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Women Deliver国際会議でプランの調査を発表~女の子が考えるリーダー像~
女の子だから
(更新)
リーダー像に関する意識調査
プラン・インターナショナルは、世界19カ国で約1万人の女の子と若い女性を対象に、『リーダーになる~女の子と若い女性が考えるリーダー像の意識調査~』を実施しました。調査の目的は、女の子や若い女性がリーダーの地位を目指すうえで、彼女たちを取り巻く要因を分析することです。調査には、日本の女の子も参加しました。
カナダで開催された国際会議Women Deliver
調査結果は、6月3~7日にかけてカナダで開催されている、女の子や女性の権利に関する国際会議、「Women Deliver」で発表しました。「Women Deliver」は3年に1度開催され、ジェンダー平等や女の子と女性の権利について話し合う世界最大の国際会議です。カナダのトルドー首相や有識者、国際機関やNGOの職員など約8000人が参加しました。
開催会場のバンクーバー・コンベンション・センター
オープニングセッションに参加したトルドー首相
世界の現状
現在、世界では、政府の閣僚のわずか18%※1、議会議席の24%しか占めていません※2。2018年における女性の首相は、149カ国に17人でした※3。また経済分野においても、4社に1社は、上級管理職の女性がいない状況です※4。一方、ある調査によると、女性がリーダーである国は、ジェンダー平等がすすみ、経済も成長しており※5、政府の汚職が少なく※6、生活水準も高いというデータもあります※7。
女性がリーダーシップを取る大切さ
すべての女の子と若い女性には、自分にかかわる事柄の意思決定プロセスに、意味のある参加をする権利があります。プランは女の子と若い女性が、政治、経済、そして社会といった、力関係に変革をもたらすために重要な場に参画できるよう支援しています。そのためには、女性のリーダーを増やすことが重要です。とりわけ、女の子や若い女性がリーダーになりたいと思い、その思いを持ち続け、リーダーシップを発揮できることを支援することが必要です。
今回の調査は、19カ国で、リーダーシップに対する認識について聞くオンライン調査と、5カ国(ドミニカ共和国、インド、日本、セネガル、南スーダン)で、女性がリーダーになることについてどのような認識を持っているかを聞くグループ・ディスカッションを行いました。調査対象者は、15~25歳の若い女性で、キャリア、国、地域社会および家族といったあらゆるレベルで、リーダーシップをとる意欲、リーダーシップの経験、リーダーになる自信、周りからの励まし、女性リーダーのロールモデルおよび女性リーダーに対する差別があるかどうかなどを尋ねました。
調査から見えた理想と現実
女の子と若い女性は家庭、コミュニティ、さらには国でリーダーになりたいという意欲を持っていることがわかりました。一方で、リーダーになることを選択した場合に直面する、男女差別、あからさまな性差別、嫌がらせと暴力、そして仕事と家庭の両立の困難についても強く認識していることがわかりました。
詳細はこちらをご覧ください。
『リーダーになる~女の子と若い女性が考えるリーダー像の意識調査~』
調査を通して見えてきたことは以下の通りです。
- 76%の女の子はリーダーになることを望んでいる*
- 女の子や若い女性はリーダーシップの能力に自信を持っている
- 女の子と若い女性は、男性たちとは異なるリーダー像をもっている
- 自身のキャリアやリーダーになることを望むかは、教育レベルと社会的地位が大きく影響する
- リーダーシップを阻む障壁は、ジェンダーに関わることが理由であることが多い
- 女性により厳しい社会の目がむけられている
- 女性リーダーへはより強い風当たりがある
- *オンライン調査で、キャリア、コミュニティ、国といった場でリーダーになりたいかを聞いた値
プランの提言
報告書では、女の子のリーダーを育成するために、以下の4点を提言しています。
1.若いリーダーの育成を家庭から始めること
家族、地元の指導者、地域社会と協力して、彼女たちのリーダーシップに対するアイデア、願望、自信を制限するジェンダーの固定観念を強めることなく、リーダーシップへの意欲を育む支援することが必要です。
2.新しいリーダー像を示すこと
リーダーになることの意味について彼女らが考え、女の子と若い女性も力を持つことができるというメッセージを発信することが必要です。
3.性差別やその他の差別に取り組むこと
女の子がリーダーになりたいという意欲を阻んでいる差別的な文化に緊急に取り組むことが必要です。
4.女の子の成功を支援すること
女の子がリーダーシップを発揮し、地域社会の変化を促進するために必要な経験を積むことができるよう、教育やさらなる機会を提供することが必要です。
より多くの女の子がリーダーになれる未来を目指して
調査に参加したセネガルの若い女性は「私にとって、女性の居場所が家だけというのは受け入れがたいことです。女性は教育を受け、国を変えることに参画すべきです」と述べました。
今回の調査結果から、幼いころから、女の子と若い女性がジェンダーの固定観念を内面化し、それがリーダーシップを発揮することを制限していることがわかりました。一方で、多くの女の子はそれぞれの置かれた立場で、リーダーになることを望んでいます。プランは引き続き、あらゆる分野において、女の子や若い女性がリーダーとなり、社会を変革できるために必要な教育や機会を提供していきます。
- ※1、※2出典:Single House or Lower House. Inter-Parliamentary Union.“Women in national parliaments, as of 1 November 2018.
- ※3出典:World Economic Forum,Gender Gap Report 2018, accessed,08 May 2019,
- ※4出典:Grant Thorton, 2018. Women in Business: Beyond Policy to Progress, accessed August 25, 2018,
- ※5出典:Perkins, S.E., Phillips, K.W. and Pearce, N.A. (2017) “Ethnic Diversity, Gender, And National Leaders”. Journal For International Affairs 67 (1): 85-103.
- ※6出典:Dollar, D., Fisman, R. and Gatti, R. (1999) “Are Women Really The ‘Fairer’ Sex? Corruption And Women In Government”. Policy Research Report On Gender And Development. Washington DC: World Bank.
- ※7出典:Center for Gender Research (STK) “Gender equality and quality of life (GEQ) – a study of Norway and Poland (completed)”, post-doctoral project. Available at: https://www.stk.uio.no/english/research/projects/geq-project/ ; Lahn, A.L.(2015) “Gender equality gives men better lives”, Science Nordic website. Available at:http://sciencenordic.com/genderequality-gives-men-better-lives
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