(2025年09月17日更新)
西アフリカのトーゴで、仕立て職人を目指す17歳のルマナさん。2年前に味わった過酷な体験を乗り越え、今、自分らしく新たな人生の一歩を踏み出しています。
突然やってきた児童婚の危機
当時を振り返るルマナさん
10歳から15歳にかけて親元を離れ、ガーナに住む叔母のもとで生活したルマナさん。「2023年に叔母に連れられてトーゴに戻ったのですが、帰国直後に状況が一変しました。叔母が私を見知らぬ男性と結婚させようとしたのです」。
彼女の叔母はルマナさんを実家ではなく、別の地域にある男性の家に連れて行き、彼女は何が起きているのかさえ分からないまま、逃げることもできない状況に置かれました。
救出、そして踏み出した未来への一歩
ルマナさんの両親が事態を知り駆けつけたものの、相手側は帰すことを拒否。両親の警察への被害届により男性は逮捕され、ようやく彼女は安全を取り戻しました。
心に深い傷を負ったルマナさんを支えたのは、プラン・インターナショナルがトーゴの社会福祉・連帯・女性振興省、地元団体PAFEDとともに実施している合同プロジェクト※です。プロジェクトでは、ジェンダーに基づく暴力、特に早すぎる結婚(児童婚)の撲滅に取り組むほか、児童婚から救出された女の子たちに、心理社会的支援とあわせて、職業訓練も提供しています。
- ※スウェーデン国際開発庁(SIDA)による支援
指導員(右)から縫製を学ぶルマナさん(左)
救出後、ルマナさんに将来の希望を尋ねると、答えは明快でした―「縫製を学びたい」。
「支援のおかげで、仕立屋の見習いとして受け入れられ、ミシンも支給してもらいました。今は仕立て職人であることを誇りに思います。研修で服の作り方を学び、今では自宅で縫製しています。人々から仕立てを頼まれるようになり、少しですが収入も得られるようになりました」と嬉しそうに語ります。
職業訓練と心理社会的支援により、ルマナさんは自信と自立心を取り戻しました。彼女の事例は、児童婚から女の子を守るだけでなく、その後の暮らしを立て直すまで寄り添う“地域ぐるみの支え”の大切さを物語っています。
すべての女の子の夢が児童婚で奪われないように
女子生徒が少ない教室の風景
トーゴでは法定婚姻年齢が18歳と定められているものの、今も4人に1人の女の子が成人前に結婚しています。背景には、貧困や非識字、根深いジェンダー規範があります。特に農村部では依然として、「女の子を学ばせても意味がない。むしろ手に負えなくなり、結婚相手も見つけにくくなる」と考えている家庭が多く、女の子の教育に否定的です。トーゴ政府は初等教育無償化や児童婚防止の対策を導入していますが、ルマナさんのような被害者の再教育・就業支援は依然として限られています。
ルマナさん
以前は児童婚の話を聞いても関心がありませんでした。被害者となって初めて、その恐怖、悲しみ、自由の喪失がどれほど深刻か分かったのです。しかし、皆さんの支援のおかげで再び自信と勇気を持てるようになり、何よりも経験したすべてを乗り越えて笑顔を取り戻すことができました。
地域社会と支援団体が連携すれば、児童婚から女の子たちを守り、彼女たちの将来への一歩を後押しすることができます。プランは今後も、女の子たちが自分らしい未来を描けるよう、包括的な支援の提供に取り組んでいきます。







