(2024年12月05日更新)

「LGBTQ+」を知っていますか?
私たちの周りには、男性、女性だけではない、多様な性が存在しています。
LGBTQ+や多様な性について、聞いた事はあるけれど「イマイチ分からない…」「難しい…」と感じる方も多いはず。
そこで今回は、はじめての人にも分かりやすく多様な性について解説していきます!
自分の性と、好きになる性
はじめに、LGBTQ+を理解するうえで重要な、「自分の性」「好きになる性」について考えてみましょう。
自分の性(性自認)
まずは「自分の性」について考えてみましょう。
別の言い方では「性自認」、英語だと「Gender Identity(ジェンダー・アイデンティティ)」といいます。
自分の性(性自認)とは、自分自身をどのように認識しているかを指します。
男性である、女性である、それ以外にも「どちらでもない」「決めたくない」などさまざまです。
ちなみに性自認は、“自分が認識する性別”ですので、生まれた時の性別ではないのがポイント。
生まれたときに割り当てられた性別と異なる性を自認しているのが、トランスジェンダーの人々です。
好きになる性(性的指向)
次に「好きになる性」を考えてみましょう。
別の言い方では「性的指向」、英語だと「Sexual Orientation(セクシュアルオリエンテーション)」といいます。
これは誰を好きになるかを示すものです。
異性愛者は異性を、同性愛者は同性を好きになり、バイセクシュアルは両性を好きになる、といったように。もしくは恋愛に興味がない人、誰にも好きという感情が湧かない人もいます。
このように、自分の性(性自認)と好きになる性(性的指向)は異なる概念ということを知っておきましょう。
LGBTQ+とは?
さきほどの「自分の性」「好きになる性」を知ることで、LGBTQ+についてグッと理解がしやすくなります。
LGBTQ+とは性的マイノリティの総称で、約10人に1人の割合で存在しています。
たとえば、学校の40人クラスだと3〜4人程度。
左利きや、AB型の人と同じくらいの割合です。そう考えるとかなり身近ですよね。
ちなみに、LGBTQだけではなく、もっとたくさんの性自認/性的指向が存在しています。そのような多様な性のあり方を包括する意味で+(プラス)を付け加えて用いられます。
米Facebookでは、性に関するカテゴリーがなんと58種類も存在するほど!
種類も多く、カタカナ語も多いため「難しい…」と感じる人も多いはず。
大事なのは用語自体ではなく、いろんな性自認/性的指向の人がいるということを知ることです。
※ LGBTIQ+の表記について
プラン・インターナショナルの発信では、「LGBTQ+」という表記が用いられることもありますが、文脈に応じて「LGBTIQ+」という表記も用いています。これは、性的指向、性自認、身体の多様性を含むさまざまな人々の存在が、社会のなかで不可視化されないようにするためです。「I」はインターセックスを指しますが、その呼称や受け止め方には当事者の間でも多様な意見があることを認識しており、特定の表現を当事者や関係者に強いる立場は取りません。これらの表記はいずれも唯一の正解を示すものではなく、人権が尊重される社会を目指すための考え方の一つです。
LGBTQ+をサポートする存在「アライ」とは?
「アライ」という言葉を聞いたことがありますか?
アライ(Ally)とは英語で味方を意味する言葉で、LGBTQ+当事者ではないが、サポートする人々を表す言葉。最近は日本でも広がってきました。
当事者にとってアライは心強い存在。
LGBTQ+について学び、偏見や差別のない社会になるべく手助けをします。
LGBTQ+をとりまく問題とは?
LGBTQ+の人たちは、日々どのような悩みを抱えているのでしょうか?
