェクト
スーダン
(更新)
プラン・インターナショナルは、2017年7月から、「女性性器切除から女の子を守る」プロジェクトをエチオピアで開始し、2020年7月からは隣国スーダンでも実施しています。現在までの活動の進捗をご報告します。
背景
アフリカと中東地域の約30カ国で、約2000年前から続くと言われる「女性性器切除」(Female Genital Mutilation、以下FGM)。大人の女性になるための通過儀礼・結婚の条件として、幼児期から15歳ごろまでの女の子の性器の一部を切除するものです。不衛生な環境で麻酔なしで行われることも多く、激痛と出血をともない、命を落とす女の子もいます。死に至らなくとも、感染症や出産への悪影響を引き起こし、強い恐怖が心の傷として残る場合もあります。
15歳から49歳の女性のうち、エチオピアでは74%、スーダンでは87%が施術されているという統計があります※
。FGMを禁ずる国際条約を批准し、法律で禁止する国も多いなか、法の執行が不十分であるため「慣習」として今も水面下で広く続けられています。被害が公に語られる機会も少なく、心身に及ぼす弊害は一般の人々にはほとんど知られていません。
- ※出典:Female Genital Mutilation/Cutting: A Global Concern(UNICEF, 2016)
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活動のハイライト
活動内容
【エチオピア】
エチオピアの対象地では、産婆の介助による自宅出産の際に、生まれたばかりの女の子にFGMの施術を行う慣習が根強く残っています。プランはFGMの根絶にむけ、コミュニティで対話セッションを主導するファシリテーターを育成。ファシリテーターは、伝統的施術者(産婆含む)や保護者、地域・宗教リーダーをはじめ、行政や学校などさまざまな関係者を対象に、対話セッションを継続的に実施しました。その結果、地域の人々の意識に徐々に変化が見られるようになりました。特に、女の子や女性たちは、これまでタブー視されていたFGMなどの慣習を助長するジェンダー規範について堂々と話せるようになってきています。また、自宅ではなく医療施設での出産を選ぶ母親たちが増えた結果、FGM施術件数を減らすことができました。
【スーダン】
スーダンでは、女の子や若い女性たちが安心して活動することができる「女性センター」が完成しました。女性センターを拠点に、「女の子クラブ」のメンバーや若い女性に対して、ジェンダー平等促進やディベートスキル、自分の意見を相手に伝える方法などについて継続的なトレーニングを実施。彼女たちは、自信を持ち、地域住民たちとFGM根絶やジェンダー平等促進について積極的に議論しました。また、特に脆弱な立場にある女の子や若い女性に、裁縫、手工業、アクセサリー作りなどの職業訓練を行い、女性センターで製作した品物を販売し、収入向上につなげました。これが、女の子や女性の経済的、社会的な自立の第一歩となります。そして、住民対象の啓発イベントでは、地域リーダーがFGM根絶を宣言。地域一丸となり、古くから続くFGMに終止符を打つべく、一人ひとりが行動を変えていくことを誓い合いました。
主な活動の成果
地域 | 【エチオピア】アファール州 【スーダン】白ナイル州 |
---|---|
期間 | 【エチオピア】2017年7月~2023年6月 【スーダン】2020年7月~2022年12月 |
2022年度 主な支援内容と対象 |
【エチオピア】
【スーダン】
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関連リンク
現地の声
ファトゥマさん、43歳、対話セッションの参加者(エチオピア)
「私はコミュニティでの対話セッションに継続的に参加し、FGMの健康面への影響や早すぎる結婚の弊害など、地域に根深く残る問題について話し合いました。私はFGMについての考えを改め、医療施設で出産し、娘にはFGMを受けさせていません。私の娘のように、より多くの女の子たちがFGMから解放されることを願っています」
メディナさん、18歳、対話セッションのファシリテーター
(エチオピア)
「私は6歳のころ、家族にFGMを受けさせられました。その後は排尿時や月経時の痛みに悩まされ続けるなど、FGMの弊害は身をもって理解しています。今では、ファシリテーターとしてトレーニングを受け、コミュニティでの対話セッションを運営し、生まれたばかりの女の子へのFGMの施術をやめるよう、母親たちに医療施設での出産を勧めています。これからも、FGM根絶にむけて地域で活動していきたいです」
ハスナさん、16歳、女の子クラブメンバー(エチオピア)
「私は『女の子クラブ』のメンバーとして、寸劇や学校の掲示板などを使って、FGMや早すぎる結婚の弊害について積極的に発信しました。そのおかげで、友だちや家族ともFGMについて自信を持って話せるようになりました。私の家族はFGMの影響を知ってから、生まれたばかりの妹にはFGMを受けさせていません。また、家族は学校で学び続けたいという私の気持ちを尊重し、結婚は私自身が決めることだと理解してくれるようになりました」
スルールさん、55歳、宗教リーダー(エチオピア)
「私の2人の娘にはFGMを受けさせていません。イスラムの教えでは、身体にとって害となる行為は禁止されています。私たちのコミュニティでは、イスラム教の信者であっても、この基本的な教えを知らずにFGMを実施してしまっています。そのため、私はこのプロジェクトを通じ、イスラム教の指導者に対して、FGMを実践しないよう信者に教えてほしいと呼びかけています」
マリウムさん、14歳、女の子クラブメンバー(スーダン)
私は3年前に学校を中途退学しましたが、「女の子クラブ」に参加し、FGMや早すぎる結婚の弊害、女の子の教育の重要性について学んだことで、学校に戻ることを決意しました。今は8年生ですが、9年生まで教育を修了したいと思っています。今後も自分の家族や周囲の人たちに積極的に働きかけ、地域からFGMや早すぎる結婚を根絶していきたいです」
アワティフさん、16歳、女の子クラブメンバー(スーダン)
「所属する「女の子クラブ」メンバーの代表として、他のコミュニティの「女の子クラブ」メンバーと交流する会議に参加し、とても多くのことを学びました。ジェンダーに基づく暴力のセッションでは、自分が経験、目撃した女の子に対する暴力について話すときに、涙が流れました。しかし、他の参加者たちと励ましあうことで前向きな気持ちになれました。これからも学校で学び続け、自分の将来は自分で決めていきたいです」
バシールさん、38歳、小学校教師(スーダン)
「私は、FGMや早すぎる結婚などの慣習を根絶させることに強く同意しています。地域で開催された啓発イベントに参加し、他の住民たちがFGMをやめるよう積極的に意見を述べました。イベントでは、大きな横断幕が用意され、FGMをやめることに賛成する人たちはそこに署名をしました。私は最初に署名し、他の参加者たちに署名を呼びかけました」
ハジャさん、48歳、助産師(スーダン)
「以前から、FGMの弊害について聞いたことはありましたが、よく理解していませんでした。トレーニングを受けて、FGMが女の子や女性の身体に深刻な影響を及ぼすこと、法律で禁止されていることを学びました。すべての助産師がこのトレーニングを受け、FGMの弊害について学ぶべきだと思いました」