(2024年09月24日更新)
エチオピアに暮らす5歳のモティちゃんの瞳は深い悲しみに満ちています。数カ月前に、まだ2歳だった妹を餓死で亡くしたトラウマでモティちゃんは声を失ってしまいました。
モティちゃん(5歳)
「妹はピーナッツが大好きでした」「診療所に連れていったけれど、一緒に帰ることはできませんでした」
いま、モティちゃんが発することができるわずかな言葉は、妹に関することだけです。
飢えにより失われた幼い命
モティちゃんと母親のジュリオさん(30歳)は、長引く干ばつによる食料危機で困窮した人々が暮らす国内避難民キャンプに身を寄せています。
ジュリオさん(左)とモティちゃん(右)
「難民キャンプでは2日間何も口にすることができないことがよくあります」とジュリオさんは言います。「本当につらいです。私には4人の子どもがいますが、モティと2歳の末娘の2人だけを連れてこの避難民キャンプに来ました。他の子どもたちは別の親族のもとに身を寄せています。ここに来た当初、私は借金をして買ったガソリンを売ることで生き延びていました」
ジュリオさんの末娘が病気になったとき、彼女は貯金のすべてを娘の治療に費やしました。「私たちが診療所に行ったとき、医者は娘に助かる望みはないと言いました。娘は2歳で飢えのために亡くなりました。私が彼女にしてやれることは何もありませんでした」
エチオピアでは紛争と干ばつにより1090万人が深刻な飢餓の危機に
エチオピアでは、紛争の余波による難民・国内避難民の増加、長引く干ばつによる農作物の不作、そして継続的な治安の悪化により、人道危機が広がっています。国連世界食糧計画(WFP)によると、2024年7月から9月の間に、エチオピアでは国内避難民400万人を含む約1090万人が緊急に人道的食料支援を必要としています
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※Ethiopia - Food and Nutrition Security Update, July 2024(WFP)
最後に満腹だったのは2年前
我が子を失ったのはジュリオさんだけではありません。ジロさん(25歳)は生後10カ月の娘を失いました。
干ばつによる被害を語るジロさん
「干ばつですべてを失い、2年前に国内避難民キャンプに来ました。昔はたくさんの動物を飼っていて、子どもは牛の乳を飲むこともできました。ここに来たときは何もなく、娘は栄養不良になって死んでしまいました」
現在、ジロさんは5歳の息子、ワコ君のことを心配しながら日々を過ごしています。
「息子には1日1回しか食べさせてやれません。薪を集めて売り、食べ物を調達しています。最後に満腹だったのは2年前。当時は家畜のミルクや肉を食べることができました」
それでも子どもたちのために希望を
エチオピアの干ばつは、特に南部地域のコミュニティの回復力を著しく損なわせています。遊牧民の人々が生計を立て直すにはこの先何年もかかることが予想されます。
モティちゃんを抱くジュリオさん
こうした過酷な状況のなかでも、ジュリオさんは再び家畜を手に入れ、以前の生活を取り戻そうと決意しています。
「雨季が始まったので牧草地は青々としていますが、それを食べる動物がいません。でも、子どもたちのために希望を失ってはいられません。現在離れて暮らしている子どもたちとも再び一緒に暮らせる日がくることを願っています」