たくさんの問題がありますが、主に2つご紹介します。
同性婚ができない
最も大きい課題は「同性婚ができない」こと。日本ではいまだ実現されていません。
同性婚は、2001年にオランダにて初めて認められ、今では世界37の国と地域で認められています。
ちなみに、G7のなかで同性婚を認めていないのは日本だけです。
同性同士の婚姻が法的に認められていない日本ですが、一方で「パートナーシップ制度」があります。
これは自治体が戸籍上同性であるカップルの関係を婚姻と同等であると認め、公的な証明書を発行するというものです。
「その制度があれば十分じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、こちらは自治体が独自に行っているものなので、法的効力はありません。
また、同性婚のほかにも、LGBTQ+への差別を禁止する「差別禁止法」もない状態。
他の先進国に比べて法整備が遅れているため、ぜひ今後も動向をウォッチしておきましょう。
根強い差別や偏見
日本では欧米に比べてヘイトクライム(人種、宗教、民族性など、特定のカテゴリーに属する人々に対する憎悪または偏見に基づく犯罪)は少ないものの、まだまだ社会全体に偏見や差別が存在しています。
性自認/性的指向は「目には見えない」ため、孤独や不安を抱える人が多く、うつ病にかかる割合や自殺未遂の割合も高いとされています。
特に若いLGBTQ+にとっては深刻で、10代のLGBTQ+のなかで「過去1年に自殺を考えたことがある」と回答したのは48.1%、「自殺未遂(自殺をしようとした)」と回答した人は14.0%に上ります。
※
これは自殺未遂の割合全体に比べて3.8倍も高い数値です。
※出典:認定NPO法人 ReBit「LGBTQ子ども・若者調査2022」より
誰もが尊重される世界の実現に向けて私たちには何ができる?5つのアクション
LGBTQ+の人たちを含め、誰もが自分らしく生きていける社会にしていくために、私たち一人ひとりにできることは何でしょうか?
ここからは、日々できるアクションを紹介していきます。
恋人や配偶者を「パートナー」と呼んでみる
恋人を「彼氏/彼女」、配偶者を「夫/旦那/妻/奥さん」と呼ぶ人は多いですよね。
異性愛を前提にした表現を避け、「パートナー」という呼び方に変えてみましょう。
パートナーという呼び方は、性別だけでなく、社会的な枠にも縛られない対等な関係性を表す言葉。LGBTQ+だけでなく、多くの人に配慮した表現です。
職場や飲み会での「恋愛の話」を控える
職場やバイト先、飲み会にて、恋愛の話、いわゆる「恋バナ」になることがありますよね。
もしそのなかにLGBTQ+当事者がいた場合、居心地が悪く感じてしまい、心を閉ざしてしまうことも。
LGBTQ+の約8割が、職場でカミングアウトしていないという調査データがあります。※
当事者は、自身の性的指向を隠すために異性愛者を装うこともあり、一層孤独感を強めてしまうことにつながります。
人が集まる場では、恋愛を含めたプライベートな話はしないよう配慮したいですね。
男女二元論ではない「They」「X」を知る
日本では、アンケートや会員登録の際に、性別欄が「男性/女性」しかないことが多々ありますよね。
英語圏では、男性・女性だけの男女二元論ではない表現が増えてきています。
たとえば「They」。
英語で文章を書く時に、彼は「He」、彼女は「She」と書きますよね。
最近では、性別を男性/女性と特定しない三人称単数の「They」を使う動きが、アメリカを中心に増えています。
また、最近ではパスポートの性別欄に、「X」という表記ができるように。
男性(Male)、女性(Female)に当てはまらない人、もしくは当てはめられたくない人のために作られた第三の選択肢です。
残念ながら日本のパスポートでは認められていませんが、アメリカ、カナダ、オーストラリア、オランダ、ドイツ、インドなど一部の国では実施されています。
今後、性別に配慮した表現は広がっていくため、ぜひ知っておきたい表現です。
本人の許可なくカミングアウトを他人に伝えない
もしあなたがカミングアウトされた場合、そのことを本人の許可を得ることなく、勝手に他人に伝えることはやめましょう。このことを「アウティング」といいます。
アウティングをされると、当事者は、これまで築いてきた人間関係が崩壊する恐れや、偏見や差別を受けるのではないかといった不安に襲われます。
実際にアウティングをきっかけとした自殺の例もあることから、東京の国立市では全国初の「アウティング禁止条例」が作られました。
気軽な気持ちで、当事者の性自認/性的指向を話す行為はやめましょう。
想像してみよう。身近な人にカミングアウトされたら?
もし、あなたの同僚、友人、家族からカミングアウトされたとしたら、あなたはどんな対応をしますか?
想像してみることで、より自分事として感じることができます。
カミングアウトする人は、勇気を出して打ちあけた可能性が高いので、まずは「話してくれてありがとう」と伝えてみましょう。
本人の話をじっくり聞いて、安心して話せる空間作りをしましょう。対話を通して「あなたの味方です」という姿勢が重要です。
また、決して本人の同意なく口外しない(アウティングしない)よう細心の注意を払いましょう。
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いかがだったでしょうか?
世の中には、男性・女性だけの男女二元論だけでない「多様な性」が存在しています。
多様な性を尊重してサポートすることで、誰もが自分らしく、少しでも生きやすい社会へと近づくことができるはずです。
ぜひ、この機会に「多様な性」について考えてみましょう!







