(2025年06月04日更新)
プログラム部の石丸です。2021年から2024年まで、ベトナムに駐在して取り組んだ「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを、完了から1年を経て視察してきました。地域はどのように変化し、参加者たちはどのように歩みを続けているのか――現地で見聞きした“いま”の姿をお届けします。
「早すぎる結婚(児童婚)の防止」プロジェクトって?
活動に参加する少数民族の女の子たち
2021年から2024年にかけて、皆さまからのプラン・グローバルサポーターのご寄付と、外務省(NGO連携無償資金協力)の支援で実施したプロジェクトです。期間中、私は現地に常駐し、女の子たちが自分の将来を自ら選び、児童婚に頼らずに済むよう、養鶏やピーナッツ栽培など農畜産業のトレーニングを行い、収入を得られるようサポートしていました。さらに、13地域に研修センターを新設し、地域の人たちが学びを継続できる環境を整えました。
研修センターの“いま”
3年間で建設した13の研修センターのうち、今回は1施設を訪問。運営の主役は現在も地域の人々です。定例会や農畜産業の情報交換の場として使われているほか、少数民族のお祭りも開かれるなど、多目的スペースとしての役割が定着していました。建設から2年を経て、外壁こそやや色あせてはいたものの、内部はほぼ当時のまま。特に驚かされたのはトイレの清潔さで、臭気も劣化もなく、人々が日々丁寧に清掃していることが伝わってきました。

研修センター(プロジェクト完了直後の2024年撮影)

1年後の姿。多目的に活用されていました!
参加者の声
センターができる前は片道40分かけて郡中心部へ通っていました。雨季は危険で3カ月学びが止まることも。今は“学びたいときに学べる”環境が手に入りました。この環境を整えてくださった日本の皆さまに心から感謝しています。
養鶏トレーニングから3年、新たな挑戦へ
3年前に支給した孵化機。今も現役です!
養鶏トレーニングに参加して3年が経つ住民グループも訪ねました。プロジェクトを通して養鶏グループに支給された孵化機は今も現役。使用順はグループで話し合って決め、計画的にヒナを増やしています。また、学んだ知識を応用し、現在はアヒルやウズラの飼育にも挑戦中。別世帯の屋根付き鶏舎を見て自宅に即導入するなど「学び→実践→共有」の好循環が生まれていました。
参加者の声
タムさん(32歳)
トレーニング修了直後のタムさん(右)と筆者
以前は伝統的な方法しかなく、孵化率も生存率も低いままでした。しかもこの地域は、雨季の長期化や地滑りの増加など、気候変動の影響を大きく受けています。トレーニングで対策を学んでいなければ、状況はさらに悪化していたでしょう。トレーニングがなければ今の成果は得られませんでした。参加の機会をいただき本当にありがとうございました。
バナナチップスで切り拓く女性たちの未来
最後に訪れたのはバナナチップス製造グループ。家賃高騰で路面店舗を撤退した後は、オンライン販売にシフトし、ベトナム北部のみならずホーチミン市など南部にも発送しています。月収は開始当初の約33万ドン(約2,000円)から200万ドン(約1万円)へ5倍に成長。地域の若い女性たちへ「結婚以外にも未来を選べる」と示す旗振り役となっています。

トレーニング修了後のバナナチップス製造グループ

2年後の姿。経済的に自立して自信がついたと話してくれた女性たち
参加者の声
ファムさん(28歳)
トレーニングに参加したばかりの頃は、完成品のイメージが湧かず何度も挫けそうになりました。でも「自分の未来は自分で決められる」と仲間と励まし合い、事業をここまで伸ばすことができました。応援してくださった日本の皆さまに深く感謝しています」
さまざまな民族がともに暮らす活動地域。若者たちの笑顔が眩しい
今回の視察を通じて、プロジェクト終了から1年が経った今も、地域の人々が主体となり施設や学びを活用し、自立した取り組みを継続している様子を肌で感じることができました。プランからの支援が終わっても、活動や変化した意識が地域のなかで確実に根づいていました。プロジェクトの完了は“ゴール”ではなく、“地域主体で走り出すスタート”だった――そんな確かな手応えを感じる視察となりました。
プラン・インターナショナルは、この成果を別のコミュニティにも拡大し、ベトナムにおける早すぎる結婚の防止をさらに進めます。活動内容などの詳細は以下のバナーからぜひご覧ください。今後とも皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いします!







