(2024年07月31日更新)
プラン・インターナショナルは、このたび、国際協力分野で教育協力に従事する方々、また国内の教員をはじめ教育実践をしている方々に向けて、ジェンダー・トランスフォーマティブ教育に関する調査報告書を作成しました。
ジェンダー・トランスフォーマティブ教育とは?
プランは、ジェンダー平等の達成に向け、「ジェンダー・トランスフォーマティブ(変革的な)・アプローチ」をプログラムづくりに取り入れています。このアプローチは、不平等な構造の根本原因になっているジェンダー規範や社会制度を変革するために、女の子・女性のエンパワーメントや地位向上、男の子・男性のエンゲージメント、そして多様なアイデンティティを持つ人たちの包摂に取り組んでいます。このアプローチを教育にも取り入れ教育を通じたジェンダー平等実現を目指していく取り組みを、ジェンダー・トランスフォーマティブ教育(以下、GTE)といいます。近年プランは、国連児童基金(UNICEF)、国連女子教育プログラム(UNGEI)などの国際機関とともに、世界的にGTEの実践と啓発を進めています。
教育によって個人・学校・コミュニティ・国を変え、ジェンダー平等を目指す
教育は、人が成長しその可能性を最大限に発揮するための力を獲得するためのプロセスです。幼少期から成人になるまで、教育によって、人はさまざまなジェンダー規範を内面化していきます。GTEは、既につくられている不平等なジェンダー規範を是正するために、個人、学校、コミュニティ、国というレベル(社会層)において、知識、態度、実践の変容を目指します。今回の調査では、最終的に12の事例を分析しました。その結果、以下のような取り組みが重要であることが分かりました。
- 個人レベル:
- ピアラーニング(同世代間の学び合い)を軸に、個人、特に女の子の自信を育成し、エンパワーしていくこと
- 学校レベル:
- 指導法、教授法などの教育実践を、ジェンダー平等の視点に立って行うこと
- コミュニティレベル:
- 住民との対話によって、ジェンダー平等や女の子の権利に関する理解を醸成していくこと
- 国レベル:
- 政策決定者との協働によって教育施策をジェンダー主流化させ、GTEの取り組みに近づけること
GTEプログラムでは、こうした活動を地域の文脈に合わせた形で、なるべく包括的に組み合わせて実施していくことが大切です。
報告書本文はこちらからご覧ください。







調査担当者からのコメント
アドボカシーグループ 澤柳孝浩
今回の調査は、海外におけるGTEの事例を中心にまとめています。調査報告書を活用して、日本の教育協力をよりジェンダー・トランスフォーマティブなものにするよう働きかけます。加えて、海外のGTEを参考に、日本における学校教育、また社会教育をよりジェンダー平等に向けた取り組みにしていくことを目指します。ジェンダーギャップ指数のランキングで常に順位が低迷している日本の状況を変えるためにも、教育は大きな役割を担うと考えています。この報告書が、皆さまの取り組みに示唆を与えることができたら嬉しいです。
プログラム部 伊藤理恵
GTEは、革新的で将来有望なアプローチですが、まだ確立されていない分野です。この調査報告書では、GTEの実践的な定義を明確にし、世界各国から具体的なプログラム内容を紹介しています。また、理論と実践の両方のエビデンスに基づいて、GTEの効果を検証しました。これにより、政策立案者、アカデミア、教育現場の実践者など、さまざまな立場から、GTEアプローチを取り入れやすくしています。GTEが多くの方にとって身近なものとなり、この報告書がジェンダー平等に向けた具体的な取り組みの一助となることを願っています。