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(2025年04月14日更新)

プラン・インターナショナルとともに活動するプラン・ユースグループは、2024年12月に日本全国の高校生1,000人を対象に「性的同意」に関する調査を行い、分析結果と提言を報告書にまとめました。

この調査は、プラン・ユースグループが継続的に取り組んでいる、自分自身と周囲の人を守るために必要な”性に関する知識”を同世代の若者に伝える活動の一環として実施されたものです。

「性的同意」を知っておくことの大切さ

2023年に日本の刑法が改正され、同意なき性行為は犯罪となりました。性暴力の被害者、加害者を生み出さないために、性的同意について正しく理解することは、これまで以上に重要なことになっています。公教育では、子どもを性暴力・性犯罪から守ることを目的に、令和3年度より「生命(いのち)の安全教育」が実践され、「性的同意」が取り上げられています。そこで、プラン・ユースグループは、児童・生徒が性的同意についてしっかり学べているのか、現状を認識するために、高校生1,000人を対象とした意識調査を実施しました。

調査から見えてきたこと

7割の生徒が「性的同意」について知らない、聞いたことはあるが説明はできない

写真:性的同意について学校で学ぶ機会はありましたか

「性的同意」について学校で学んだと回答したのは63.9%となり、半数以上が学校教育で性的同意について触れる機会があるようです。しかし、68%の生徒は、性的同意について「理解していない」「聞いたことはあるが説明はできない」と回答しており、学校で行われた学びが生かされていない現状にあります。また、性的同意に関連する内容、たとえば「二次被害を起こさない方法」や「性暴力被害にあった場合の対処法」について「学んでいない」「覚えていない」と回答した生徒は、それぞれ74%、60%に上りました。

約8割の生徒は、学校で「性的同意」について学びたいと思っている

78%の生徒が「性的同意」について学校で「教えてほしい」「どちらかといえば教えてほしい」と回答しました。学校で学びたい理由として、「正しい知識を身に付けたいから」(84%)、「自分や他者を大切にしたいから」(45%)、「周りの人とも性的同意について話し合えるきっかけになるから」(23%)という結果になりました。学校でしっかり取り上げられることで、高校生にとって身近なトピックになる可能性があります。

生徒が学校に望むこと

学校で性的同意について学びたいと回答した78%の生徒に、「性的同意」を学ぶうえで、学校に求めることについて聞きました。回答は次のようになり、「先生が性的同意について正しい知識を持っていること」がもっとも多い結果となりました。

生徒が学校に望むこと

ユースによる提言

調査の結果を踏まえ、プラン・ユースグループは教育機関(学校)と政府・教育委員会に向けた提言をまとめました。2025年3月、文部科学省総合教育政策局、内閣府男女共同参画局の担当者に向けて、主に次のように提言しました。

「性的同意に関する内容も含まれている包括的性教育を全国の教育現場で実践すること」
「性的同意に関する教育の充実のために、教材開発や研修のための予算を拡充すること」
「教員に対して、性的同意に関する研修実施し、正しい知識と指導スキルを身につける機会を提供すること」
政府として若者の安全を保障するために、性的同意の啓発と教育を進めていくと回答いただきました。

写真:

文部科学省総合教育政策局へ提言

写真:

内閣府男女共同参画局へ提言

調査を担当したメンバーの声

ゆうなさん(大学院生)

写真:ゆうなさん(大学院生)

「性的同意」という概念がもっと広まったらいいのに、と思ったのは大学生のときでした。友人やパートナーにかかわらず、「人に嫌がることをしてはいけない」というのは小学生でも分かるのに、性的なことになるとその意識が薄まるのはなぜだろう?と思っていました。そんななか、法改正も性教育も変わりつつある日本の現状はどうなっているのだろう?という疑問が、今回の調査のスタートです。高校生のリアルに焦点を当てたアンケート調査からは、ユースに「性的同意」の概念が根づいていないことや、情報社会のなかでネットから多くの情報を得ていることが分かり、環境の整備が急がれることがうかがえます。この結果が、少しでもよりよい教育や、ユースが安心できる社会を形作るための一助となれば幸いです。

いどうさん(大学生)

写真:いどうさん(大学生)

「性的同意」という今回のアンケート調査のテーマや、その背後にある包括的性教育について、私自身、調査を行いながらその概念や重要性について改めて勉強させられる機会が多くありました。アンケート項目を作成し、その結果を分析していく過程を経て、「性的同意」は何か特別なものではなく、日常生活のなかで他者と自分を尊重し、より良い関係を築くためのベースとなる考え方だと捉えるようになったと感じています。この調査報告をきっかけに、教育のアップデートや安心できる相談場所の設置といった分野が、今まで以上に推進されると嬉しいです。

りおんさん

写真:りおんさん

今回のアンケート調査で、「性的同意」について知らない、または聞いたことはあるが説明できないと答えた高校生が全体の68%もいることに正直驚きました。性に関する話題は「恥ずかしい」などと思われがちですが、より気軽に相談できたり、安心して学べたりする場が必要だと感じます。性的同意などに関する知識は、自分を守るためだけでなく、相手を大切に思う気持ちにもつながる大切なものだと思います。私は、誰もが自分らしく生きられるために、学校や社会全体で性についてオープンに話せる環境が広がってほしいと思っています。今回の調査を通じて、生徒のリアルな声を社会に届けることで、少しでも前向きな変化を生み出せることを願い、これからも活動を続けていきたいです。

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