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「日本における女性のリーダーシップ2021」レポート発表~早期の「教育」が鍵~
アドボカシー
女の子だから
(更新)
世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」では、日本は世界156カ国中120位、特に政治分野では147位に順位づけられ、深刻なジェンダー格差の存在があらためて浮き彫りになっています。
プラン・インターナショナルは、ジェンダー平等の達成にはほど遠い状況にある日本において、「リーダーシップの受け止められ方」、「女性のリーダーシップ発揮を阻む要因」を明らかにするために調査を実施。男女2000人を対象にアンケートやインタビューを行い、分析結果を「日本における女性のリーダーシップ2021」として発表しました。
アンケート調査から見えてきたこと
責任ある立場を志向する女性の割合が極端に低い
18歳以上の男女を対象とした調査からは、女性の約9割が「責任ある仕事をしたくない」と考えていることが明らかになりました(表1)。また、学生を対象とした調査では、女性は男性に比べ、学生時代から自分自身が将来のリーダーや責任のある職務に就く志向が低い傾向にあることもわかりました(表2)。

表1. 18歳以上の男女を対象としたアンケート結果

表2. 15~24歳の学生を対象としたアンケート結果
女性がリーダーになるうえでジェンダー規範※が障壁となっている
アンケートやインタビューの結果から、ジェンダー規範が原因で、女性の上昇志向が抑えられる傾向にあることがわかりました。責任のある職務を避ける理由として「労働時間が長くなると家庭生活との両立が困難」などの回答が見られました。また、女性リーダーには、「感情的」、「決断できない」、「統率力ではなく場の調整役」、などの固定的なイメージがあることも見てとれます。職場におけるリーダーに対する期待と、女性に対する固定化されたイメージのギャップが、女性がリーダーになることへの意欲を阻んでいると考えられます。
- ※「女性・男性は~であるべき」など、二分化された性別に基づく社会的な考え方や期待のこと
早期のリーダーシップ教育・ジェンダー平等教育が重要である
「幼少期からのリーダーシップ育成」「企業におけるリーダー候補の早期育成」「ジェンダー平等教育」が重要であることが明らかになりました。例えば、ジェンダー平等教育を受けたことがある学生は、 「男性は女性よりリーダーに適している」という意識が低いことがわかりました(表3)。また、特に女性は、ジェンダー平等教育を受けたか否かによって、「家事や育児といったケア労働は女性が担当すべき」と考えにくくなり、将来的にリーダーシップを発揮したいという意欲が高まることも示唆されました。

表3. 15~24歳の学生を対象としたアンケート結果
女性は男性に比べてリーダー志向が低い、という調査結果は、「女性が望んでいないなら無理に女性リーダーを増やす必要はない」という結論を引き出しがちです。しかし、大切なのは、女性のリーダー志向の低さの背景にある根本原因を明らかにし、現状を変える具体的な取り組みにつなげていくことです。今回発表したレポートをぜひ多くの皆さまに読んでいただき、ジェンダー平等についてあらためて考えるきっかけにしていただけることを願っています。
レポートはこちらからご覧いただけます。
- ※「日本における女性のリーダーシップ2021」のなかで以下の記載内容に誤りがありました。
蓮舫・衆議院議員→参議院議員
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