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ギニアの子どもたちをマラリアから守る~コロナ禍で取り組むプロジェクト~
世界の各地から
(更新)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中の医療システムに混乱をもたらしています。日本でも通常のケガや病気治療に加え、予防接種や妊産婦検診などの必要不可欠な受診に遅れが生じていることが報じられており、途上国では深刻な状況です。
現在、アフリカ各国で心配されているのがマラリアの蔓延です。マラリアは、2018年に世界で2億人以上が感染しており、死亡者数は40万人以上、その9割以上がアフリカ地域に集中しています※。5歳未満の子どもたちはその影響をもっとも受けるグループです。
マラリア予防キャンペーン
プラン・インターナショナルが活動する西アフリカのギニアでも、マラリアの蔓延が長年の課題となっており、毎年マラリア予防キャンペーンを実施しています。
プランは政府と関係者からなる「全国マラリア対策プログラム」と協力して、マラリアが重症化しやすい3カ月〜5歳未満の子どもに抗マラリア薬を投与するキャンペーンを毎年展開しています。薬は、マラリア感染率の高い地域に住んでいる子どもたちに、4カ月にわたって毎月投与されます。WHO(世界保健機関)によると、この治療により、マラリアの症状が約75%減少します。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の蔓延が、このプロジェクトにも影を落としています。
キャンペーンのローンチイベント
新型コロナウイルスがもたらした混乱
ギニアでは、3月中旬に最初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が確認されました。これまでの累計の感染者数は6000人余りと抑え込まれていますが、ギニアでも移動制限などの理由により診療所が閉鎖されたり、人々が外出を控えたりして診療を受けなくなることで、適切なマラリア治療が行われなくなる恐れがあります。新型コロナウイルス感染症についての正しい知識を持たない人々もおり、また、マラリアの発熱、頭痛、痛み、衰弱などの症状が新型コロナウイルス感染症とも共通して容易に見分けがつかないため、一部に混乱も起きています。
保護者たちに説明をしてまわるプランの職員
ある親たちは、子どもたちがこのマラリア予防キャンペーンで治療を受けるのを許可しませんでした。小さな子どものいる父親は、「はじめは、感染症のこともあり子どもにマラリア予防薬を服用させることに反対でした。多くのうわさが広まっていて、新型コロナウイルスに感染する薬だと言う人もいて不安になりました」と語ります。プランの職員の説明を聞いて安心し、今は子どもたち全員に薬を服用させているそうです。
キャンペーンに参加した家族
子どもに投薬する母親
診察と治療を適切なときに
プランのマラリア予防キャンペーンでは、妊娠中の女性の定期健診や予防接種などの医療サービスを行うことで、マラリアの症例を効果的に管理していましたが、パンデミック中により生じた受診の遅れなどによる影響は少なくありません。
これまでギニアのプランは保健プログラムにおいてマラリアやその他の感染症との闘いを支援してきました。インフラの強化と、医療システムをサポートしてきたことで、新型コロナウイルス感染症の影響を抑え、ギニアの医療サービスを維持するのにも役立っています。
薬を受け取りに来た母親
プランは、感染症のパンデミックの対応のためにそのほかの病気への対応が妨げられたり、放置されたりしないよう、そしてマラリアやそのほかの病気による子どもたちの死亡率を低下させてきた近年の進歩が失われることのないように、引き続き活動をすすめます。
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