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【報告】Girl’s Leadership(ガールズ・リーダーシップ)~女の子が変える未来~
アドボカシー
ユースの活動レポート
女の子だから
(更新)
10月11日の「国際ガールズ・デー」に合わせて、「Girl’s Leadership(ガールズ・リーダーシップ)~女の子が変える未来~」のアクションを行いました。このアクションは、「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」を実現するためにリーダーの地位にある人物に面会し、女の子が直面する課題を伝え、提言を行うものです。日本でのアクションの様子をお伝えします。
広告でのジェンダー描写に関するユースの意識調査を実施
10月8日、プランのユースグループ※1のメンバー11名が、日本アドバタイザーズ協会※2を訪問し、ダイバーシティ委員会※3の皆さまと意見交換を行いました。今年のアクションのテーマは「広告でのジェンダーの描かれ方」で、プランのユースメンバーが、全国の同世代のユースを対象にインターネットで意識調査を行い、その結果を発表しました。この調査は、身近な広告でジェンダーがどのように描かれているか、ユース(15~24歳の若者)が広告からどのような影響を受けているかを調査することを目的としています。調査結果をもとに考察や分析を加え、「ジェンダーに配慮した広告にするためのチェックリスト」を作成し、発表しました。
意見交換の様子
- ※1プラン・ユースグループ
同世代や社会に国内外のジェンダー課題を発信し、意識啓発のイベントや事務局の事業方針へのアドバイジングを行うユース(15~24歳の若者)からなるグループ。さまざまな取り組みを通じて、ユースの声が反映される社会の実現を目指します。 - ※2日本アドバタイザーズ協会
日本で唯一の広告主による公益社団法人。企業・団体自らが共同して、広告活動の健全な発展のために貢献することを目的として活動しています。 - ※3ダイバーシティ委員会参加企業
東レ、ワコール、味の素、NEC、NTTドコモ、オリンパス、サントリーコミュニケーションズ、資生堂ジャパン、東京海上日動火災保険、トヨタ自動車、ハウス食品、ポーラ、ライオン
意識調査から見えたこと
調査概要と結果は以下の通りです。
【調査の概要】
「広告でのジェンダーの描かれ方に関するユースの意識調査」
- 調査方法 インターネット
- 回答数 15~24歳の392名
- 内訳 女330名(84.2%)男54名(13.8%) その他8名(2%)
- 実施日 2019年9月8日~9月30日
【おもな調査結果】
-
41.8%が広告に不快感・違和感をもったことがあると回答
「いい意味で印象に残っている広告がある」と答えた人は30.2%に対し、「不快感・違和感をもった広告がある」と答えた人は41.8%でした。不快感・違和感をもった理由の最多回答は、「ジェンダーの固定観念の助長」でした。 -
理想の容姿として女性の1位(57.4%)男性の2位(55.7%)は「個性を大事にしている」(複数回答)
理想の容姿として「個性を大事にしている」が女性では1位に、男性では2位となりました。一方、広告における人物の容姿について「個性を大事にしている」と回答した女性は7.0%、男性8.1%にとどまりました。ユースは、広告が描く画一的な「男性らしさ」「女性らしさ」ではなく、「個性」を大事にしている人が理想的と考えていることがわかりました。 -
日本で「ジェンダーの固定観念を打ち破る広告を見たことがある」人は29.9%
「ジェンダーの固定観念を変えるような広告を見たことがあるか」という質問に対して、70.1%の人が「いいえ」と回答しました。「『女性らしさ』『男性らしさ』といった固定観念を助長するのではなく、ジェンダーの固定観念を打ち破る広告が、日本において増えてほしい」というコメントがユースから寄せられました。「ジェンダーの固定観念を変える広告を見たことがある」という人が挙げた広告の多くは男性が家事・育児をしているもので、海外企業の広告を挙げたユースもいました。
【調査に寄せられたユースの声】
- 広告は、このまま男尊女卑を加速させることも、社会を変えることもできる存在だと思う。だからこそ社会にどういう影響を与えるかまで考えて制作してほしい。(大学生、女性)
- 特に仕事について、男性と女性の役割の壁を壊すような広告がいいと思う。(高校生、女性)
- ジェンダーに対するさまざまな価値観を取り入れた広告が増えて欲しい。(大学生、女性)
- LGBTの存在を認識してほしい。(大学生、女性)
- 子どもたちがジェンダーにとらわれずに生きていけるようになればいいと思う。(社会人、女性)
- 多様な人々の事情を加味したさまざまなCMがあるべきだと思う。(大学生、男性)
- 広告を意識して見たことなかったのでこれから意識してみたいと思います。(大学生、男性)
ジェンダーに配慮した広告作りを進めるために
調査結果を伝えた後、ユースが考えた「ジェンダーに配慮した広告にするためのチェックリスト」の発表も行いました。イギリスには、広告基準協議会による「性別にもとづく有害なステレオタイプ」を使った広告を禁止する規制がありますが、その規制も参考にしながら以下のチェックリストを考えました。
- 広告に登場する人物を、性的対象やモノとしてではなく、一人の個性や能力のある人格として、肯定的に描いていますか。
- 広告において、多様なライフスタイルを描写していますか。
- 男女問わず、リーダーシップを発揮することができるというメッセージを含んでいますか。
- 多様なボディイメージを肯定していますか。
- ジェンダーに対する多様な価値観に配慮していますか。
一人ひとりが、自分の言葉で意見を伝えました
ダイバーシティ委員会委員長の東レ株式会社の幼方聡子さまからは、「ユースの生の声を聞くことができて大変有意義でした。日本においてはとかく女性蔑視という観点で広告が炎上することが多いのですが、今、まさに企業が向き合うべき広告業界が認識すべきダイバーシティの考え方について、今後も委員会を通じて模索していきたいと考えています」というコメントをいただきました。
ユースからの意見をしっかりと受け止めていただきました
アクションに参加したユースの声は後日ブログで発表します。また、世界で行われたアクションの様子も報告します。お楽しみに。
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