(2025年03月27日更新)
プラン・インターナショナルは、日本の高校生男女2,000名および高校生の子どもを持つ保護者1,000名を対象に、高校生のプログラミング経験とジェンダーギャップに関するオンライン調査を行い、その結果をまとめたレポート「GIRLS LEADERSHIP REPORT 2025 彼女たちが拓くデジタルの未来」を発表しました。
STEM教育におけるジェンダーギャップのリアル
世界経済フォーラム(WEF)が2024年6月に発表した「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート2024」によれば、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位で、G7最下位。そのうち教育分野においては72位、その理由として高等教育における男女の進路の格差、とりわけ理系に進む女性の少なさと大学院への進学率の低さが指摘されています。
このような状況を受け、プランでは高校生男女および高校生の子どもを持つ親へアンケートを実施。専門家や他団体※の協力を得て分析を行いました。
- ※本調査は、教育とエンパワーメントを通じてテクノロジー分野のジェンダーギャップ解消を目指す特定非営利活動法人Waffle、宮城学院女子大学名誉教授・学長顧問 天童睦子氏、東京大学情報学環教授 板津木綿子氏の協力を得て実施されました。
調査で明らかになったこと
調査では、高校生のプログラミング体験の有無、学校内外での学習状況、将来の進路希望、保護者との関係性などについて分析を行いました。主な調査結果は以下の通りです。
- プログラミング授業を受けた後の関心度は女子の方が低い傾向がみられる
- 学校でのプログラミング体験に男女差は見られないものの、学校外でのプログラミング体験には男女差が見られる傾向にあります。男性回答者の方がプログラミング教室や学習アプリ/インターネット動画、本や参考書などを利用した経験が多い一方、女性回答者の方が「習ったことはない」と回答する割合が高い結果となりました。
- 将来の進路希望において、女子は文系、男子は理系を希望する割合が高い傾向が見られました。また、「プログラミングを活かした仕事をしたい」と考える割合は、男子の方が女子よりも高い結果となりました。
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家庭のインターネット環境については、多くの回答者が「いつでもWi-Fiに接続できる」環境にありますが、子どもに与えられている端末には男女差が見られ、男の子にはパソコン、女の子にはタブレット型端末が与えられる傾向があります。
- 母親の方が父親よりコミュニケーションを取っている可能性が推測されます。また、「理系に進んでほしい」母親は少なく、父親は多い結果となりました。
- 保護者のジェンダー平等への賛成については、母親の方が父親よりも高い割合で「賛成している」と回答する傾向が見られました。しかし、保護者から「女だから」「男だから」といったジェンダー・ステレオタイプな言葉を言われた経験のある回答者も一定数存在します。
調査結果についての専門家からのコメントと提言
宮城学院女子大学名誉教授・学長顧問の天童睦子氏は、学校教育におけるデジタル教育の充実と学校外での体験格差の認識、女性に対するデジタル障壁の是正、特にロールモデルの提示の有効性、そして親のジェンダー・バイアスを問い、ステレオタイプの再生産に挑むことの重要性を指摘しています。
東京大学情報学環教授、板津木綿子氏は、プログラミング学習が社会の駆動原理の理解に繋がる可能性を指摘しつつ、プログラミング機会の頻度や内容におけるジェンダー差に注目し、保護者の後押しや地域社会における機会提供のジェンダー分析の必要性を提言しています。
プランは、本調査の結果を踏まえ、デジタル分野におけるジェンダーギャップの解消に向け、教育機会の平等化やジェンダー・ステレオタイプの克服に向けた取り組みを引き続き推進していきます。その一環として、2025年4月の国際ICTガールズ・デーに際してイベントを開催予定です。詳細は後日ウェブサイトであらためてご案内いたします。






